『無頼伝涯』 工藤涯
name setting
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
for『6.t』.
相互リンク感謝作品
*。゜.*。゜.*。゜.*
キミのとなりに座っていると
何故か安心するのです
Tetris×Magnet
「が~い~く~ん!」
「…youさん…。」
晴れた午後、日差しの差し込む窓際で本を読む涯の姿を見るなり
玄関からダッシュで駆け寄ってきたyou。
そしてそのまま彼に抱き付き、頬を摺り寄せる。
若干迷惑そうな…でも照れて赤い顔で涯はもう一度恋人の名を呼んだ。
「あの…youさん…。」
「なーにー?」
「その…いつも走ってきて抱きつくのは…///」
「だめ?」
「だめというか…危ないですよ…。」
「だって、家だってドコだって涯くんを見つけたら飛びついちゃうんですよ。」
「要するに無意識なんですね。」
「うん、多分。」
首を一回、縦にふって頷いたyou。
涯はそれにやれやれと軽く溜息を吐いて、彼女の髪を撫でた。
大きな広い手はあたたかく、じんわりと伝わる温度に
youは自然と笑顔になる…。
そっと、涯の首根っこに回していた両腕を解き
youは涯の隣にぴったりと身体を寄せて座った。
「何読んでるの?」
「………。」
「見せてみせて…なになに『アルカトラズからの脱出』…。」
「……。」
「借りてきたの?」
「…あぁ。」
「…冤罪、根に持ってます?」
「少しな。でも、もう何年も前に終わったことだし…。」
「うん、じゃぁ今はもう…幸せになりなさい!」
涯の手に自分の手を添えて、強制的に本を閉じさせたyou。
別段思い入れがあって読んでいたわけではないが、
途中まで読んでいたのに強制終了がかかるのは流石に気分的に良くない…。
だが涯はyouの言わんとしていることも分かるため、
「仕方ないか」と譲歩するようにふっと笑って閉じられた本を少し横へずらした。
「ねぇ涯くん。」
「?」
「今日、御飯何食べたい?」
「…何でもいい。」
「食べに行く?」
「騒がしいのあんまり好きじゃないしな…外食より家がいい……youさんといれるし。」
「可愛い!嬉しい!涯くんだいすき!」
「はいはい、オレもですよ。……あ、今日は蕎麦がいいかも。」
「冷たいの?暖かいの?」
「暖かいの。」
「うん、じゃぁそれで決定!買い物は付いてきてくれるよね…?」
「ああ。」
「わーい!じゃぁ行きがけは公園デートでもしようねー!」
「ははっ、いいですよ。」
嬉しそうに笑うyouを見て、涯もくすぐったそうに笑う。
人と関わるのが苦手だと思う涯だが、彼女の前ではそれが不思議と苦にならないよう…。
寧ろ隣にいたいと思う、抱きしめたいと思う、愛しいと思うのだ。
それに気付いたゆえ、涯は望んでいた孤立を押し切って彼女と共にいる。
「あのさ、涯くん。」
「?」
「唐突なんだけどね、私が年上に変わりはないけどね、敬語やめない?」
「あーー……結構長くコレだったから……染み付いちゃってるんですよね…。」
「すぐには無理っぽい?」
「いや、youがそれでいいなら。元々オレ、あんまり敬語使う人種じゃないし。」
「…じゃぁ、撤廃!」
「了解。」
「えへへ…よかった。」
「オレも。」
「涯くんより年上って柄じゃなかったもん、私。」
「youより年下って柄じゃなかったし、オレ。」
そう言った後すぐに顔を見合わせ、笑った。
「もう買い物行く?」
「うん、行かなきゃなんだけどね。」
「けど?」
「涯くんの隣に座ってるとねぇ、何かこう……離れがたい。」
「…何ソレ。」
「じゃすとふぃっと感というか……テトリスのちょうどいい形の同士がピタってくっついてる感。」
「テトリス懐かしい。」
「更にそのくっつく同士が磁石で出来てる感!!」
「離れないじゃん、それ。」
「……うん。」
暫しの沈黙。
そして、涯が一つのアクションを起こす。
隣に寄り添うyouの手をぎゅっと握り、その場に中腰で立つ涯…。
陽だまりの中、少し眠そうな目でyouは涯を見上げる…。
「涯くん?」
「それじゃ、離れずに行くか。」
そう、はにかんでyouの白い手の甲に口付けた。
無口な涯が起こした、少しキザったらしい行為に驚くyouだったが
それよりも遥かに嬉しさが勝っているよう…。
すぐに「うん!」と頷き、涯に飛びついたyou。
完全に立っていれば支えることなど容易くできるが、
中腰になっていたために耐えられず、2人してその場に倒れこんだ。
涯を押し倒すような体制になったyouはそのまま彼に抱きつく。
一方の涯はというと、後頭部を擦りながら困ったように笑っている。
「you……買い物…。」
「離れられない。」
「……。」
「これも磁力の成せる業。」
何故かyouが自慢気に拳を握ってそう言った。
そんな彼女に乾いた笑いを送り、深い溜息を吐いた後
涯は一つの提案をしてきた……。
「あのさyou、今日はドコかに何か注文して、蕎麦…明日にしない?」
「なんで?」
「だって買いに行けないだろ。」
「行くけど、もうちょっとこのまま。」
「それは無理、あと1分ももたない。」
「なにが?」
「オレが。」
と、そう言うや否や涯はyouに深く口付ける。
すぐに身体の上下を反転され、唇を離す頃には
涯は熱っぽい瞳でyouを見下ろしていた…。
そこでやっとyouは涯の思惑に気付いたよう。
顔を赤くして涯に問いかけた。
「私、ピザがいいな。それでいい?」
「それでいいよ、でもオレはその前にyouがいい。」
「…凄い磁力だね、私たち。」
「みたいだな。」
そう笑って、そっと指を絡ませた。
隙間なく
満たされる
"Let me see ...
「えぇっとね…
I really really love you!!"
大好き!」
2009/1 text by:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*
あつみさまへ
『6.t』相互ありがとうございました。
ずっと、ずっと、大好きです。
5/5ページ