『無頼伝涯』 工藤涯
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「涯くん、リンゴ好き?」
真っ赤なリンゴを差し出して、#you#が笑った。
you
「食べる?」
「……#you#は?」
「私は、涯くんが食べるなら食べる。」
「じゃぁいい。」
「何故!!酷い!」
「酷いって……だって別に食べたいわけじゃないんなら、オレに付き合ってまで食べなくてもいいだろ。」
「うう……違うのに…何でそうなるかな…。」
「??」
先ほどとは打って変わって赤い顔で俯いてモジモジする#you#。
それこそまさにリンゴのようだと…涯は真っ赤な顔で俯く彼女を見て思う。
そのままずっと黙ってしまわれると、自分が困ると察した涯は
何とかして会話を終了させようと#you#に一声掛けようとしたのだが…。
意外なことに、彼女の方から先に話しかけてきた。
「私は……涯くんと一緒に食べようかなって…思ってたの…///」
「………。」
「……あの…涯くん…?///」
「……じゃぁ食べるよ。」
「は、うん!ありがとう!…ちょっと待っててね!」
それはもう嬉しそうにリンゴを剥きに行った#you#。
リンゴ一つで喜怒哀楽の表情を見せるとは…
何とも不思議な子だと、そう思い…
にやける顔を抑えるために口元を隠した涯。
ただ、もう一つ付け加えるとするならば…
その原因はリンゴでないことくらいしっかり理解していたからだろう。
リンゴというより君がすき!
(涯くんおまたせ~!うさぎリンゴだよ!)
(わざわざこんな風に剥かなくても…)
(だって可愛いじゃない?はい、涯くんにはこの血煙林檎郎くんをあげよう!)
(なに、それ…)
(名前です!この子の!)
((色んな意味で…食べづらい…))
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