俺と彼女の願い【キャプ翼・日向夢】

次の日、部室に入ったらマネージャーの姿はなかった。
「…マネージャーは?」
「今は監督と話をしているようです」
俺がそう聞くとタケシが答えた、すると監督との話を終えたのかマネージャーが部室に入ってきた。
「あの…」
「…昨日は悪かった、俺の我が儘でお前を傷付けて…」
マネージャーが何か言おうとしたが、俺は開口一番マネージャーに謝った。
「私の方こそ、あなたの気持ちを理解してなくてごめんなさい…」
マネージャーもその直後に謝り、それからはどちらも言葉が出なかった。
「二人とも、どうして黙ってるんでしょうか…」
タケシが心配そうに俺とマネージャーを見ている、するとマネージャーの方に若島津が近寄りそのまま話を聞いてきた。
「日向さん、マネージャーと何かあったんですか?」
「ああ、実は…」
その一方で俺はタケシにそう聞かれて、昨日若島津に話したものと同じ内容を話すのだった。
「そんな事が…」
「完全に俺が自分勝手だったからだ…、あんな態度取ったのは…」
「あんまり気にしないでください、マネージャーもちゃんと謝ってくれたじゃないですか」
「それはそうだが…、今回の件で信頼を失ったかもしれないと思うと……」
謝ったとはいえ、もしかしたら信頼を損ねてしまったかもしれない。そんな事を考えると不安が重くのし掛かってくる。
「そんなわけないですよ!マネージャーが日向さんを見限るなんてありえません。僕はそう思ってます」
そんな俺にタケシはそう言葉をかける。
「…そうか、ちょっと気が楽になった」
それを聞いて少し安心した、タケシの言う通りマネージャーが俺達を見限るなんて事は今まで一度もなかった。俺達を信じてここまで付いてきた彼女がそんな簡単に見捨てるなんてありえない。
V3達成の約束もしたからこそ、俺は最後まで彼女を裏切らないことを心に決めるのだった。

その夜、夕食を済ませた俺は寮の自室でくつろいでいた。若島津は今日の分の宿題をやっている。
しかし心の中ではやっぱりモヤモヤが残っていた。
(でもやっぱり今の力じゃ足りない…、今日の練習も数分だけだったし…)
実力不足を気にしてしまい、そんなことばかり考えていた。
(よし、こんな時間だが…こっそり練習しよう)
俺はベッドから立ち上がると、若島津の目を盗んでこっそり部屋を出る。
冬の寒い空気が体に少し刺さるがそんなものは気にせず練習場へと向かっていった。
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