『無頼伝涯』 工藤涯
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※涯くんがちょっと大人になってる設定の話です
ふと気付いた事実に
今更ながら
おれは驚愕した
色付く世界
「うわ、涯くんどうしたの?!顔が凄いことになってるよ?!」
「you…。」
「な、なに??」
「オレは……どうして今までお前と一緒にいたんだ?」
「……フッ。」
彼女の口が弧を描いたのも、伏目がちに床を見たのも、決して涯の言葉が面白かったからではない、断じて。
「っざけんなこのスットコドッコイッツ!!」
バチン!
という音は、youの繰り出した平手が涯の頬を打ったから……ではない。
youが繰り出したのは拳。形でいうなればグーだ。
そしてそれを涯が掌、所謂パーの形で咄嗟に受け止めた…という状況だ。
「何でガードするのっ!」
「あ、危ないだろ、だって。」
「光より早いパンチ繰り出す男が何を小さなことを!」
「youに向かって出したことなんて一度もないだろ。」
「あってたまるか!死ぬわッツ!!」
良くて鼻が折れる!と怒り心頭に叫ぶyou。
そんな彼女を見て、そこまで怒らなくてもいいではないかと口を出したかったが、
確かに自分の言い方も悪かったのだと反省する部分があった為、涯は黙ってyouを見上げる。
「な…何、急にそんな見て…//」
「いや…youの気持ちが落ち着くまで待とうと思って。」
「気持ちをかき乱したのは誰。」
「・・・オレだな。」
「そうです。」
特に言い訳することもなく、素直に認めた涯。
youはそんな涯の正面に正座をして向かい合った…。
「それで、さっきの失礼な発言の意図を聞いても?」
「youに聞いて分かるのか?」
「第三者に聞いた方が答えが返ってくる質問なの、あれ。」
「…返ってこないだろうな。」
「でしょう?」
ふむ…と、涯は顎に手を添えて悩むポーズを作る…。
そしてyouはおもむろに携帯に手を伸ばし、ディスプレイを開く。
ぴろりん♪
と、どこか抜けたような可愛らしい音が部屋に響いた。
「・・・you。」
「ん?」
「一応聞くけど……今、何した?」
「え………が…涯くんの悩ましい姿を写真に収めましたが何か問題でも…?」
「悩ましいの使い方が違う上にその行為は問題だらけだ!!」
貸せ!と、言うが早いか、涯がyouの手から携帯を奪い取り、
保存されたばかりの写真から己が悩むポーズの写真をメモリから消去した。
「ああああ!わたしのジャスティスぅううう!!!」
「黙れ!!///」
携帯を返せと涯に泣きついてくるyouを叱咤し、既にメモリから消された状態の携帯をぽいっと放った。
放られた携帯をキャッチしたのはいいが、youはそのままゴン!と、後頭部を床にぶつけた。
「い…いたい!」
「因果応報だ。」
「涯くんが頭撫でてくれないと泣く。」
「・・・そう。」
「泣くよ?ホントに泣くよ?」
「どうぞ。」
「が…涯くん冷たい!」
冷たいも何も、それが自分の性格だから…と、言いたい気持ちは山々だったが、
じっと涙目で見上げられるのは流石に色々と苦しいものがあるので、涯は溜息混じりに手を差し伸べた。
力を入れてyouの身体を起こし、後頭部ではないが頭をよしよしと軽く撫でてやる。
「大丈夫か?」
「涯くん…優しい。」
「冷たいんじゃなかったのか?」
「冷たさの後に見せる優しさは三割り増し嬉しい…。」
「そうか。」
そう軽く返事をして、涯はあっと閃く。
「そうなんだ、だからこそ思ったんだ!」
「なにを?」
「お前、変わってるだろ?」
「が い く ん ?」
再びゴゴゴ…と闇を纏いながらyouは涯に迫る。
流石に学習したのか、涯も最初に「違うんだ!」と一声いれ、それによってyouのオーラが和らいだ。
「えっと…だからそれはオレもっていうか…。」
「??」
「いや、オレが変わってるからyouも変っていうか。」
「????」
ぐっと、一度言葉を飲み込んで、改めて吐き出す…。
「オレは色々あって、一人が好きで…。」
「何かずっと無頼漢気取ってたもんねぇ。」
「(き、気取ってたって!)……今も、同じ気持ちだ。」
「ふーん。」
「人と群れるのは嫌いだし……関わるのだって苦手っていうか…。」
「人前に出ると笑顔引き攣るもんね、涯くん。」
「煩いなっ…//」
「それで、どうしたの?」
いつの間にか立場は逆転していた。
涯がyouに話を聞かせているはずだったのに、優しく微笑むyouに促され、
今はとりとめもない涯の言葉の粒を、ただうんうんとyouが受け止めてあげている。
「youみたいな…変、だけど…明るくてや…優しいっ…//」
「(自分で言って照れる涯くん…可愛い!)うんうん。」
「優しい…ヤツが……オレ、なんかと一緒に…いる理由が分からなくて…//」
「ふむ…。」
「そういえばそれはずっと…何年も前からだって、気付いて…。」
「うん。」
「でも、youのこと、一緒にいてもオレは…孤立したいとかは思わなくて…。」
「・・・。」
「どうして今までお前と一緒にいたんだろうっていうよりは、お前はどうしてオレなんかと一緒に、いてくれるんだ?」
困ったように眉を寄せ、捨てられた子犬のようにじっとyouを見てくる涯…。
「いとしい。」
「は?」
「何この可愛い生き物ッツ!!畜生、涯くん好き過ぎるよぉおおっ!!///」
youはプルプル震えていたかと思うと、顔を上げてガバッ!と涯に抱きつき、床に押し倒した。
涯の胸板に頭をすり付け、youはひたすらに喜ぶ。
「中学生の時からずっと、わたしは涯くんが好きだって言ってたじゃない、忘れちゃったの?」
「いや、それは分かるけど…。」
「でも嬉しいなぁ、好きなのはわたしばっかりだと思ってたから…。」
「そんなこと…ない。」
「わたしはね、涯くんの色んなところが好きだよ。」
「・・・。」
いつの間にか興奮は冷めたようで、胸板にそっと手を乗せ、
涯の鼓動を聞きながら…youは目を閉じてゆっくりと話し始めた。
「一人で何でもできるところ、凄く強いところ、動物に優しいところ、目がキリってなってるところ、のりたまが好きなところ。」
「のりたま…。」
「うん、あとね…わたしを傍に置いてくれるところ。」
「!」
youの視界には入らないが、その言葉に涯の目は大きく開かれた。
「…敵わないな。」
「ん?」
ふっと笑みを零し、涯はyouを抱えて起き上がる。
彼女の肩を掴んで身体を離し、涯はyouに微笑んだ。
「傍に置いてるんじゃない、youが好きだから……一緒にいるんだ。」
その言葉を涯に言わせたかったからなのか、はたまた男としての涯を立ててくれたのかは分からないが、
彼女のその、ちょっと怒りっぽいところも、馬鹿なことを言ったりするところも、涯にちょっかいを掛けるところも
気配りに値する何かを感じさせる行為も……涯は結構好きだったりするのだ。
モノクロの世界を
キミの答えが
塗っていく
you
(ただいま、涯くん!)
涯
(おかえり。)
you
(今日はカレーにでもしようと思うんだけど。)
涯
(いいんじゃないか。)
you
(あ、そうそう、確か切れてたよね、涯くんの好きなのりたまも買ってきたよ!)
涯
(あの…オレ別にのりたまがそんなに好きというわけでは……)
you
(じゃーん、可愛いでしょ『手のりたま』!たまたま見つけて買ってきちゃったよ~!)
涯
(…ひよこ。)
you
(うん。)
涯
(かっ…可愛い、な…。)
you
(うん!((涯くんがね。)))
words from:yu-a
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