神の宿る国
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翌日
空汰「つうわけで。部屋ん中でじっとしとってもしゃあない。サクラちゃんの記憶の羽根を早よ探すためにも、この辺、探索してみいや」
ファイ・モコナ「「はーい」」
小狼「はい」
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ〈昨日、私、いつの間に布団で寝たんだろ?記憶ないなぁ・・・〉
空汰「おっと!わいはそろそろ出掛ける時間や。歩いてみたら、昨日言うとった巧断が何かもわかるはずやで」
小狼「はい」
嵐「サクラさんは、私が側にいますから」
小狼「・・・はい」
黒鋼「その白いのも連れていくのかよ」
モコナ「白いのじゃないー、モコナー!」
空汰「モコナ連れてかな、羽根が近くにあってもわからんからな。大丈夫、だーれもモコナをとがめたりはせん。つうか、この世界ではありがちな光景やさかいな」
小狼「え?」
空汰「うし!んじゃ、これ!」←小狼の掌に乗せる
ツバキ「カエルのがま口財布?」
空汰「お昼ご飯代、入ってるさかい。4人で仲良う食べや」
黒鋼「なんでそのガキに渡すんだよ」
空汰「一番しっかりしてそうやから!」
黒鋼「どういう意味だよ!!」
ファイ「あははははは」
そして4人は、街中に出た
ファイ「賑やかだねー」
モコナ「ひと、いっぱーい!」
ファイ「でっかい建物と、小さい建物が混在してるんだー。小狼君はこういうの、見たことあるー?」
小狼「【ふるる】ないです」
ファイ「ツバキちゃんは?」
ツバキ「見慣れてる、かな。こういう建物ばかりの世界だったので」
ファイ「黒たんはー?」
黒鋼「ねぇよ!んでもって妙な呼び方するな!!」
ツバキ「ふふっ。ギャップあって可愛いですよ」
黒鋼「【冷汗】お前なぁ・・・」
くすくす
「まっしろー」
「まるいー」
黒鋼「笑われてっぞ、おめぇ」
モコナ「【てへ】モコナ、もてもてっ!」
黒鋼「モテてねぇよっ!」
「らっしゃい!お、兄ちゃん達。リンゴ、買っていかねぇかい!?」
ツバキ「いい色ね、美味しそう」
小狼「それ、リンゴですか?」
「これがリンゴ以外のなんだっちゅうんだ!」
ファイ「小狼君の世界じゃ、こういうのじゃなかったー?」
小狼「形はこうなんですけど、色がもっと薄い黄色で・・・」
黒鋼「ん?そりゃ梨だろ」
小狼「いえ。ナシはもっと赤くて、ヘタが上にあって・・・」
ファイ「それラキの実でしょー?」
ツバキ「トマトじゃないんですか?」
「で!いるのか!いらんのか!」
モコナ「いるー!」
「まいど!!」
小狼「え!?」
結局、人数分のリンゴを購入し、川に掛かった橋の上で食べる
シャク
ファイ「美味しいねー、リンゴ」
小狼「はい」
ファイ「けど、ほんとに全然違う文化圏から来たんだねぇ、オレ達。そういえば、まだ聞いてなかったね。小狼君はどうやって、あの次元の魔女の所へ来たのかなー」
ツバキ「魔力とかはないって、言ってたよね?」
小狼「はい。おれがいた国の神官様に送って頂いたんです」
ファイ「すごいねー、その神官さん。1人でも大変なのに、2人も異世界へ同時に送るなんて。黒りんはー?」
黒鋼「だからそれヤメろ!うちの国の姫に飛ばされたんだよ!無理矢理」
ファイ「悪いことして叱られたんだー?」
モコナ「しかられんぼだー」
黒鋼「うるせーっての!!指差すな!てめぇこそどうなんだよ!」
ファイ「オレ?オレは自分であそこへ行ったんだよー」
黒鋼「ああ!?だったら、あの魔女頼るこたねぇじゃねぇか。自分でなんとか出来るだろ」
ファイ「無理だよー。オレの魔力総動員しても、1回他の世界に渡るだけで精一杯だもん」
ツバキ〈あれ?なんだろう・・・今、違和感が・・・〉
ファイ「で、ツバキちゃんは?」
ツバキ「たぶん、アカネ。次元移動できる程の魔力を持ってるのは、うちの国じゃ、あの子だけのはずだから。私はまだ・・・わからないけど」
ファイ「アカネちゃんって、ツバキちゃんの双子の妹さん、だったよね?」
ツバキ「ええ」
ファイ「アカネちゃんも、小狼君を送った人も、黒ちんを送った人も、物凄い魔力の持ち主だよ。でも、持てる全ての力を使っても、おそらく異世界へ誰かを渡せるのは一度きり。だから、神官さんは小狼君を魔女さんの所に送ったんだよ。サクラちゃんの記憶のカケラを取り戻すには、色んな世界を渡り歩くしかない。それが今出来るのは、あの次元の魔女だけだから」
小狼「・・・・・・さくら」
「きゃあああ!」
聞こえてきた悲鳴にそちらを見ると、2つの集団が向かい合っていた
「今度こそお前らぶっ潰して、この界隈は俺達がもらう!」
そう言った、帽子を被った集団のひとり
向かい合うようにして建物の上に立つ、ゴーグルの集団
その中のひとりのゴーグルは少し違い、それを着けた彼が親指を立てて下に向ける
ファイ「ヒュー。かぁっこいー」
「またナワバリ争いだー!」
「このヤロー!特級の巧断憑けてるからって、いい気になってんじゃねぇぞ!」
小狼〈巧断!?〉
ツバキ〈特級?〉
チリッ
小狼〈熱い・・・!?〉
戦いが始まったらしく、それぞれが様々な生き物を、どこからともなく出した
小狼「え!?」
黒鋼「あれが巧断か」
ファイ「モコナが歩いてても驚かれないわけだー」
その時、ゴーグル側のリーダーらしき男に巧断が迫り、彼は自身の巧断を出す
エイの姿をしたその巧断は、大量の水を出して攻撃する
帽子を被った集団が水に流され、避難しようとしていた一般人の少年が転けた
転けた少年にそっくりの、別の少年が近づいて助け起こそうとする
彼らの頭上から、衝撃で外れてしまったらしい看板が落ちる
小狼・ツバキ「「危ない!!」」
同時に叫んだ2人は、これまた同時に走り出す
黒鋼「おい!!」
ファイ「ツバキちゃん!」
黒鋼とファイが引き留めようと声を掛けるものの、無視するように走って行ってしまったツバキ
記憶も魔力も、今の彼女は元の彼女と比べてかなり劣っている
そんな彼女が行ったところでどうなる?と、ツバキの身を案じてのことだった
小狼は少年達を覆うようにして庇い、その小狼の背後でツバキが仁王立ちする
嵐から借りたワンピースのポケットを漁り、1枚のコインを取り出す
ゲームセンターでよく見かける、メダルゲームに使われるコインだ
バチィッ
右手でコイントスをし、コインが再び親指に乗る
その瞬間、レーザー光線のようなオレンジ色の光の矢が、看板を貫いて粉々にした
一瞬にして消し炭になった看板
ファイ「ツバキちゃん、かぁっこいー」
黒鋼「・・・ちっ」
そう、確かに今の彼女は、元の彼女と比べると記憶も魔力も不足している
しかし、超能力は別なのだ
彼女の電気を操る能力は、全く衰えてはいない
元々、魔力とは別系統の力なのだ
パチッ
ツバキ「!」
ファイ「【ハッ】ツバキちゃん!上!」
崩れてきた瓦礫が、ツバキの頭上に迫る
すでに気づいていたらしいツバキは、睨むような視線を上に向けていた
もう1枚コインを取り出そうと、ポケットに手を突っ込んだ
しかし取り出そうとした時、コインが手から滑り落ちてしまった
ツバキ「しまっ・・・!」
小狼「ツバキさん!!」
反射的に立ち上がった小狼はツバキに手を伸ばし、彼女を引き寄せると瓦礫を背にして覆った
ツバキ「小狼!?」
その時、突然現れた炎と雷が瓦礫を焼き、撃ち抜いた
現れたのは、炎に包まれた狼のような獣
雷を纏う、ペガサスのような姿をした一角獣
男「お前らの巧断も、特級らしいな」
ゴーグルの集団のリーダーが、小狼とツバキに話し掛けた