記念作品
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
for Triangle FAN.
応援感謝作品
The Horror Game!
「ただいま」と、アカギが帰宅したのは7時前。
珍しくそんな時間に帰ってきたので、久しぶりに時間らしい時間に夕飯を食べることができた。
楽しく話をして、食事を終えて…
食休めをしているくらいの時間、ただ今時刻は8時半。
おもむろにゲームの電源を入れて、何のゲームをするのかと思っていたら…。
「げ。」
「何?」
「何でご飯の後にホラーゲーム。」
「食後は関係なくない?」
「グロいから「うっ」ってくるでしょ!「うっ」って!」
「ふーん。」
「ふーんって……。」
「でももう遅い……もう電源入れたし。」
「切ればいいでしょ!」
「やだね。」
「!!」
大人気無くべっと舌を出して、アカギはコントローラーを握った。
youはというと、違う部屋に行くでも、違う事をするでもなく
ちょこんとアカギの隣に座って、ゲームの開始を待っている。
それは怖いもの見たさが先に立つ彼女の性格がそうさせている部分と…
以前、他の作業をしようとアカギの傍を離れた時にそれはもう激しく責められた為である(色んな意味で)。
あまりホラーゲームは不得手な部類に入るyou。
特に一人では無理だとアカギにいつもそう宣言しているほどなのだが…
一人でプレイするわけでないのであれば、ということで我慢できている…。
『今は』。
タイトルロゴの表示の後、メニュー画面が現れ…
アカギは『Load』を押し、前回のセーブからを続きを選択した。
「確か前回はボスを倒して、セーブしたんですよね?」
「そうだったな。」
「次はどこですか?」
「その建物の地下。」
「・・・。」
「なんだ、怖いのか?」
「こ、怖いけど……怖くない、赤木さんがいれば。」
「ふぅん……可愛いコト言うじゃねぇか。」
「えへへ…。」
少し照れた顔で俯いたyouだったが、その顔を上げた瞬間に表情が引き攣る。
目の前の画面には読み込みが終了し、地下への階段をぐんぐん進んでいく主人公の背中。
隣を見れば、先程まで自分に構ってくれていたアカギは何処へやら…真剣に画面と睨めっこが始まっていた。
こうなったら話しかけても無駄だと、youは大きく溜息を吐いた。
「おっ、コイツ見たことないな!新手のゾンビだぞ、you!」
「そんなコトで私を呼ばないで下さい…。」
「冷たいなぁ…っと、危ない!…これでも喰らえ!」
「はぁぁ…。」
先程よりも深い溜息を吐いてアカギを見るyou。
それから2時間…ずっと地下フロア探検が続き、次第にyouの意識が朦朧としてきた。
自分がプレイしているわけでもなく、ただ横で俯いているだけなのでそれは当然とも言える。
が、しかし。
その現象はyouだけに起こったものではなかった。
「おい、you。」
「ん…。」
「ちょっと飽きた、眠い、代われ。」
「はい?」
コントローラー中央にあるポーズボタンで画面を一時停止させ、
そのままポイっとコントローラーをyouに投げ渡した。
当然、目を見開いて困惑の表情を浮かべるyou。
「どぅうェエ?!あ、赤木さんッツ?!ちょ、待ってよ!」
「数体敵倒して要領掴んだら、次の部屋にいるボス倒しといて。」
「はいぃッ?!」
「ふぁあ……じゃぁ、後よろしく。」
「赤木さんッ?!赤木さん?!っ……アカギィイー!!」
youの怒声虚しく、彼女の膝を枕に寝始めたアカギ。
それ以降呼びかけても返事は無く、しっかりと寝入っていることが確認された…。
さて困ったyou。
とりあえず画面にそっと目を向ける。
静止して薄暗い画面になっている奥には数体の敵がいる様子。
このまま手を拱いていてもどうしようもないと思い、意を決してコントローラーを握った。
「えぇえい!もう知るか!セーブしてるから死んでも問題ないよ!!」
ぐっと中央のポーズボタンを押す…。
画面が少し明るくなり、怪音とも思える敵の声が近づいてくる。
youは叫ぶことも忘れて兎に角無茶苦茶に武器で攻撃を試みる。
数回攻撃したところで、敵が倒れて道が開けた…。
「ひぃい…だが、行くっ……行くしか道は残されていないッ…!!」
まるで実況中継というか、解説モノローグのような口調でyouは次のフロアへの扉を開く…。
半泣きでプレイを始め、少しだけその怖さに慣れてきたので、
アカギの言っていたボスに何度か挑戦はしたが、未だ倒すまでには至っていない。
「うぅ、このボス何度見ても気持ち悪いよぉ。」
「ちょっと!今は攻撃しないでよ!」
「もー!ちゃんと避けたのに!」
「うそ!もうちょっとで倒せそうだよ!」
「……あああああと一歩だったのにぃいい!!」
悔しそうな顔でコントローラーを握り締めたyou…。
すると、いきなりガッシリとその右手を掴まれた。
犯人は言わずもがな、赤木しげる。
youはホッとしたような、少し拗ねたような顔で赤木を見下ろす…。
「あ、やっと起きてくれたんですかー、赤木さん!」
「・・・・。」
「赤木さん…?」
「ぁ……あぁあ"あ"あ"ああー!!!!」
「ひぎゃぁあああ!!ああああ悪霊退散!悪霊退散!素直になぁれ、素直になぁれ!綺麗な魂戻ってこいぃいい!!」
「ぶっ…。」
「??!」
「ブァーーハハッハア!!」
「あか…。」
「お前…なんだそれ?プッ…ブハハ!!」
「なに…」
「以上、ゾンビの真似でした。ってな。凄い演技だろ、俺。」
はははっ、と…得意気に笑ってyouを見た。
…のだが。
「お、おい…you?」
「っ…。」
「おいおい、そこまで怒ることないだろ…。」
「赤木さんのバカーー!」
「おわっ、な、泣いてる方かよ……す、すまん。」
「すまんじゃないぃ……ビックリするじゃんかぁ、ただでさえ怖かったのに!」
「あらら…。」
「赤木さんがいるから怖くなかったのに!赤木さんが…っ!」
ぽん、と彼女の頭に大きな手を乗せ、その後すぐにyouの身体を引き寄せた。
赤木の胸にすっぽり収まったyou。
その背中に両腕を目一杯伸ばしてぎゅっと抱きついた。
「だよな、オレが怖がらせて泣かせたら駄目だよな。悪かった。」
「です…っ…。」
「ちょっと悪戯してみたくなったんだよ、youの反応は楽しかったけど。」
「遊ばないでください。」
「厳しいな、youは……。」
「とりあえず!」
「ん?」
「ゲーム消してください。」
「はいはい。」
「それからっ……。」
「それから?」
「い…一緒に寝てください。」
「……了解。」
赤木はふっと、そう笑って
迫りくる敵を電源ボタン一つで掻き消した。
ゆっくりおやすみ
(赤木さん、手を繋いで寝ていいですか?)
(何、襲われたい?)
(言ってない、言ってない。)
(どうせなら抱きしめて寝てやろうか?)
(遠慮しときますー。)
(心音聞こえるぞー、ゾンビじゃないって安心できるぞー?)
(っ…卑怯者///)
(いらっしゃい。)
*。゜.*。゜.*。゜.*