step3_(日常編:アカギ)
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例え世界の果てであろうと
逢いにいくよ、と君は笑う。
アカギさんとわたし6
今日も今日とて陽は落ち、迎えた夜闇。
押し入ったyouの家に我が物顔で寛ぐアカギ…。
最早慣れてしまい、違和感を抱かなくなったyouは
アカギがテレビの前にどっかり座ったと同時に立ち上がり、キッチンへと向かう…。
「歯磨きしちゃったから…コーヒーじゃなくてお茶でもいいですか?」
「いいよ、オレも磨いた。」
「温かいのと冷たいのは?」
「冷たいの、今、風呂入ってきたから。」
「わかりました。」
一度頷いて、冷蔵庫を開くyou。
ホットと違ってそう時間はかからないため、すぐに彼女は戻ってきた。
テーブルに2つお茶を置いて、アカギの隣に着席する。
「いただきます。」
「はい……あ!」
「?」
グラスに口を付けたままyouの方を向けば、彼女の手がペタペタと自分の髪を触り始めた。
何をしているのかと思い、尋ねようと口を開いたのだが、youの方が一瞬先に声を発する…。
「アカギさん…髪の毛濡れてる。」
「ああ…別に…すぐ乾くし……。」
「もしかしてタオルドライだけですか?」
「ああ。」
「・・・・。」
「?」
「あ、いえ…。」
きちんと乾かすこともせず、自分に顔を見せにきてくれたのか、
ただ彼が面倒臭がりなだけなのかは分からないが、何故かとてもそれが気になってしまったyou。
おもむろに立ち上がり、youは洗面台からドライヤーを持ってリビングに戻ってくる…。
近くのコンセントに電源コードを差し、アカギの後ろに回りこんだ。
「you?」
「乾かしましょう、風邪引いちゃうかもしれないし…。」
「やってくれんの?」
「ん…短いからすぐ乾くと思いますし…。」
そう言ってスイッチをONにして、アカギがコトリとグラスを置いたのを皮切りに、
早速彼の髪を乾かし始めるyou。
やはり短髪はすぐに乾くようで、あっという間にアカギの髪はサラサラとyouの指を通るようになった。
「はい、終わりました!」
「どうも。」
「頭皮マッサージでもしましょうか?」
「・・・・。」
「アカギさん?」
「youはさ、気持ち悪くないの?」
「え?なにが?」
「いや…髪。」
「・・・?」
きょとん…と、本当に不思議そうな顔をして眼下にあるアカギの頭を見ると、
ゆっくり動かされたことで向けられた視線がバチリと合った。
*。゜.*。゜.*。゜.*
「不気味じゃないの、真っ白な髪なんて。」
「え・・・。」
「普通触りたくないでしょ、こんな髪。」
「・・・。」
アカギの言葉を聞き、youは無表情で彼を見つめ返す。
返す言葉が見つからないのかと思いきや、意外にもすぐに彼女は言葉を紡いだ。
「どうしてですか?」
「え?」
「どうして気持ち悪いんですか?」
「…普通じゃない…だろ?」
「普通って、何ですか?」
「…普通は…黒いだろ…?」
「海外の方は金色ですよ?」
「…いや…そういうんじゃないだろ、これは…。」
「よく分かんないです……。」
「…そう。」
「私は…とても好きです、アカギさんの髪。」
「…変わってるな。」
「似合ってますし。」
「そう…。」
「どんな人ごみの中でも、見つけられるから、とても便利ですよ。」
「ククク…何それ。」
にこりと微笑んだyouの言葉は利点があるのか無いのか分からないものだったので、思わず笑いが洩れる。
ただ、それに対してふと思うことがあり、アカギは顔だけでなく身体もyouへと向けて座りなおした。
正面で向き合い、アカギはyouの髪に長い指を差し入れる。
「アカギさん…?」
「見つけるよ。」
「え…。」
「どんな処にいたって…どんな姿だって…オレも…必ずお前を見つけるよ。」
「は…っ…?!//」
「youが見つけてくれるんなら、白髪も捨てたモンじゃないな。」
ふっと笑みを浮かべた、アカギのその顔があまりにも綺麗で…。
言葉を詰まらせて、ようやく口を突いて出たのは素直なものではなかった。
「な、何の話をしてるんですか!?//」
「来世の話?」
「ま、まだ早いですよ!」
「まぁまぁ……ただ…そう思っただけの話だ。」
「・・・//」
相変わらず笑みを浮かべたまま、アカギはくしゃくしゃとyouの髪を乱した。
「もう!」と軽く怒れば、大きな手を少しずらして彼女の額に掛かる前髪を退かす…。
「あか…。」
「しっ。」
「…っ?!//」
黙って、と言葉を制されたかと思えば、ふいに額に感じたぬるい温度。
ああ、口付けられているのかと理解し、
これが所謂でこちゅーというやつか、などとぼんやり考えが浮かんだものの、
すぐに我に返り、youはアカギの胸を押しのけ距離を取った。
「ななななん!?!//」
「ん?」
「何してるんですか!!?//」
「ああ、うん……何か、嬉しかったから。」
「う、あ…//」
「嬉しい?いや、違うよな…こういうの、何て言うんだ?」
「っ…?」
youの動揺などそ知らぬ様子でアカギは自問自答を繰り返す…。
そして閃いた言葉は、更にyouの頬を赤く染め上げた。
「ああ、なに?「愛しい」って言うのか……なぁ、you?」
「わっ……わたしに聞くなぁあー!!//」
「あらら。」
目を合わせることにも耐えられなくなったのか、
youは近くにあったクッションを引き寄せて顔を埋めた。
しかし、アカギの言の葉は止まる事は無くyouの頭上に降り注ぐ。
「オレはさ、もう決めてんだよね。」
「・・・・。」
「youが好きだって。」
「・・・~~!!//」
「だから、オレのモンになってくれるまで……追っかけるから。」
「…困る。」
「いいね、youの困った顔、大好物。」
「悪趣味。」
「悪いが、そういう性格なんだ。」
「・・・。」
「例え何百回生まれ変わろうと、どんな姿になってようと、それが世界の果てであっても。」
「・・・。」
「オレはアンタを手に入れたいと願うよ。」
「・・・っ…!//」
「……おやすみ。」
無防備な頭の天辺を数回撫で、アカギは立ち上がる…。
恐らくはこれ以上粘ってもyouが顔を上げる事は無いと悟ったからだろう…。
熱い告白が嘘のように、悠々とした足取りでアカギは部屋を出ていった。
ドアがバタンと閉まった音を耳にしてから数分後、ようやく顔を上げたyou…。
「アカギさんって、アカギさんって………本当にアブナイ!//」
つまり、あともう倍プッシュでyouはアカギの手に落ちていたかもしれないという意味。
しかし、今日…というよりは寧ろ日々のことであるが、
アカギ自身はその駆け引きを楽しんでいる様で…。
逆にyouの方こそ、アカギに迫られる度、
彼に対する何かが少しずつ満ちていくのを感じるのだった。
それはあと
ほんの少しで
溢れてしまうよ
(おはよう、you。よく眠れた?)
(え?あ、はい。)
(・・・・そう。)
(…アカギさん?)
((全然堪えてないのな…。))
(アカギさーん?)
(いや……鉄壁だなぁと思って。)
(?)
(こっちのハナシ。)
((ドキドキして眠れなかったなんて、絶対に言わない。))
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*