桜の国
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護刃「おいしー♡」
ツバキ「そりゃどーも」
ファイ「モコナのアドバイスで、生クリーム添えてみたんだー」
モコナ「生クリームがついてると、なお美味しいのー」
草薙「こりゃ、他の鬼児狩りやってる奴等にも教えないとな。うまい
運ぶことに不慣れだからか、カチャカチャと言わせながら運んだティーカップを、護刃の側に置いたサクラ
それに気付いた護刃が、サクラに笑顔を向ける
護刃「ありがとう!桜都国には、来たばかりなんですね」
サクラ「はい、昨日」
ファイ「着いた夜、いきなり鬼児とかいうのに家宅侵入されて大変だったよー。そういえば、市役所の子が鬼児の事説明してくれた時に言ってたんだけど、『段階』って何かなぁー?」
護刃「鬼児の強さはイが一番上で、ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・トと下がっていくんです。それを更に五段階に分けていて、例えば、ホの一段階だとホのランクで一番強い鬼児。ホの五段階だと、ホのランクで一番弱い鬼児って事ですね」
小狼「と言う事は、一番強いのは『イの一』」
護刃「そう!鬼児狩りはみんな、そのイの一段階の鬼児を倒す為、日々頑張ってるんです!」
ファイ「ってことはー、昨日うちに来たハの五段階ってのは、中間よりちょい上くらいー?」
草薙「そりゃ妙だな。家に侵入できる鬼児は、ロの段階以上だぜ」
バチィ
ツバキ「つっ・・・」
黒鋼「?」
ほぼ同時だったろうか
護刃達が連れている犬が、何かに反応して顔をあげた
護刃「鬼児が近くに出たみたい」
ツバキ「・・・なんでわかるの?」
護刃「この子は鬼児の匂いを感知できるの」
ツバキ「優秀な犬だこと」
草薙「ごちそうさん」
護刃「すっごく美味しかったです!」
草薙「幾らだ?」
ファイ「今日はサービスでー。また来て、色々教えてほしいなー」
草薙「おう。是非、寄らせてもらうよ」
護刃「またね」
サクラ「また」
ファイ「もう常連さん候補できちゃったねぇ。『おっきいワンコ』」
黒鋼「・・・・・・」
スラッ
小狼「モコナ、羽根と蝶の波動は?」
モコナ「【しょぼん・・・】感じるけど、やっぱりすごく弱い。場所まではわからない」
小狼「鬼児狩りは、情報を得るのに有利だそうだ。きっと、色々聞けると思うよ」
モコナ「モコナも頑張って、羽根と蝶の波動キャッチする!」
ファイ「きゃー、きゃー、おっきいワンコがー」
ツバキ「あっちはあっちで、まーた追いかけっこやってるし・・・サクラ・・・・・・ん?」
呼び掛けたサクラからの返事がなく、そちらを振り返る
サクラはどこか悲しそうな顔で、笑顔でいる小狼を見つめていた
ツバキ「・・・・・・サクラ!」
サクラ「え?あ、ごめんなさい。どうかしたの?」
ツバキ「・・・・・・言いたいことがあるなら、はっきりと口に出して言っちゃった方がいいわよ」
サクラ「え?」
ツバキ「よく覚えておきなさい、サクラ。言葉は時として、戦う武器ともなる。そして当然、人を傷つける刃ともなるわ。優しい言葉や、甘い言葉ばかりじゃない。それでも、言葉は私達がコミュニケーションを取る方法のひとつでもある。口に出してしまった事は、もう二度と取り戻すことはできない。どんなに後悔したとしても」
サクラ「・・・・・・」
ツバキ「それでも、どうしても伝えたいことがあるのなら・・・聞きたいことがあるのなら・・・口にしなかった事をこそ、後悔するかもしれない。それならもういっそ、口に出してしまう方が良い気がしない?」
サクラ「ツバキちゃん・・・」
ツバキ「なんとなく、察しはつくわ。今夜にでもいってらっしゃい。サクラが後悔しないのなら、ね」
サクラ「うん・・・!」
バチィ
ツバキ「つっ・・・・・・本当に傷つけてるのは・・・他の誰でもない私、か・・・」
自室のベッドで横になり、そう呟いたツバキ
ツバキ「わかってたのにね・・・最低だ、私・・・」
対価として支払われた、小狼とサクラの関係性
誰かが教えたとしても、サクラが自分で思い出そうとしても、それらはすぐに削除される
つまりもう二度と、サクラが以前の小狼との関係を思い出すことはない
それをわかっていたはずなのに、理解していたはずなのに
ツバキはサクラに、それを小狼に聞くように促してしまった
阪神共和国で目覚めたサクラは、小狼に言った
誰なのか、と--
一緒に旅をしていると言われ、知らない人なのに?と--
そんなはずないと、昔から知っていて、本当は大切な人なのではないかと
小狼に聞くように、促してしまった
ツバキ「・・・・・・バカだよ、私は」