序章
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仗助「お、おい!待てよ茉莉!なに怒ってんだよ?」
茉莉「怒ってない。で、なに?」
仗助「あー、いや・・・その・・・」
茉莉「はっきり言いなさいよ!あんたそれでも男?」
仗助「あー!わかったよ!お前にも聞いてて欲しいんだよ!それと勘違いすんな!別にお前のこと鬱陶しいなんて思ってねぇよ!」
茉莉「っ!」
承太郎「おい。くだらねぇ髪の毛の話と痴話喧嘩はあとにしな」
茉莉「あ」
「こ、こいつ今ヤバい事を・・・」
「髪型の事は・・・」
茉莉「じょ、承太郎さんでしたよね?髪型についてその発言だけは・・・」
仗助「てめぇ。俺の髪の毛がどうしたと?コラ!」
茉莉「遅かったぁー!」
承太郎「どういう事だ?」
茉莉「仗助の奴、髪型を貶されるのが一番嫌いで・・・一度それで怒り出すと、我を忘れて周りが見えなくなるほど逆上しちゃうんです」
康一「ツッパリをやった時と同じだ」
承太郎「おい、待ちな仗助。なにもてめぇを貶したわけじゃあ・・・」
茉莉「仗助!」
承太郎〈マズい、来る!〉
次の瞬間、なぜか口から血を流して膝をついたのは、仗助の方だった
茉莉「え」
承太郎「見えるか、仗助?これは
仗助「この自慢の頭を貶されるとムカっ腹が立つぜ。どうしようもなくな!」
茉莉「仗助!いい加減にしなさい!」
だが茉莉の声など聞こえていないように、仗助は自分の
承太郎「こいつが仗助の
自身の
承太郎「こ、このパワーは・・・!」
仗助「ケッ、ボディから顎にかけてガラ空きになったようだぜ!」
承太郎「野郎!」
仗助「なに!?」
下から殴り上げようとしたが、そこには承太郎もスタープラチナもいない
いつの間にか、承太郎は仗助の背後にいた
しかもそこで、承太郎の被っている帽子が変形する
茉莉「うそ・・・」
仗助「てめぇ、いつの間に・・・」
茉莉「仗助!!」
反射的に、無意識にだ
茉莉は鞄を放り出して、仗助と承太郎の間に飛び込んだ
承太郎「なっ」
仗助「っ!?」
茉莉「うぐっ」
承太郎は振り被った拳を止め切れず、だが仗助が瞬時に動いた
茉莉の襟首を掴み、後ろに引っ張る
そのまま彼女の体に腕を回し、しゃがみながら承太郎に背を向ける
こうして茉莉を庇い、片腕で彼女の背中を支え、片足の太腿に彼女の両足を引っかけている
幸いにも、しゃがんだ事で仗助も承太郎の拳を避けられた
康一〈わからない・・・さっきから何が起きてるのか、全く・・・でも何かが・・・起きてる!〉
承太郎〈久し振りに・・・実に10年振りに--0.5秒だけ時を止められたぜ。時を止めなかったら、やられないにしてもどちらかが大怪我していた。それにしても、この女・・・迷いもなく飛び込んで来たな。自分から危ない橋を渡ろうとする奴だ〉
茉莉「ハッ、ハァ、ハァ・・・」
承太郎「おい、大丈夫か?怪我はしてねぇか?」
茉莉「あ、はい・・・大丈夫、です」
仗助「・・・じゃねぇ」
茉莉「え?」
仗助「ざけんじゃねぇ!何が大丈夫だ!俺が引っ張ってなかったらどうなってたと思ってんだ、コラ!急に飛び込んで来やがって・・・バカかてめぇは!」
茉莉「ッ!・・・ご、ごめんなさい」
仗助の怒鳴り声に、思わず肩をビクッと震わせた
承太郎と康一は、それを黙って見つめている
仗助「・・・・・・あんま無茶すんな。わかったな?」
茉莉「・・・ん」
さっきまでの怒鳴り声をあげていた彼とは違い、優しい手付きで茉莉の頭を撫でる
心配しているからこそ、仗助は怒鳴ったのだ
普段は、茉莉が仗助に怒鳴る事が多い
だがこういう時はいつも決まって、普段とは逆になる
仗助が茉莉に怒鳴り、しゅんとするのはいつも彼女
その度に彼は茉莉の頭を優しく撫で、不器用に慰める
茉莉を降ろすと、仗助はその場に腰を下ろしてしまう
ひと段落したところで、承太郎が口を開いた
承太郎「お前に会いに来たのには、もうひとつ理由がある。もうひとつは、この写真だ」
言いながら懐から取り出された、数枚の写真
そこに写っていたのは、人の顔のようなモヤだ
さらには、モヤと一緒に写った男の写真も
承太郎「この町には何かが潜んでいる。何か非常にヤバい危機が迫っているぜ。ジョセフジジイが、息子のお前を念写しようとしたらこいつが写った。なぜかはわからないが。そいつは、おそらく
その数枚の写真を、仗助と茉莉が見つめる
後ろから康一も覗き込んで来た
承太郎「お前には関係ねぇ事だが、一応写真を見せた。用心しろって事だ。康一くん。こいつを見かける事があったら、決して近付くな。警察に言っても無駄だ。とにかく逃げろ。仗助、お前もカッとなって下手に手を出すんじゃあねぇぜ。さっきみたいに痛い目を見る。それに、そこの彼女を危険に巻き込みたくはねぇだろ」
仗助「うっ・・・」