『天』 赤木しげる(壮年)
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特に何をするでもない、晴れた午後の昼下がり。
寝転がって、漆黒の箱に入った懐かしい代物を指で扱っているアカギ。
ふと、何らかの作業が終わったらしい自分の恋人、その気配が近づくのを感じた。
「あーかーぎーさーーんっ!」
パシャッ!
という機械音が響いて、眩しいフラッシュがたかれた。
Photogenic-MAN
何事かと、アカギが声のした上方を見上げると……。
そこにはカメラを片手にニコニコ笑ったyouがいた。
「何してんだぁ?いきなり……何事かと思ったぞ。」
「カメラですー!寝転がって透明牌を指でつついてるアカギさんがとっても可愛かったので!」
「何だそりゃ……。」
微かに笑いながら、アカギはyouに向かってちょいちょいと手招きした。
それに従い、素直に畳の上にしゃがみ込むyou。
アカギに手を差し出され、掌の上にカメラを置けと指示されたので、
そのまま黙してカメラを手渡した……。
瞬間、先ほどと同じ眩しい光が部屋に広がり、youは思わず目を瞑った。
「まぶしっ!!」
「ハハハ!正面からだもんな。」
アカギは笑いながらカメラをyouに返す。
そして、未だ目をしぱしぱさせている彼女の頭をガシガシと撫でながら言った。
「可愛いってのは今俺が撮ったようなヤツのコトを言うんだよ。分かったか?」
「アカギさんってば……///」
これ以上無いくらいに頬を赤く染め、アカギを見つめるyou。
お互い自然に引き合って、キスをした。
「それにしても懐かしいものを出してますねっ!」
「ああ、これか…。」
youの指差したのは、先ほどまでアカギがいじっていた牌。
それは、アカギを伝説にした戦いで用いられた三透牌。
勝負の相手である鷲巣巌という男、その人が考え出したもので、
各々4つある牌のうちの3つが透明な素材で作られた特殊な麻雀牌である。
命を賭けた勝負に用いられたその牌を一つ、youは手に取った。
「きれーい…。」
「デスマッチに使わなけりゃな。」
「……ですね。」
「結構楽しかったけどな。今思うと。もう一回くらいやってもいいかもな。」
「ダメですよ!!」
「ハハハ!分かってるって。」
「よいしょ」と、その場に起き上がって、胡坐をかき、
怒って拗ねた顔をするyouの名を呼ぶ。
「you。」
「………。」
「冗談だよ。」
「…本当に?」
「ああ、だから…こっちにこい、な?」
「……うん!」
嬉しそうに微笑んで、アカギの傍まで移動するyou。
隣に座ったのはいいが、何か物足りなさを感じたアカギ。
突然、youの腕を引いて己が胡坐を掻いている膝の上に彼女を座らせた。
「アカギさん?」
「ん……何だかな、密着していたかったんだ。」
「えー……今日のアカギさん何か可愛い〜!」
「ッハハ!そうか……じゃぁ、カメラ貸せ。」
アカギの台詞に「ん?」と疑問を抱きつつもカメラを渡す。
それを受け取ったアカギはカメラを利き手に取り、もう片方はyouの肩へと回した。
腕を眼前にグンと伸ばして、自分で自分を写真に撮る態勢をとった…。
「可愛い2人の2ショットだ。」
「ぷっ……///」
再びフラッシュとシャッター音が部屋に広がり、
写真を撮り終えたアカギはカメラをその場に置いた。
「そういえばアカギさんの若い頃の写真って見たことない。」
「撮ってねぇからな。」
「一枚も?」
「一枚くらい撮ったかもしれねぇが……生憎と物持ちがいい人種じゃねぇんでな…。」
「そっかぁ、残念。若いアカギさんを愛でたかったな。」
「悪いなぁ、今はオッサンの被写体しかねぇんだ。」
「んー……でもアカギさんは今も素敵だから、それでいいや!」
そう言ってyouはぎゅっとアカギにしがみ付いた。
彼女の頭を優しく撫で、アカギは言う…。
「写真、ねぇ……youの写真を財布にでも入れとけば運気が上がりそうだな。」
「それ、逆ですよ!アカギさんの写真の方がご利益あるって!!」
「ご利益って……神仏か何かみたいな言い方だな、オイ…。」
「神域の男ですし、ちょうどいいんじゃないですか?!」
「からかうのもいい加減にしろよ、you〜。」
「きゃー!」
脇腹を擽り、youに意地悪を仕掛けるアカギ。
当然、バランスを崩し、2人で横に倒れこむ。
起き上がろうとしたyouを阻止したのはアカギ自身だった。
身体ごとyouにくっつき……というか寧ろ、抱きついて離れない。
「あ、アカギさん?」
「…ぇな…。」
「え?」
「やべぇな…。」
「…な、何がですか?」
youの背中越しに低い声が伝わる。
その重低音の振動に背中がゾクッと跳ねた。
彼女の微かな反応も逃さなかったアカギ。
少し顔を上に持っていき、その耳元にフッと息を吹きかけ、
更には後ろから手を回し、youの両胸をぎゅっと掴んだ。
「あ、アカギさん?!……///」
「クク…。」
満足気に笑いながら、耳元で囁く…。
「年甲斐無く勃ってきちまった。」
「っ……///」
「今日は何かyouの傍にいないとダメな日みたいだ。」
「もぉ〜!アカギさんズルイ!!」
「ズルイ…?」
「また、そんな可愛いコト言われたら私……///」
「「断れない」?………じゃぁ聞くけど、断りたかったか?」
「ぅぅ……///」
何か抗議したくてアカギの方へ向き直ったyou。
顔を赤くして悔しそうにアカギを見上げていると、
そこで本日何度目かの光と音。
「今の、サイフ行きだな。」
「却下〜〜!!」
このままでは最中のシーンまで撮られる恐れがあると思ったyouは、
すぐさまアカギの手からカメラを奪い……
部屋の片隅に軽く放り投げ
そのままアカギに抱きつた。
写真写りのイイ男。
(アカギさーん、見てみて〜写真できたんだよ〜!)
(へぇ…。)
(何でそれ抜き取るんですか!!)
(何でって……サイフに…)
(入れんでいいッツ!!)
*。゜.*。゜.*。゜.*
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