俺と彼女の願い【キャプ翼・日向夢】
そして決勝戦、相手はやはり南葛高校だった。
(南葛と戦うのもこれが最後か…)
中学から高校までの六年、長きにわたる戦いにようやくピリオドを打つ時が来た。俺はそう思っていた。
「マネージャー、何か言ってやれ」
「私がですか?」
ミーティングにて、作戦を話し終えた監督はマネージャーにそう告げる。
「みんな、泣いても笑ってもこれが最後。絶対優勝して私達の夢を叶えましょう!」
「おう!!」
マネージャーがそう言うと俺達も大きく返事を返した。
「日向くんにはこれを」
その直後、マネージャーは俺の元へ行くと、その場にしゃがみ俺の右足にあるものを着けた。
「これは…ミサンガ?」
「この時のために作ったの」
それは赤と黒のミサンガだった。
俺とマネージャーの目の色であるそれは右足にしっかりと結ばれていた。
ミサンガが切れた時、願いが叶うということを思い出す。これはいつそうなるのか。
「最後にキャプテンのあなたからも言ってあげて」
「…そうだな。よし!この決勝、マネージャーが言った通り俺達の夢を絶対叶えるぞ!!このミサンガに誓って!」
マネージャーに促されて俺は皆にそう告げる、それに対して皆は何も言わず頷いた。それだけでもその意味は理解できた。
そして、高校最後の戦いが始まるのだった。
前半は岬達南葛がリードしていたが、途中から俺達東邦も勢いをつけ南葛は岬と新田がそれぞれ一点、東邦は俺が二点取り同点のまま後半を迎えた。
後半、一進一退の攻防が続き南葛に押し返されていた。
「いけぇーっ!」
しかし反町が一点を取ったことで東邦は巻き返すのだった。
「そこだ!」
岬のオーバーヘッドキックがゴールに刺さろうとする。
「させるか!」
若島津が手刀ディフェンスでこれを弾き返した。
「なにィ!」
「よくやったぞ!」
そして残りわずかとなり、両者共に更に勢いを増していった。
ボールはピッチの中央に転がりそれを取ろうと双方の選手達が激しい競り合いを始めた。
「なにィ!」
「日向さん、決めてください!」
ボールはタケシに回り、そしてそのまま俺にパスを回した。
タケシからボールを受け取りそのまま真っ直ぐゴールへ向かっていく。
その前に石崎らDF達が立ちふさがった。
マネージャー、ここまで来れたのもお前のおかげだ。
どんな時でも夢を捨てず、努力しているお前を見て俺も応援してやりたいと思った。
怪我をして心が折れそうになったがお前が傍にいてくれたからそれも乗り超えられた。
今度は……俺がそれに応える番だ!
「これが俺のネオタイガーショットだ!!」
マネージャーへの思い、そして俺達全員の願いを込めてネオタイガーショットを打つ、そしてその勢いで右足のミサンガが切れた。
先程のミサンガのことは、この時を指していたのだ。
DF達をまとめて吹き飛ばし、キーパーの森崎が止めようとする。しかしその勢いに負け森崎はゴールに押し込まれ、そのままゴールが決まった。
…決まった、最後に俺達の思いが勝ったんだ。
「試合終了ー!東邦学園、V3達成だー!!」
直後に試合終了のホイッスルが響く。
「やった…!やったぞ!V3だ!!」
この瞬間マネージャーの、俺達サッカー部の目標であり夢が叶い、俺は心の底から喜んでいた。
若島津達が俺の元へ駆け寄ってくる。
「やりましたね、日向さん!」
「いや、俺だけの力じゃない。これは俺達みんなで勝ち取った優勝だ!」
若島津が満面の笑みでそう言うと、俺はそう返す。
「ここまで本当に長い道のりでしたね…!」
「ああ。嬉しくてなんだか涙が出てきたよ」
タケシも今までで一番の喜びを感じており、反町は喜びのあまり感涙していた。
他の奴らも歓喜している。
俺達が一致団結したからこそ、この優勝を掴み取れたのだ。
「日向くん!!」
俺の元にマネージャーが駆け寄ってきた。
「最後のシュート、本当に凄かった…今までで一番凄かったわ!」
マネージャーは目に涙を浮かべていたがその表情はこれまで見たことのない笑顔となっていた。
「お前と俺達の夢、ようやく叶ったぜ…!」
「ええ…その夢を叶えてくれてありがとう…!」
そう言った後、マネージャーは俺に抱きついた。俺もその後に彼女を抱き返すのだった。
この三年間、互いを信じついてきて、最後まで見限ることなく走り続けたこの結果は俺達二人にとって忘れられないものになるだろう。
表彰式を終え、俺達は写真を取る準備をしていた。これはマネージャーが監督に頼んだもので「思い出として手元に残しておきたい」とのことだった。
俺は優勝旗を手に持って真ん中に立ち、その隣に若島津と反町が、そして手前と後ろにタケシや他の奴らが立っており手前のタケシ達はしゃがんでいた。そんな構図となった。
「撮るぞ」
監督がそう言ってポラロイドカメラのシャッターを切る。
写真が出てくると監督ははっきり写るまで待った。俺は若島津に優勝旗を渡して監督の元へ向かった。
「写真が写ったみたいだが、どうだ?」
監督に写真を渡されそれを確認する。
それは写りも良く、ブレもないものだった。
「これでいいです、これならきっとマネージャーも喜びます」
「そうか!決まりだな」
そしてその後、この写真は監督からマネージャーに渡されマネージャーはそれを気に入ったのだった。
ずっと追い続けた夢が叶い、共に満足だ。
けれどまた、新しい夢を見つけるだろう。
その時は、この時を思い出して進んでいこう―――
Fin
(南葛と戦うのもこれが最後か…)
中学から高校までの六年、長きにわたる戦いにようやくピリオドを打つ時が来た。俺はそう思っていた。
「マネージャー、何か言ってやれ」
「私がですか?」
ミーティングにて、作戦を話し終えた監督はマネージャーにそう告げる。
「みんな、泣いても笑ってもこれが最後。絶対優勝して私達の夢を叶えましょう!」
「おう!!」
マネージャーがそう言うと俺達も大きく返事を返した。
「日向くんにはこれを」
その直後、マネージャーは俺の元へ行くと、その場にしゃがみ俺の右足にあるものを着けた。
「これは…ミサンガ?」
「この時のために作ったの」
それは赤と黒のミサンガだった。
俺とマネージャーの目の色であるそれは右足にしっかりと結ばれていた。
ミサンガが切れた時、願いが叶うということを思い出す。これはいつそうなるのか。
「最後にキャプテンのあなたからも言ってあげて」
「…そうだな。よし!この決勝、マネージャーが言った通り俺達の夢を絶対叶えるぞ!!このミサンガに誓って!」
マネージャーに促されて俺は皆にそう告げる、それに対して皆は何も言わず頷いた。それだけでもその意味は理解できた。
そして、高校最後の戦いが始まるのだった。
前半は岬達南葛がリードしていたが、途中から俺達東邦も勢いをつけ南葛は岬と新田がそれぞれ一点、東邦は俺が二点取り同点のまま後半を迎えた。
後半、一進一退の攻防が続き南葛に押し返されていた。
「いけぇーっ!」
しかし反町が一点を取ったことで東邦は巻き返すのだった。
「そこだ!」
岬のオーバーヘッドキックがゴールに刺さろうとする。
「させるか!」
若島津が手刀ディフェンスでこれを弾き返した。
「なにィ!」
「よくやったぞ!」
そして残りわずかとなり、両者共に更に勢いを増していった。
ボールはピッチの中央に転がりそれを取ろうと双方の選手達が激しい競り合いを始めた。
「なにィ!」
「日向さん、決めてください!」
ボールはタケシに回り、そしてそのまま俺にパスを回した。
タケシからボールを受け取りそのまま真っ直ぐゴールへ向かっていく。
その前に石崎らDF達が立ちふさがった。
マネージャー、ここまで来れたのもお前のおかげだ。
どんな時でも夢を捨てず、努力しているお前を見て俺も応援してやりたいと思った。
怪我をして心が折れそうになったがお前が傍にいてくれたからそれも乗り超えられた。
今度は……俺がそれに応える番だ!
「これが俺のネオタイガーショットだ!!」
マネージャーへの思い、そして俺達全員の願いを込めてネオタイガーショットを打つ、そしてその勢いで右足のミサンガが切れた。
先程のミサンガのことは、この時を指していたのだ。
DF達をまとめて吹き飛ばし、キーパーの森崎が止めようとする。しかしその勢いに負け森崎はゴールに押し込まれ、そのままゴールが決まった。
…決まった、最後に俺達の思いが勝ったんだ。
「試合終了ー!東邦学園、V3達成だー!!」
直後に試合終了のホイッスルが響く。
「やった…!やったぞ!V3だ!!」
この瞬間マネージャーの、俺達サッカー部の目標であり夢が叶い、俺は心の底から喜んでいた。
若島津達が俺の元へ駆け寄ってくる。
「やりましたね、日向さん!」
「いや、俺だけの力じゃない。これは俺達みんなで勝ち取った優勝だ!」
若島津が満面の笑みでそう言うと、俺はそう返す。
「ここまで本当に長い道のりでしたね…!」
「ああ。嬉しくてなんだか涙が出てきたよ」
タケシも今までで一番の喜びを感じており、反町は喜びのあまり感涙していた。
他の奴らも歓喜している。
俺達が一致団結したからこそ、この優勝を掴み取れたのだ。
「日向くん!!」
俺の元にマネージャーが駆け寄ってきた。
「最後のシュート、本当に凄かった…今までで一番凄かったわ!」
マネージャーは目に涙を浮かべていたがその表情はこれまで見たことのない笑顔となっていた。
「お前と俺達の夢、ようやく叶ったぜ…!」
「ええ…その夢を叶えてくれてありがとう…!」
そう言った後、マネージャーは俺に抱きついた。俺もその後に彼女を抱き返すのだった。
この三年間、互いを信じついてきて、最後まで見限ることなく走り続けたこの結果は俺達二人にとって忘れられないものになるだろう。
表彰式を終え、俺達は写真を取る準備をしていた。これはマネージャーが監督に頼んだもので「思い出として手元に残しておきたい」とのことだった。
俺は優勝旗を手に持って真ん中に立ち、その隣に若島津と反町が、そして手前と後ろにタケシや他の奴らが立っており手前のタケシ達はしゃがんでいた。そんな構図となった。
「撮るぞ」
監督がそう言ってポラロイドカメラのシャッターを切る。
写真が出てくると監督ははっきり写るまで待った。俺は若島津に優勝旗を渡して監督の元へ向かった。
「写真が写ったみたいだが、どうだ?」
監督に写真を渡されそれを確認する。
それは写りも良く、ブレもないものだった。
「これでいいです、これならきっとマネージャーも喜びます」
「そうか!決まりだな」
そしてその後、この写真は監督からマネージャーに渡されマネージャーはそれを気に入ったのだった。
ずっと追い続けた夢が叶い、共に満足だ。
けれどまた、新しい夢を見つけるだろう。
その時は、この時を思い出して進んでいこう―――
Fin
