『カイジ』 伊藤開司
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「働けーー!伊藤開司~~ッ!」
もう、これで何十回目だろうか?
彼女がそう言いながら俺の家に上がりこんでくるのは…。
ギャンブル<もえ。
「そして、おはよーう!今日も元気にニーティングしてるの?」
「you!!…っていうかニーティング言うな。確かにニートだけど……。」
「ギャンブルでヒーヒー言ってお金をスるよりも、仕事でヒーヒー言ってお金を稼いだ方がどれだけ真っ当な人生か!
二十歳を越えて、よもやそれが分からんわけではあるまい!伊藤開司くん!」
「あのな……そんなコト、俺自身が一番分かってるよ…。」
「よし、分かった……今日という今日は絶対カイジが働きたくなるようにさせてみせる!」
「はぁ…ま、がんばれ。」
手をヒラヒラと振り、ヤル気の無さをyouにアピールするカイジ。
そんな彼の態度にカチンときたyouは、その場にスッと立ち上がり……
パサッ…
「パサ?」
振り向けば、眼下にはyouが先ほどまで着ていた上着。
you本人に視線を持っていけば、彼女は今まさにインナーを脱ぐところ。
恋人のいきなりの行動に驚くカイジ。
とりあえずあたふたしつつも事の真意を尋ねてみる。
「ちょ、you!おま、何やってんの!」
「ちょっと!まだ見ちゃダメ!!」
「は!す、すいません!(って何で謝ってんの!俺!)」
それから数分後、服が落ちる音と衣擦れの音が止み「できた!」という声が部屋に響いた。
その言葉に、そーっと後ろを向こうと思い、カイジは顔の角度を変えようと試みた…
のだが……。
いきなり後ろからガバっとyouに抱きつかれて、カイジはバランスを崩してしまった。
床にゴン…と頭をぶつける音が響く。
「いっ……痛ぇえ!!いきなり飛びつくなよ!you!!………you…………you…?」
「はい!」
「って、youッ?!!」
「はい!」
にっこりとカイジに笑いかけるyouのその姿……。
「ねっ……ネコみみ?」
「はい!」
「メイド?」
「はい!」
「ネコミミメイド!?!」
「はいッ!」
ただひたすら従順に「はい」と返事を返すyou。
とりあえず事の次第を問いかけてみることにしたカイジ。
「な…なんで?」
「ご主人様に頑張ってもらいたいからだにゃん。」
「にゃんって…。」
「ご主人様がyouを養うために汗水流して働いてくれるって……信じてるにゃ。」
「ごめん、それ、本当にヤバい。」
「何がだにゃ?」
「語尾の「にゃ」は馬鹿っぽいからスルーするとしても…。」
「失礼な!!馬鹿っぽいって何よ!」
「や、いや、でも、外見はヤバいって!!それ……。」
「ぇ…これ、似合わない?」
ブンブンと思いっきり首を横に振るカイジ。
手をギュっと思いっきり握って、俯いてしまった……。
「おれ……違うけど……そんなんじゃないけど……ッツ!!」
「かい…じ??」
「萌えって、萌って……萌えるって、こういうことなのかよーーッツ!!」
伊藤開司、咆哮。
そしてガバっとyouに抱きついた。
「you……かわいい。」
「あらら。」
「you~~ッ!」
youの胸に顔を埋めてすりすりと首を動かすカイジ。
どうやらネコミミメイドの魅力にどっぷり浸かった様子。
これがチャンス、とばかりにyouはカイジに目的達成の為の言葉を放った。
「ね、ね、カイジ……じゃなくてご主人様、お仕事頑張ってください、ね?」
「うんうん、見つける。頑張る。」
「(ふふん、ちょろいもんね)嬉しい~!」
「あーもぉ!youがこんな格好してくれるなら、マジでこの(ネコミミメイドの)為に頑張れる気がする。」
「そ、そんなに効果あるんだ…。」
「働いて帰ってきて「お帰りさないませ、ご主人様~」とか言ってくれたりすんの?」
「ぅえ"?!………まぁ、それだけカイジ……ご主人様が頑張ってくれるなら……。」
「っしゃぁーーー!!」
これでもかというくらいに嬉しそうな顔でガッツポーズをして、カイジはその場に立ち上がった。
ここまでの効果が現れるとは正直予想もしていなかったyou。
少し驚いた顔で、カイジを見上げた。
「そんな台詞言われるんだったら「ギャンブルで一発!」なんて死んでも思わねぇよ!!
むしろ本当にyouを養うために汗水流して働いて帰ってくるぜぇえーー!!」
「あは……あはは……が、頑張ってー。」
「おう!」
「(あら、以外に潔くてカッコイイ)」
「だから、今日は前金もらうぜ!」
「ん?」
「ちゃんとご主人様にご奉仕しろよ、you!」
「ちょ、カイジ?!何言って……。」
「いただきますっ!」
「っ…きゃぁあ!!」
ものは試し、今度はセーラ服でもお願いしてみようか。
とか思ってたりするカイジ。
(んー……朝か…カイジ?いないの?ん?置手紙??)
(『就職活動にいってきます。』)
(あらあら……一晩で魔法が解けたり……ってことは無かったんだ。よかったよかった。)
(『p.s. ご主人様のお帰りを大人しく待ってろよ!』)
(……調子に乗りすぎ。鞭と蝋燭でも用意して待ってようかな…。)
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