謎の転校生 運命の出逢い
少し黒い肌色に、赤みがかった茶髪とエメラルドの瞳--
荒く吹く風に長い髪がなびく中、頬に涙を流しながら何かを叫ぶ少女
目の前にいる誰かに向かって、声を張り上げているみたいだ
必死に手を伸ばしているのに、それは“彼”の背中に届かない
まるでその場に縫い付けられたかのように、足が動かない
--そこで、目が覚めた
ここ最近、よく見るようになった夢だ
いつも同じ場面の夢を視る
目の前にいる誰かが、“彼”だという事だけはわかるのに・・・
“彼”の名前がわからない・・・
それだけじゃなくて、姿もわからない
まるで逆光のようになっていて、はっきりと見えないからだ
いつもそうだ
一体、どうして・・・?
彼女が何を叫んでいて、なぜ泣いているのか
なぜ伸ばした腕が届かないのか
私にはよくわからない・・・
濡れた感覚から頬に手を伸ばすと、指先がやはり濡れた
そこで、自分が涙を流している事に気付く
私、なんで泣いてるんだろう・・・?
まるであの夢が、自分の事のように感じる
関係ないはずなのに・・・
「・・・・・・あなたは、だれ・・・?」
その疑問に答えてくれる人は、誰もいない
寝返りを打って、そばにあるぬいぐるみを抱き締める
ふと視線を動かすと、サイドテーブルにある置き時計が目に入った
そろそろ起きなければ、転校早々に遅刻だ
気怠い体を起こして、登校準備を進める
この、「童実野高校」への転校が--彼女と“彼”の運命の出逢いとなる
それをまだ、本人達は知らない--・・・
童実野高校に転校してきた、16歳の少女
武藤遊戯らのクラスメイトになる
のちに「もう一人のボク」と呼ばれる闇遊戯とは、本人達も知らない運命の出逢いを果たす
実は遊戯が千年パズルを完成させた日から、不思議な夢を視るようになった
だが本人達は関連があるとは思っていない
赤みがかった茶髪で腰まであるロングヘアにエメラルドの瞳を持つ
5階建てマンションの3階にて、一人暮らしをしている
ゲームは大体できる
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