『カイジ』 伊藤開司
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「カイジ、あのね…。」
「?」
「……あ、何でもなーい。」
「…何だよ…気になるな…。」
何か言いかけて止めるyou。
始めはそんな感じで軽く流した…。
Non-smokinG
「どうした、you……食欲無いのか?」
「ん?んーん、そんなことないよ!」
「そうか?」
外食中、どことなくぼんやりしていて、箸が進んでいない様子の彼女に問いかけたカイジ。
youは少し驚いた顔をしたが、すぐにニッコリ笑ってご飯を食べ始めた。
体の具合でも悪いのかと心配していたカイジだったが、ただの取り越し苦労だったのかと安堵…。
多少神経を張った為、一息吐こうとカイジはポケットから煙草を取り出し、口に咥えた…。
「あ、カイジ……。」
「ん?」
咥えていた煙草を口から離し、youを見るカイジ。
youはというと、少し焦ったような顔で「えーっと」と言葉を探している。
「何だよ、言おうとしてたこと忘れちまったのか?」
「あ……あはは!そ、そうかも!!」
「バカだな…。」
テーブルの向こうからカイジの手が伸びてきて、youの頭をクシャっと撫でる。
少し照れながら、上目遣いでカイジを見上げた…。
しかし、それと相反してyouの目に映ったのは
少しだけ不機嫌そうなカイジの顔。
「カイジ……?」
「…youにとってオレは何だ?」
「ほへ?」
「……オレはyouが好きで、youだってオレのもの……違うか?」
「違わない。」
「だろ?」
「うん。」
「だったら物言いに遠慮すんなよ。」
そう告げてパクっと一口ご飯を口に入れる。
youは微動だにせず、カイジを見つめている…。
そして、次第にくしゃっと顔を歪ませて泣き出した。
「ふ…っ…っく…だってぇ~……言っても無駄ヅモだも…!」
「ツモは関係ねーだろ!」
「だからいいの…っ……何でもないのっ!!」
「オレが気になるんだって…。」
「じゃぁカイジくん煙草止めてくれる?!」
youの言いたかった言葉がやっと出た。
まるで射抜くように真剣な眼差しでカイジを見つめるyou。
カイジは暫し無言の後、溜息とも呼吸の延長とも取れる息を「フー」っと長く吐いて…。
「……無理だな。」
と、のたまった。
当然、不機嫌になるyou。
「だから言ったの!!」
「だってよぉ……酒と煙草とギャンブルは何ていうかこう……漢の証っつーか…!」
「その妙な証と彼女の身体のどっちが大事なの!」
「そりゃぁまぁ、youだけど……難しいの!禁煙って!!」
「っ……!!」
「ハイハイ、諦めてね」と言わんばかりの口調で、ライターを着火。
そっと咥えた煙草に近づけた瞬間、youが机をバンッと叩き、
その場に立ち上がった。
驚き、そして唖然とした顔でyouを見上げるカイジ…。
恐る恐る声を掛けようと試みる…。
「あの~……you…さん??」
「・・・・・。」
「っと…えーっと………。」
思いっきり空気を吸い込み…
youは怒鳴った。
「こんの……バカイジーーーッツ!!」
思わず目を瞑っていたカイジ。
そっと目を開くと、視界にはボロボロと涙を零して泣いているyouの姿…。
流石に慌てて声を掛けた。
「な、え?!you?!泣くほど嫌だったのか?!」
「っ……。」
「ずっと我慢して付き合ってたのかよ?!」
「ひっく……。」
「言ってくれたらyouの前では吸わないとか、考慮してやれたのに…。」
「完全に止めてっ……ほしいの…っ!!」
「……あー、それはムリ。」
その一言に、無言でその場を去ろうとするyou。
カイジは思わず彼女の腕を掴んで呼び止めた。
「っと…you…?」
「理由なくいきなりそんな話するワケないじゃない!察してよ!バカイジ!!」
「バカイジ言うなよ!!」
「カイジのバカ!!KY!!」
「ちょ、youっ!!」
掴まれた腕を振りほどき、駆け出したyou。
しかし、玄関の手前辺りで急にしゃがみ込み、蹲ってしまった。
目を見開き、駆け寄り…youの肩を支えるカイジ。
「おいっ、you?!大丈夫かっ?!」
「ゃ……いた……おなか…痛い…。」
「腹…?!と、禁煙……you、お前……もしかして…。」
「はは…生理がね…暫くきてないんだ……っー…。」
衝撃の言葉に目を白黒させるカイジ。
そんなカイジを横目で見て苦笑し、youは言葉を続ける…。
「何か…言えなくて……迷惑かけれないし…でも…もしそうでも……消えてほしくなくて…。」
「あぁ……ああ!!」
「私ね、カイジがね……すごく好き……。」
「そんなの……オレもだっ!」
「だからできることなら全てを許容してあげたいって…思ってたけど…。」
「……you…。」
「ぃた…っ…そう…いう…理由で、煙草……吸ってほしくないなーって…思っちゃった…の。」
「そんなのちゃんとそう言ってくれれば止めるに決まってるだろ!!
つーか今そんなコト言ってる場合じゃねぇっ!」
「ほ…ん…と?」
額に脂汗が滲む中、必死でカイジに目で訴えかけるyou。
カイジは無言で首を縦に振り、唇をかみ締めた。
その曇りなく偽りの無い瞳に安堵したのか、youはカイジの手をぎゅっと握った。
「っ……いた…痛いょ…カイジ…ヤダ…いなくなっちゃ…う……。」
「you?!しっかりしろ!!youーーーッツ!!」
目を開いて最初に映ったのは、真っ白な天井。
カイジの部屋のそれでも、いつもの自分の部屋のそれでもなかった。
瞬きを数回して、指に力を入れてみる。
微かに動いて、youは生きていることを実感する。
はっきり定まらない意識で視界を動かすと、
不安そうなカイジの姿が飛び込んできた。
「you!!大丈夫か?!」
「か…い…じ……。」
「よかった……意識が戻って…。」
「私……。」
「倒れたんだよ。」
カイジの言葉に目が見開かれ、次第に視界が滲んできた。
「私……と、カイジの…赤ちゃ……。」
「ばぁ~~か。」
彼女の言葉の続きはカイジによって遮られた。
カイジは何となく呆れたようなニヤついたような顔でyouの頭を小突いて言い放った。
「せ、い、り、ふ、じゅ、ん。」
「・・・ぇ?」
「ただの生理不順だって。」
「………ぅそ。」
「ホントウ。」
「………ウソォ!!」
「ぶっ…ハハハハッ!!!」
「何それ!超ベタなんですけど!!」
「アハハハハ!!!」
本気で大爆笑を続けるカイジ。
存分に笑った後、大きく深呼吸をした。
そして、顔を赤くさせて頭を抱えるyouの両肩をそっと掴む…。
「でも、無事でよかった……本気でそう思ってる。」
「うぅ……。」
「言えよな、不安があるときは。」
「ぅん…。」
「そのために一緒にいるんだから。」
「かいじぃ~!!」
たまらずカイジに抱きつくyou。
しっかり受け止めて、凛とした声で箴言した。
「煙草止めるから。」
「へ…?」
少し体を離し、きょとんとした顔でカイジを見上げるyou。
当のカイジ本人は「嘘じゃない」と笑って、すぐにまたyouを胸の中に収めた。
「youと子どもの為に、止めるから!」
「いや、でも今回のはただの生理不順だったし!!」
「「今回は」、だろ?」
そう言って
笑って、ぎゅっと抱きしめた……。
数年後の未来は…
(子どもの名前は決めてあるんだ!)
(女の子だよ、可愛いのがいいな。)
(「サラ」これで決まり!)
(サラちゃんかぁ、うん、いいかも!でも、何で「サラ」なの?)
(大事な友達の名前から……少しもらったんだ。)
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