step1_(ご挨拶編)
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「お隣の202号に越してきました、これからよろしくお願いします。」
「あっ、はい…ども…よろしく。」
少し挙動不審な感じで、伊藤開司は頭を下げた。
203号の伊藤開司くん。
「はじめまして、私…youって言います。」
「伊藤…伊藤開司です。」
「伊藤さん。」
「あ、別にカイジでいいですよ。」
「本当?…じゃぁ、カイジ…くんで。」
照れくさそうに笑う姿が何とも可愛いと、カイジは思った。
最近自分が関わった女性といえば、西尾というバイト先の女の子。
それから……知人の娘である美心…。
美心に関しては、カイジに好意を持って寄ってきてはいるのだが…
外見、中身共にインパクトの強過ぎて(いい意味でも悪い意味でも)
正直あまり関わりになりたくない女性だとカイジは思っていた…。
西尾という彼女に至っては、バイト中にほんの数回しか会話をしたことがないという現状。
そんな限られた女性関係の中、隣に越してきて態々こうやって挨拶をしにくるyouは
カイジにとって異色な存在に思え、気付けばボーっと立ったままyouを見つめていた。
「カイジくん?」
「はっ…!」
「何か考え事?」
「いや、違うんだ…えーと…。」
「ふふ…人の話はちゃんと聞こうね?損しちゃうよ、ホラ、こんな風にね。」
そう悪戯っぽく笑って、カイジの眼前に紙袋をチラつかせた。
その好行為に頭に疑問符を浮かべて、youと紙袋を交互に見ながら「え?」を数回繰り返した。
「引越しのご挨拶、流石に両隣さんには手ぶらじゃアレかな~って思ったから。」
「え?」
「大した物じゃないけど、お菓子。食べてね。」
「え?オレにくれんの?」
「カイジくんがいらないって言うなら、私が食べるけど?」
「いや、食う!食うよ!サンキュー!!」
「ね、ボーっとしてると逃しちゃう時もあるんだよ、気をつけてね!」
「う……あぁ…分かってるよ///」
紙袋を手渡され、カイジはもう一度手厚くお礼を述べた。
「っと……ありがとう、you…さん?」
「youでいい……ん…。」
「ん?」
「いや、私が「カイジくん」だから……カイジくんは「youちゃんv」で!」
「……はあ…じゃ、you…ちゃん………って、何かスッゲー恥ずかしいんだけど!!」
耳まで赤くなるカイジを見てクスクス笑い出すyou。
そしてとりあえずのフォローを入れる。
「うそうそ、何でもいいよ。好きなように呼んでくれていいよ。」
「最初からそう言ってくれ……じゃ、youな。」
「うん!」
「そうだ、you…お前今日暇か?」
「え?今日は荷物整理するくらい…かな。」
「そっか、じゃぁ夕方飯でも食いに行こうぜ!
菓子のお礼と親睦を兼ねて!オレの奢りで!」
「行くっ!」
新たな地で早速友達ができた、と…それはもう嬉しそうに答えるyou。
(201号のアカギに関しては友達という枠に入れないつもり)
「じゃ、荷物整理頑張ってな。」
「うん!」
「…というか、手伝おうか?」
「んー、細々したものばっかりだから大丈夫だと思う…。」
「そっか、無理そうなモンがあったら言ってくれ、手伝ってやるよ。」
「ありがとう!カイジくん!」
「お……おぅ…///」
「ほいじゃぁにー、また後で~!」
と、手を振って部屋へと入っていくyou。
少なからず、今後の福本荘での生活がちょっぴり楽しみになったカイジだった…。
203号は友達第一号のお家!
(はぁ~もうお腹いっぱい。)
(あー、何か冷たいモン食いてぇな…アイスとか…。)
(あ、私もアイス食べたい!!)
(……満腹じゃなかったのか?)
(あ、甘いものは別腹なのっ!)
(…………。)
(な、何よぅ…その顔はっ!!)
(いや、……何か可愛いなと思って…。)
(あ…ありがとう…?……///)
(はっ!ど、どういたしまして…?……///)
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