俺と彼女の願い【キャプ翼・日向夢】

東邦学園サッカー部練習場、俺達は練習試合を行っていた。
数週間前にあった高校サッカーインターハイを優勝し、次の目標である冬のサッカー選手権に向けて皆意気込んでいる。
高校一年、二年と夏、冬の大会を連覇し高校最後の大会も勝ち取りV3を取る、それが俺達の最大の目標だ。

「そっちにパスだ!」
八月の終わりだというのにやけに暑い中、部員の一人が他の奴にボールをパスし、俺はすぐそいつの近くに向かう。
「もらった!」
「抜かせるか!」
ボールを奪おうと近付いたその時だった。

「ッ……!!?」
突然、右足に激痛が走りあまりの痛さにその場に倒れてしまう。
「日向さん!!」
「日向くん!」
タケシ達やマネージャーがそれを見て驚き、俺の元に駆け付ける。
「一体どうしたの!?」
「あ、足が……!」
マネージャーに聞かれ、そう答えるだけで精一杯だった。
「監督、救急車を…!」
「分かった」
遠くでマネージャーと監督が話す声が聞こえる。
痛みで意識も朦朧とする中、マネージャーが俺のところへ戻ってきた。
「今監督が救急車を呼んだわ」
「うっ…、ぐぅ…」
「随分辛そうです…」
タケシが心配してしばらくした後、救急車のサイレンが聞こえたのを最後に俺の意識はそこで途切れた。

…………
「ん…」
次に気がついた時、そこは病院だった。
足に少し違和感を感じてそこを見てみると、右足にギプスがつけられていた。
「あっ、日向さん!気がついたんですね」
すぐ傍にいた若島津が俺に気付く、近くには監督もいた。
「レントゲン写真を見たところ、右足の骨が折れていますね。あまり大きな怪我じゃなくて良かったですが…」
医者がそう言ったのを聞いて、写真の方を見る。言われた通り右足の骨が折れていたのが分かった。
「治るまでどれくらいかかりますか?」
「四ヶ月くらいかかりますね」
監督が医者に聞くと、医者は難しそうな顔で答える。
(四ヶ月……)
それは選手権までに完全に治るかどうか怪しい時期だった。
本戦に出れたとしても地区予選の方は無理がある、それに何より戦力が大幅に下がるという意味でもあった。
「しばらく練習には出さないようにしてください」
「分かりました」
医者に念を押され監督がそう答えると俺の方に監督は体を向ける。
「ということだ、しばらく練習は見学だ」
見学、それを聞いて複雑な気持ちになった。
その後、俺達はタクシーで学園へ戻り俺と若島津は監督から上がるように言われ、準備を済ませて寮へと帰るのだった。
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