序章
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茉莉「じょ、仗助?あのー・・・」
仗助「おい、先輩」
こっちも遅かった
仗助「あんた、今俺のこの頭の事なんつった?」
次の瞬間、とんでもない力で不良リーダーが吹き飛んだ
顔面からは血が吹き出し、鼻も妙な角度に曲がった
茉莉「あー・・・」
仗助「俺の頭にケチつけてムカつかせた奴は、何モンだろうと許さねぇ。このヘアスタイルがサザエさんみてぇだと?」
「へ?そ、そんな事誰も言って・・・」
仗助「確かに聞いたぞ、コラァ!」
茉莉「あんた、どんな耳してんのよ・・・」
仗助「おい茉莉!亀、戻しといてくんねぇか」
茉莉「え?」
言われて亀に顔を向けると、そこには無傷の亀がいた
茉莉〈まただ・・・〉
さっき投げ飛ばされた亀なのは間違いないが、傷がなくなっている
茉莉「・・・ん、いいよ」
言ってから亀をそっと抱き上げると、池の水の中へと帰してやる
それから振り返ると、不良リーダーの殴られたような傷が治っていくのが見えた
しかも、変な形に
茉莉「プッ」
思わず笑ってしまう茉莉
だが変わらず鋭い目付きの仗助に、不良達は慌てて逃げ出した
茉莉「あー、スッキリした!」
仗助「・・・あのなぁ、冷や冷やさせるなよ」
茉莉「いや、うん。それ、私の台詞」
仗助「は?」
茉莉「そんな事より、またわけわかんない力使ったでしょ?」
仗助「さぁて、どうだかな」
茉莉「仗助!ん?」
仗助「どした?」
自分の背後を見ている茉莉
彼女の視線を追って振り返ると、こちらに歩み寄って来る白いコートの男がいた
妙な雰囲気に、茉莉は無意識に仗助の後ろに隠れるように下がった
パシャ
仗助「うわぁ!ビックリした!」
茉莉「大袈裟ねぇ、さっきの亀よ」
仗助「な、なんだ、そうか・・・」
白いコートの男のそばに、ぶどうヶ丘高校の制服を着た小柄な少年が来る
承太郎「東方仗助、1983年生まれ。母の名は朋子。当時21歳。東京の大学へ通っていた。生まれた時よりこの町に住んでいる。1987年、つまり4歳の時、原因不明の発熱により、50日間生死の境をさまよった経験あり。父親の名前は・・・父親の名前は、ジョセフ・ジョースター。現在78歳。ジョースター不動産の創始者だ」
茉莉「それって、確かアメリカの不動産王の・・・?」
承太郎「奴はまだ元気だが、遺産を分配する時のために調査をしたら、なんと、きみという息子が日本にいる事がわかった。ジジイ自身も知らなかった事だ。あのクソジジイ、わしは生涯妻しか愛さないなどとぬかしときながら、てめぇが62歳の時、浮気してできた息子を、ここに今見つけたぜ。おっと、口が悪かったな」
茉莉「あの、あなたは・・・?」
承太郎「俺の名は空条承太郎。なんつーか、血縁上はお前の甥ってやつになるのかな。奇妙だが」
茉莉〈本当に奇妙だわ、年上の甥って・・・年上よね、この人?〉
仗助「甥?ああ、どうも」
承太郎「・・・歩きながら話そう」
腕時計で時間を確認し、空条承太郎は言った
学校の事を気にしてくれている様子だ
承太郎と仗助、茉莉、そして広瀬康一という少年が一緒に歩く
承太郎「・・・というわけで、きみにはいずれ、ジジイの財産の3分の1がいく事になるが。その事を俺が代わりに伝えに来た。ジジイの浮気ってやつがバレて、ジョースター家は大騒ぎさ」
仗助「えっ、大騒ぎ・・・なんですか?」
承太郎「ああ。おばあちゃんのスージーQが、結婚61年目にして怒りの頂点ってやつだぜ」
茉莉「そりゃあそうでしょうね」
仗助「す、すみませんです!俺のせいでお騒がせして!」
承太郎「おい、ちょっと待ちな。一体何をいきなり謝るんだ?」
仗助「いえ、えっと・・・やっぱり家族がトラブル起こすのはマズいですよ。俺の母は真剣に恋をして、俺を産んだと言っています。俺もそれで納得しています。俺達に気を遣わなくていいって・・・父さん、ですか?えっと、ジョースターさんに言ってください。以上です」
茉莉「仗助・・・」
承太郎〈なんだ、こいつ・・・俺はジジイの代わりに殴られる覚悟で来た。それをこいつは逆に、謝るだと?〉
「あ、仗助くん!」
「あ、ホントだ!仗助くん!」
茉莉「っ」
「元気?」
「偶然じゃん!一緒に学校行こ」
「今日も髪型、カッコいいわよ」
「キマってる!」
「やっぱ迫力が違うよね」
仗助「あぁ、えっとさ、今ちょっと立て込んだ話しててよ」
「えぇ、何それ?」
「早くしないと遅刻しちゃうよ」
「だからいいじゃん」
承太郎「おい、仗助。話はまだ終わって・・・」
茉莉「うるっさいのよ、朝っぱらから。遅刻が嫌ならあんた達だけでさっさと行けば?今立て込んでるって言ってんの。聞いてなかった?耳ついてんの?」
「出た、小姑茉莉」
「いっつも仗助くんと一緒よね」
茉莉「小姑って、夫や妻の兄弟姉妹の事を言うのよ?日本語くらい正しく使いなさいよ、仮にも日本人でしょ。馬鹿がバレるわよ?仗助とは近所で幼馴染なんだから。嫌でも一緒になるわよ、悪い?」
「嫌なら離れればいいのに。仗助くんもそう思うわよね?」
仗助「え?あ、いや・・・俺は別に・・・」
茉莉「気なんか遣わなくていいわよ。どうせ鬱陶しいって思ってるんでしょ。うるさいだけの腐れ縁の幼馴染は、さっさとここから消えるとするわ。遅刻だけはしないでよ?朋子さんからもよろしく言われてるんだからね」