step2_(イベント編)
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「あ、一条くん!おはようございます!」
「おはよう、youちゃん……偉いね、掃除してるの?」
「え、あ……まぁ…軽く、ね!」
眩い朝の光に包まれて福本荘の近辺を掃除しているyou。
しかし、何故か少し慌てたyouに一条は違和感を覚えた…。
ご近所のお掃除をしよう
「youちゃん、今日は休みなの?」
「うん、休みー。一条くんは?」
「オレも休み……youちゃんは遊びに行ったりしないの?」
「いつもなら寝てるか遊ぶんですけど……今日はお昼までお掃除。」
「ボランティア?」
「あ、うん……うん、まぁ、そんなとこ!」
「……怪しいね。」
ギクリ、と跳ねたyouの肩。
抜け目の無い一条はすぐにそれを察知し、youに尋ねた。
「何かあるでしょ?」
「な、何もないよぉー!?」
「大家さんと何か取り決めでも?」
「……エスパー?」
口をあんぐり開けて、youは一条を見上げた。
ズバリ言い当てた彼はまるで正反対のニコニコ笑顔。
「君はすぐ顔に出る」と笑って、一条は尋ねた。
「で、何があったの?」
「家賃を…ちょっとだけでも下げてもらえるようにお願いしたのです…。」
「福本荘の大家さんって確か…いつもサングラスのあの遠藤さんだったっけ?彼、結構厳しいってカイジがボヤいてたよ?」
「そうですか?私には優しいですよ??」
「まぁ、アイツは人格に問題あるからな…。」
「それで、月に千円下げてもらえるようにお願いしたんです!」
「せんえん・・・。」
一条にとっては湯水のような金だが、一般人にとって家賃は死活問題。
少しでも下げたいのが本気の本音なのである。
すると今度はyouがニコニコと笑顔で一条に告げた。
「それでね、隔週1回でも福本荘の掃除をすれば500円くらいは下げてくれる!って!!」
「ごひゃくえん…。」
「後は…大家さんの家も掃除すれば更に1000円で、合計1500円家賃から…」
「だ、ダメだからね?!それは流石にダメだからね?!」
図らずとも遠藤の計画を阻止した一条。
このタイミングでyouに出会ってよかったと、本気で胸を撫で下ろすのであった。
そしてふと考える。
「(まぁ、そんなことになったら福本荘の人間が黙っちゃいないだろうけど…。)」
「そっかー、やっぱそれは虫が良すぎるよね。」
「そうだね、無事でいられる保障もないし…。」
「え?!遠藤さんの家ってそんなに汚いんですか?一条くん、行ったことあるの?!」
「あ、そういう風に取るんだ?」
一条の言わんとする意図とは全く明後日な意味に変換するyou。
それはある種の才能だと…一条はそう思わざるを得ない。
苦笑しつつ、彼は一つの提案を持ちかけた。
「あのさ…もしかして、お金困ってる?」
「んー…困ってるってほどではないけど…困ってないわけではない、かなぁ。」
「そっか…。これは提案なんだけど…もし時間があるなら、オレのカジノで事務やってくれないかな…。家賃下げてもらうより割りはいいハズだよ。」
「えぇ?!」
「どんな時間でもいいんだ。youちゃんの空いてる時間に。臨時で構わないんだけど……。」
「そういえば店長さんだったね、一条くん…。でも、逆に迷惑なんじゃない?」
「それはこっちの台詞。フロアで働く女性のディーラー達はいるけど、事務は女性を雇ってなくてね……事務所に花があると、皆の士気も高まるし…。」
綺麗な笑顔を見せて一言付け加える。
「何よりオレが嬉しい。」
という一条の甘い一言に、その手の話には鈍いyouも思わず赤面する。
満足そうに笑って、一条はyouの両手を取った。
「ちゃんと女性の出入りもあるから、身の安全は保障できるよ。」
「そ、そうではなくて…///」
「どうかな?」
「あ…え…じゃぁ…いや…その……一条くんが迷惑でなければ…よろしくお願いしま、す。」
「勿論!じゃぁ今日の午後から早速話を進めようか、時間ある?」
「うん、大丈夫。今日は午後から予定ないから。」
「じゃぁ早く掃除終わらせなきゃね。手伝うよ。」
「え?!い、いいよぉ!私が請け負ったことだし!一条くんにまで迷惑かけらんない!」
そんなyouの反論は聞こえないフリ。
一条はyouから箒を奪うと、道の落葉を集め始めた。
手持ち無沙汰になったyouは「うぅ~!」とうなり声を上げ、
大きく一礼して「ありがとう」と告げた。
そんなこんなで2人で掃除をしていると、
近所のおじさんやおばさんが集まってきた…。
「今日は町内会の掃除の日だったかね?」
「いえ、これはその…ボランティアというか…。」
「感心だねぇー!どれどれ、じじぃも手伝うとするか。」
一人手伝い、また一人と人数が増え、福本荘と隣マンションの一帯で大掃除が巻き起こるのであった…。
「お昼までに終わらなさそうだね…。」
「ふふ…オレは別に構わないよ。」
「いいの?」
「だって遅くなれば今度は夜御飯にyouちゃんを誘えるってことでしょ?」
「…一条くんって、狡猾な人種だね。」
「でもそんな僕にとってもyouちゃんは犯し難い子なんだな。」
「な、何…///」
「きっと皆そう思ってる。」
「み、皆って?」
彼はまた、にっこり微笑んで箒を動かしながら呟くように言った。
「ナイショ。意識されてyouちゃんを取られたら堪らないからね。」
アカギや零とはまた違う、ドストレートな一条の言葉の一つ一つに
これから振り回されそうな予感が止まないyou。
早鐘を打つ心を落ち着けたくて
大きく深呼吸して、青い空を見上げた。
誰でもウェルカム?
(おい、一条!youがこのカジノで働くってどういうことだよ!?)
(臨時で事務をやってもらうんだよ。)
(おっ、オレは認めないからな!!)
(ハイハイ、じゃぁ早く3万返して。)
(そっ、それとこれは今関係ないだろ!!)
(手持ちマイナスの輩はカジノに入れやしないよ?)
(…そうきたかよ…ッツ!!)
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