記念作品
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「カイジくーーん!お待たせ!」
そう言って待ち合わせ場所に現れたyou。
長身の自分を見上げるようにしてにっこり笑った彼女が妙に色っぽくて、
デートのしょっぱなから心拍数が半端なく上昇するカイジであった。
Over Heat Date!
「お、おう!はよ…//」
「おはよー!ごめん、待たせたかな?」
「いや、全然…さっき来た。」
「そっか、よかった!」
「んじゃ、行くか。」
「うん!あー今日ね、凄く楽しみにしてたんだ!」
「今日の映画か?それともケーキ屋?」
「違うちがうー。カイジくんと会えるのが。だよ。」
「そっ……そりゃ…どーも///」
ナチュラルにそう言ってのけたyouにまた心拍数が上がるカイジ。
そっぽを向きながら、今日一日平常心をどこまで保てるのか一抹の不安を感じるのであった…。
「でも映画もケーキ屋も楽しみにしてたのも本当!行こう、カイジくん!」
「おう。」
カイジの手を引いて歩き出したyouだったが、それはすぐに逆の状態になる。
コンパスの長さが違うので、すぐにカイジが横に並ぶのだ。
youはそれが嬉しくて、本人に気付かれないようにカイジを見上げ、人知れず嬉しそうに微笑んだ。
朝早くから出かけた成果もあり、映画はチケットを購入してちょうどの時間帯に上映される分を観る事ができた事もあってか、
上映終了後に出てきたyouはそれはもうテンションが高かった。
「カイジくん!凄かったね!」
「あ…ああ。」
「まずフジリューこと藤原龍也の演技が最高でした!!」
「ああ…。」
「命を賭けたトランプ勝負が一番好きでした!カイジくんは?!」
「え…ああ…一番最初のBMとかベンツにヤツ当たってるしょーもなくて平穏な時期の藤原かなぁー…ハハ…。」
「そうなの?」
「あ、敢えて言うならな…。」
「…カイジくん、顔色悪い…大丈夫?」
「ん…大丈夫…ちょっとリアルにリンクし過ぎてて目ん玉飛び出そうになっただけだから。」
「それ大丈夫じゃなくない?!」
慌ててカイジの顔を覗き込んだyouにカイジは苦笑を漏らすと、
彼女の目線まで腰を屈めて、鼻を人差し指で軽くつつきながら言った。
「ばーか、オレは平気だっつの。逆にyouの方こそ顔赤いし、熱でもあんじゃねぇの?」
「嘘!?赤い?」
「真っ赤。」
「嘘!?うそ?!」
「んだよ、そんなに藤原に興奮したのか?」
「え?」
「何か映画終わって妙にテンション高ぇし…。」
「え…あ、あはは!そ、そうかな?じゃぁえっと、そうかも?」
「オレに聞くなよ…。」
「あ、違うちがう!」
「?」
「カイジくんの顔が近いから、だよ…うん///」
「っ…バッ…!///」
物凄い速さでyouの顔から離れ、カイジは真っ赤な顔で怒鳴るように告げた。
「お前マジでバカなコト言うヤツ過ぎ!//」
「ええええ!!」
「そういうのは……公然で言うな!」
「そ、そういうのって言われましても!!」
「いや、オレが…そういうの…弱ぇー…マジで…。」
「か、カイジさーーん?!」
言いながら自分の免疫の無さに自己嫌悪に陥るカイジであった…。
がっくりと肩を落とした自分をオロオロと見守るyou。
そんな反応も有難くて可愛くて、カイジはまたすぐに背筋を伸ばして笑った。
「っし、もう大丈夫!」
「ほんと?」
「おう!…あー、腹減った!なぁ、you、昼飯食おう!」
「あ、うん…カイジくん何か食べたいものあるの?」
「安くて美味いとこ。」
「うん…まぁ、基本ですな。」
「最近冷えてきたしな…うどんとかそばとかは?」
「…い、いいと思う。」
「何か含みがあんなぁ…本当にいいのか?」
「大丈夫!」
「そーか?」
「うん!」
よく分からないyouの反応だったが、とりあえず無難なところに決まってよかったと…。
カイジは安堵してデート中のショッピングモールにある飲食街で店に入った。
のだが…。
「何で冷麺?!何でざる饂飩?!!」
「い、いいじゃないですか!ざるうどんは手間が掛かってて美味しいのです!」
「や…うん、でも……今日そんなに暑くない…。」
「うるさいなぁ!」
「(youに怒られた!初めて!しかも饂飩が原因で!!)」
驚いた顔をするカイジに気付き、youはハッと我に返った。
そして再び、間髪を入れずあたふたし出すyou…。
「あ、ち、違うの!わたしは別に常にざる饂飩派な人とかではなくて!ざる饂飩を否定されたから怒っているとかじゃなくて!ていうか断じて全然怒ってはいない!」
「お、おう…(すげー、ワンブレスで言った。)」
「どちらかというと…何か…今、たまたま熱いなーって思ったから頼んだ、だけなの。」
「暑いって……大丈夫か?さっきの冗談じゃなくて…マジで熱あんじゃねーの?」
「えっと……カイジくんがずっと傍にいるから。」
「ブハッ!!」
啜った麺を吹き出しそうになり、盛大に咽るカイジ…。
(実は鼻から麺が出そうになったことはここだけの話)
真っ赤になった顔でyouを見れば、彼女はカイジの反応よりも
「カイジくん汚いよー!」と…そのちょっと吹き出されたスープやらネギやらを片付けるのに集中している…。
最後に備え付けのペーパーナプキンで呆然としているカイジの口元を拭って「よし」と、再び自分の箸を握った。
「you…。」
「ん?」
「お前最強過ぎ。」
「ありがとうっ!何が?」
「いや、もう、こっちの話。」
「?」
youが不思議そうに首を傾げながら食べているうちに、カイジは全て食べ終えてしまった。
「は、早い!」
「遅い。」
「む…というか、あんまりお腹空いてなくて…。」
「あ、マジで?(だから飯行く時あんな反応だったのか…)」
「ちょっとお腹いっぱいかなーって…。」
「そっか…そりゃ悪かったな…オレの空腹に無理矢理付き合わせちまって…。」
「ううん、全然!」
「残したやつ、オレが食おうか?」
「それはだめ!」
「え?なんで?」
「ダメなの!カイジくんが食べるって言うんなら、わたしが食べる…。」
「は…はい…。」
何だかよく分からないが、食へのオーラだろうか…。
深刻な顔つきで自分を見てきたyouに、カイジはただ頷いた。
youはそれから少し食べることを再開させたが、結局半分ほど残して会計を済ませることとなった。
カイジが払うと言ったが、彼女は「残してしまったから申し訳ない」という理由で
断固として支払わせてくれず、仕方なく会計を別にしてもらった。
そして…
「カイジくん…。」
「ん?」
「ケーキ…食べに行きましょう!」
「はぁ?!」
「わたしは今日ケーキ…あのお店のケーキ、食べに来たのですから!!」
「でもお前…飯も残したのに…ケーキなんて食えんのかよ。」
「甘いものは別腹なんだよ…。」
「とはよく聞くけどな。」
「だから…お願い……早く行かないとわたし…もう…///」
「は?え?!ちょ、ちょっと…何それ?!//」
人目を気にせず突然カイジに寄りかかり、youは潤んだ瞳でカイジを見つめた。
まるで夜の行為を強請る時のように熱っぽい視線が向けられて、
カイジの心拍数が半端なく急上昇していく…。
「わたし……も、我慢できないよ…カイジくん…//」
「(オレもこのままだと我慢できないんですけどーー!!)」
「だめ…もうちょっと……なの、に…。」
「…ッオイ!you?!!」
ガクン、と…崩れ落ちたyou。
体を支えていたカイジの腕にいきなり重力が掛かり、少しだけよろける…。
すぐに体勢を元に戻し、腕の中で目を瞑っているyouを確認すれば、
意識は辛うじてあるものの、荒い呼吸を繰り返して、額にはじんわりと汗が浮かんでいた。
「you?!」
「ごめ…なさ…カイジく…//」
「お前、もしかしなくても…風邪…!」
「実は、朝…ちょっと、ね…微熱だった、から…行けると…思ってたんだけど…。」
「バカ野郎!!」
「はぁ…ごめ///」
「とりあえずデートは中止だ!」
カイジのその言葉にyouは随分悲しそうな表情を浮かべたが、
背に腹は代えられないということで、カイジはyouを支えつつショッピングモールを後にする…。
*。゜.*。゜.*。゜.*
幸い、カイジの家から近い場所でのデートだったので休ませる場所には迷わなかった。
病院に連れて行った方がいいかとも思ったが、youは意識があったし、
支えられつつも自分で歩くことができていたので、自宅療養を決めるに至ったのだ。
寝にくいだろうということで、大きいのを我慢してだが…カイジのシャツとズボンに着替えさせ、
最終的に布団を敷いて、そこに寝かせた。
「あったあった!こないだ偶々買ってた冷えピタ!」
「ありがと………冷たくて気持ちいい…//」
「よかった…。」
ふっと目を閉じて微かに微笑んだyou。
それに安堵して、カイジもホッと安堵の息を吐いた。
「カイジくん…。」
「ん?」
「ごめんね…迷惑…掛けちゃった…。」
「迷惑とは思ってねぇけど……びっくりすんだろ…何でそんなムリしたんだよ…。」
「だって…カイジくん、ここのところずっとバイト頑張ってて…会えなかったから…。」
「you…!」
「久しぶりのデートだったから……どうしてもカイジくんに会いたくて…わたし…。」
「もう…あんま喋んな……少し寝てろ?な?」
「はぁっ……うん…ごめ、なさ…。」
髪をよしよしと撫でてやり、そっと手を離した。
youが寝始めて暫く、カイジは彼女の顔をじっと見つめて、
カイジはムリをしてまでデートに赴いたyouの今日一日を思い返した…。
終始紅潮した顔で自分を見ていた理由は風邪を引いていたからで、
残した食事を自分に食べさせなかったのは風邪を移さないため…。
そこまでして今日一日自分と付き合っていたのかと思い…
気付いてやれなかった不甲斐無さにカイジは拳をギリリと握り締めた。
「you…お前にそんな寂しい思いさせてたのかよ…オレは…!」
「・・・。」
「もうバイトなんて辞めちまって、傍にいた方がいいのかもしんねぇなぁ…。」
「うう〜ん…ニートはダメ…カイジく…。」
「そこ意識向けるんだ?」
カイジの「無職宣言」には無意識であってもストップを掛けるyouなのであった…。
それから30分ほど様子を見て、youは完全に寝入った様子…。
呼吸も大分落ち着いたので、特別な病気ではなく、やはりただの風邪だったようだ。
カイジは安堵の溜息を吐いて、youの額のシートを新しいものに交換してやる。
布団をきちんと被せてやり、彼はその場に立ち上がった。
ジャケットを羽織り、財布と鍵をポケットに突っ込む…。
「ちょーっと、出掛けてくるな。」
そういい残して、カイジは家を出た。
それから暫くして、丁度カイジが家に戻ってきた頃にyouは目を覚ました。
youは起き上がり、カイジの名を呼ぶ…。
「カイジ…くん…。」
「おー、起きたかyou、具合はどうだ?」
「だいぶ、いい…かな。」
「そりゃよかった。」
「何してるの?」
「ん?飯作ってる。」
「へぇ、何食べるの?」
「卵雑炊。」
「えーと、それってもしかして…。」
「そ、youの。オレも同じのだけどな。」
「うわぁ…うわぁ!ホント?カイジくん、作ってくれたの?!」
「まぁ…伊達に一人暮らし長くやってないっていうか…これくらいなら…。」
「うれしい…///」
ご飯をyouの元に持ってきたカイジを見上げて、そう微笑んだyou。
その顔と言葉は卑怯だと、トレイごと取り落としそうになるカイジだった。
心臓が早鐘のように鳴っているのに気付かないフリをし、
youが雑炊を口にするのをずっと見ている。
「…おいしい。」
「食えそうか?」
「うん、大丈夫。少なめに注いでくれてありがとう。」
「ちょっと、な。食後にデザート用意したから…わざと少なくした。」
「え!カイジくんの家にデザート?!」
「ま、な。」
「期限切れのプリンか何か?」
「よーし、youの分はナシ。」
「きゃー!嘘!ごめんなさい!冗談です!本気じゃないです!」
「ホントかぁ〜?」
カイジのからかう様な疑いの視線にコクコクと何度も頷いくyou。
苦笑して彼女の頭をガシガシ撫でて「分かってるよ」と、カイジは笑った。
youの雑炊が空になりそうなくらいでカイジは立ち上がり、冷蔵庫から箱を持ち出してくる。
「you、どっちが食いたい?」
「これ…この箱のロゴ…これ、これ今日行こうって言ってた…。」
「近かったから、な。寝てる間に買って来た。」
「か…カイジくん…!」
「ん?」
「う…嬉しいです…//」
「…っ…かっ…///」
ケーキの箱を持つカイジの服の袖を掴んで、俯き加減にそう述べたyou。
今すぐ押し倒したい衝動を鋼の精神で何とか抑え、カイジは引き攣った顔でケーキの箱を開けた。
「ど、どっちがいい?っと…ここのケーキ高ぇのな、金欠のオレには2個が限界。」
「十分だよ!えーっとね…ああ、もう!迷うなぁ…でもこっち!」
「っはは!」
「どうしたの?」
「いや…ちょっと…オレもyouの事、分かってきたかなーって。」
「?」
不思議そうな顔をして首を傾げるyouに、カイジは皿とフォークを渡しながら言った。
「好きだと思ったから。」
「え?」
「色々あったけど、youはこのケーキ選びそうだなって思ったから…これにしたんだ。」
「うう…更に2つあるうちでもまんまとカイジくんの思惑にハマったということですね…。」
「そこはオレの功績だって、褒めるトコだろ。」
「む、そっか…そうだね……わたしのこと考えてくれてる証拠だね。」
「そうそう。」
「…ありがとう、カイジくん…//」
「お…おう…//」
「あのね、カイジくん。」
「ん?」
「だいすき。」
「っ…?!//」
「です……よ、えっと…はい…///」
「自分で言ってて恥ずかしくなってんじゃねーよ……バカ…//」
確かに熱の所為ではなく赤くなったyouの頬を見て、カイジもその温度が移ったように赤くなる。
自分の分のケーキを床に置いて、彼女の額をコン…と小突けば、嬉しそうな笑みが向けられた。
「(一生勝てねぇ相手かも。)」
唯一の救いはyouに打算的な考えが浮かばない部分だけ。
だと、カイジは改めて思うのだった。
次の日…
カイジ
(you、具合どーだ?)
you
(さっき計ったら熱は引いてたよ!)
カイジ
(よかったな!!)
you
(カイジくんの看病のお陰だね…ありがとう。)
カイジ
(いや…オレはその…何もしてねーっつーか…//)
you
(今日、バイトは…?)
カイジ
(あ、流石に昨日の今日だし…心配だろ?休んだよ。)
you
(ご、ごめんね!)
カイジ
(いーって、それよかyouの熱が下がってよかったよ。)
you
(あの…じゃぁね、カイジくん、折角熱が下がったしね、昨日デート途中で中止だったしね…!)
カイジ
(ダメです。まだ絶対安静です。外出禁止です。)
you
(絶対安静…ですか?)
カイジ
(そうです。)
you
(そうですか……残念です…。)
カイジ
(どっか行きたいとこでもあったのか?)
you
(ううん…あの…えっと……//)
カイジ
(何だよ…ハッキリしねぇな…。)
you
(あの…カイジくんに抱いてもらうのもダメですか…///)
カイジ
(…それはアリです。)
*。゜.*。゜.*。゜.*
*。゜.*。゜.*。゜.*
</font>
カイジ実写映画化おめでとうござます!
ということで、緊急企画でリクを募集させていただきまして、
応募してくださった刹那さんのテーマでカイジ夢を書かせていただきました!
お相手:カイジ
設定:有名なケーキ屋の苺ショートを食べたいがためにデートをしてたけど、
やっぱり熱で倒れたヒロインをカイジが自宅で看病して、次の日に復活した彼女からごほうび。
というリクでした。
ケーキはそれぞれ皆さん好みがあるから、示唆はしてません…
ごめんなさいね、刹那さん。
(>x*。゜.*。゜.*。゜.*