step3_(日常編:アカギ)
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「よぉ、youちゃん!」
「あ、南郷さん!おはようございます……って、アカギさんっ?!」
ご近所の南郷さんが肩を貸している相手は
何故かお隣の犯罪し…
基、お隣のギャンブラーだった。
アカギさんとわたし
南郷の肩に腕を掛け、ぐったりと項垂れているアカギ。
youは思わず駆け寄って具合を確かめる。
「どうしたんですか、アカギさん!具合悪いんですか?!」
「ぅ…。」
呻くような声を微かに上げ、アカギは混濁した意識の中でyouの姿を捉えた…。
「…ぁ…you…?」
「大丈夫ですか!?」
「南郷さん…。」
立ち止まって、アカギは肩を借りている南郷の顔を見上げた。
「ん、どうした?」とアカギに視線を落とし、問いかける南郷…。
youは相変わらずオロオロしながらアカギと南郷を交互に見ている…。
「南郷さん…ここでもう大丈夫ですよ。」
「そうか?本当に大丈夫なのか?」
「ええ、youに会えましたし……後は彼女に肩を貸してもらいます。」
「「貸してもらいます」ってお前……youちゃんの意見は…?」
「いいよな、you?」
突然自分に振られた、アカギに肩を貸すという役割。
以前の彼女なら怪訝な顔で渋々承諾…といったとことだが、
普通に「はぁ、構いませんけど」と軽く答えを返す…。
徐々にアカギの俺様体質に慣れつつあるyouであった…。
「なら、youちゃん…福本荘までコイツを頼む……ってもすぐそこだけどな。」
「はい、じゃぁ……代わりますね。」
「おぅ。」
ずしっと肩に体重が掛かり、少しだけよろけたが
何とかバランスを持ち直す…。
「だ、大丈夫か?」
「ハイ、なんとか…。」
「じゃぁ、俺は行くから……何かあったら俺か安岡さんに連絡しろよ、アカギ。」
アカギに軽く忠告ををした南郷。
彼の言葉にはワリと素直に返事を返すようで、アカギもコクリと頷いた。
「分かってますよ、南郷さん…どうも。」
「あぁ、じゃあな。」
そう言って手を振り、自分の家へと帰って行く南郷。
youは空いてる方の手をヒラヒラ振って南郷の背中を見つめながら、アカギに話し掛けた。
「じゃあアカギさん、帰りましょうか。」
「あぁ…。」
若干ヨロヨロしながら、あと数メートル先の福本荘へ向かって歩きだす。
アカギはかなり体力を消耗しているのか、自分の力で歩くことがままならない様子…。
その分かなりの体重がyouに掛かる…。
そして、彼女は相当な負荷を背負いながらも、何とか福本荘の二階…
アカギの部屋の前までたどり着いた……。
「着きましたよ、アカギさん!」
「ぅ…。」
「鍵を開けてくださいー!」
「…ポケットん中。」
「んもぅ!仕方ないなっ。」
ぶつぶつ文句を言いながらも鍵を取出して開けてやるのは……
酷く体調が悪そうなアカギを見て、致し方ないと判断した為だった。
鍵を開けて部屋の中に入ると、閑散とした風景が視界に広がる…。
物がないというか、生活感がないというか…
とにかくシンプルなアカギの部屋。
youの部屋とは違い、ベッドがない…。
つまり彼はいつも敷布団で寝ているらしい。
アカギを玄関に待たせ、すぐに布団を出す…。
ものの1、2分で寝床を用意し、アカギを移動させに戻ってきた。
「アカギさん、布団敷きましたよ!立って下さい!」
「…ぅ…。」
「こんなトコで寝たら、余計体に悪いですよ!」
「……ん。」
再びヨロヨロとアカギに肩を貸し…(というか最早背負って)寝台に向かうyou。
やっと到達したと思った瞬間に、勢いよくアカギが布団に倒れ込んだ…。
もちろん、支えていたyouを巻き込んで。
「ぎゃっ…!?」
「もう……ダメだ。」
「あ、アカギさんっ?!」
倒れ伏したアカギに慌ててyouが声を掛けると……。
「…もう、眠い…。」
「は?」
「徹夜で…打って、……もう、限界………寝る。」
「ちょっと……じゃあ具合が悪いってのは…。」
「……オレは何も言ってない。youが勝手に心配してくれた、だ、け。」
「かっ…勝手にって!」
「でも、うれしかったよ……ありがと。」
「そっ…///」
「おやすみ…you……。」
「ち、ちょっとアカギさん?!///」
「おやすみ」と言って寝るのはいいが、そう宣言した後にアカギはyouの身体をぎゅっと抱きしめた。
慌てて抵抗してみたが、がっちり捕えられ、離れることは不可能…。
「アカギさんって…眠るんだ…。」
ボソッと失礼に近い疑問を呟き、アカギを見た。
普段まじまじと彼の顔を見ることなどなかったため、その整った顔立ちに初めて気付く…。
「(うわ…睫毛長い……鼻も高いし、背も高いんだな…私の身体、アカギさんの中にすっぽり納まってるし…。
髪もふわふわで気持ち良さそうだし…。身体もがっちりで男らしいし……あ、鎖骨綺麗……。
うわー…!何かアカギさんて……よくよく考えたらモテそうだよね…。)」
そんなことを考えていると、今更ながら、この情況が恥ずかしくなってきたyou…。
もぞもぞと抜け出そうと試みたり、絡められている腕を解こうと奮闘してみたが全て無駄に終わった。
そんなこんなしているうちに、逆に体力を奪われて疲れてきたyou。
布団の上で横になり、隣には気持ちよさそうに眠るアカギ。
必然的に眠くなる条件が全て揃っているとくれば、これは…。
「(私も眠くなってきたし…)」
本人は口に出したつもりだが、実際は脳内で台詞を展開させているに過ぎない。
そんなことにすら最早気付かないyou……。
目を閉じたら、すぐに睡魔が襲い
そのまま深い眠りに誘われた。
*。゜.*。゜.*。゜.*
数時間後…
「ん……ふぁ…。」
先に起きたのはアカギ。
時刻は夕方に指しかかろうという午後4時ジャスト。
目を瞬かせて、今の状況を確認する。
「(南郷さんに会って、連れ帰ってもらって……あぁ、そこでyouに会ったんだな、確か……。
そんでもって…youに部屋まで肩貸してもらったんだっけ?)」
ほとんど意識を飛ばしていた為、憶測で情況を考えるアカギ…。
そして最大の謎、彼女が自分の隣で寝ている
(正確には腕の中で寝ている)という理由を考える…。
「(……いいにおい……あ、柔らけぇ。)」
しかし、それは一瞬で煩悩に掻き消された…。
腕の中で規則正しく呼吸をしているyouの顔を覗き込み、頬っぺたをつつく。
「…一緒に寝てるってことは、少なくとも嫌われてはないみたいだな。」
「むぅ…。」
「ははっ、どういう反応だよそれは…。」
そう軽く笑って、youの髪を撫でる。
その行為が気持ち良かったのか、まるで猫のようにアカギの胸に顔を擦り寄せてきたyou。
「おいおい!無意識にしろそれはヤバイだろ…理性が…。」
自分の理性の限界を感じたアカギはyouを揺さ振り起こす。
「おい、you、ちょっと起きろ…。」
「んー…。」
「……you。」
「…もー、今日は散歩行かないって言ったじゃん…。」
「誰にだよ…ていうか散歩かよ。」
自分のことを親か誰かと勘違いしての台詞を吐くyou。
アカギはヤレヤレと一呼吸おいて、溜息を付いた。
「起きないってことは、犯られてもいいってことだ。」
ガバッ!
という効果音と共に…
跳び起きたyou。
どうやら連日のアカギの襲来によって、彼のオーラに敏感になったようだ…。
「そういう」気配を察知して目を醒ます。
「おはよ。」
「おはっ……あっ、あっ、アカギさんっ!!///」
「ありがとな、運んでくれて。」
「いっ、いつから起きて…?!」
「さっき。」
「な、何か…!///」
「何もしてないよ。(しようとしたら起きたし…)」
「あっ、いえ……そうではなくて…、いや、それもなんですけど…!」
「と、いうと?」
「私何か…言ってましたか?その……寝言とか…。」
アカギはちょっとだけ首を傾げて「いや」と否定の言葉を告げた。
その反応を見て、ちょっと安心したようにホッと安堵の溜息を吐いたyou。
こういうとき悪知恵が働くのが赤木しげるという男。
ちょっとからかってみようと、口角を上げた。
「あぁ、そういえば……。」
「え?」
「「アカギさん、あったかい」とか「もっとくっつきたい」とか……。」
「!!」
「あんまり理性を壊そうとするもんだから……起こした。」
「!!!」
何か言いた気に口をパクパクさせるが、何も言葉が出ないyou。
最終的に耳まで真っ赤に染まった後、涙目でアカギを見る。
いつもの彼女なら、アカギが冗談を言った時点で「嘘吐き!」と何とかして否定を顕にするはず。
しかし、先ほどからそれが無い…。
無いということは、そういう夢を見ていたということで…
それが安易に想像できてしまったアカギの目が大きく見開く……。
「おい、you…。」
「っ……あの…私、その……あぁああーゴメンなさいですっ!!///」
一瞬だけ掴まれたアカギの腕を振り解いて、ダッシュで部屋を飛び出したyou。
彼女が隣の自宅に入ったであろうバンっというドア音を聞いて、
思わず零れた……彼の言葉。
「マジかよ……何コレ、すげー……嬉しんだけど……もしかしてオレ、本気なワケ?」
「アイツのこと」と思った瞬間、先ほどの真っ赤になったyouの顔が頭に浮かぶ…。
口元が自然ににやけるのを感じたアカギは手を口に当てて笑いを堪えた。
「面白い……こうなったら絶対、手に入れてやる。」
そう呟いてアカギがペロリと舌なめずりをした時、
youは逃げ帰ってきた自分の部屋で身震いをするのだった…。
「どーしよう!そんな寝言言ってたなんて……どうしよう、恥ずかしい!
うわー、言えないよ…『アカギさんの飼猫になって甘えてる夢みてました』なんて…。」
意思疎通の食い違いによって、アカギを本気にさせてしまったyou。
彼女がその事実に気付くのはそう遠い日ではない…。
地獄が始まる…。
(アカギぃ!昨日は大丈夫だったか?!)
(南郷さん…えぇ、お陰様で。)
(youちゃんにお礼言っとけよ!)
(お礼?……えぇ、それ以上の悦びを与えるつもりですよ。)
(そーかそーか……って今、何か漢字変換おかしくなかったか?)
(気のせいですよ。)
(そうかそうか!)
(ククク…。)
*。゜.*。゜.*。゜.*