御伽の国
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ドレスの裾を持ち、雪の中を走るツバキ
ツバキ〈この方向・・・〉
そうして、辿り着いたのは--
ツバキ「・・・やっぱり、城。問題は川だけど・・・」
サクラ「ツバキちゃん!」
ツバキ「サクラ!?バカ!なんで来たの!?」
サクラ「ごめんなさい。でも、ツバキちゃんが心配だったから・・・・・・あ、ここって・・・」
ツバキ「ったく、もう・・・・・・そう、ここはあの城よ。見ればわかるでしょ」
サクラ「でも、お城の前には川が!」
ツバキ「わかってる。それを今から見届けるところ」
金の髪の姫が両腕をあげると、水の流れが止まり始めた
サクラ「え!?水の上を、歩いてる・・・!」
ツバキ「・・・・・・なるほど、そういうこと。サクラ、急いで戻って小狼達に・・・」
グラ
ツバキ「サクラ?」
サクラ「・・・・・・だめ。今・・・眠っちゃ・・・」
ツバキ「サクラ!?起きてサクラ!サクラ!」
ガッ
ツバキ「!?」
後ろから、後頭部に衝撃が走った
ツバキ「うっ・・・っ・・・」
顔を見ようと必死で目を開けるが、次第に意識は遠退いていった
そして、眠ってしまったサクラに覆い被さるようにして倒れ、ツバキは完全に意識を手放した
コンコン
ファイ「サクラちゃーん。ツバキちゃーん。おはよー」
シーン
ファイ「寝ちゃってるのかな?」
右手で扉をノックし、左の掌にモコナを乗せているファイ
そして隣に立つ小狼は、返事のないことに首を傾げる
ファイ「サクラちゃーん、ツバキちゃーん。開けるよー」
だが、部屋の中には2人の姿はなかった
あるのは、開けっぱなしになっている窓の枠に引っ掛かっている毛布
そしてその窓から入り込んだ、白い雪だけ
モコナ「サクラとツバキ、いない!!」
「余所者達を出せ!」
カイル「待ってください!」
「また子供達が消えた!7人もだ!」
カイル「待ってください!その方達は、昨夜も外には出てらっしゃいません!」
「他の2人はどうした!?」
小狼「部屋にいないんです」
カイル「なんですって!?」
「いなくなったのに気付かなかったじゃないか!先生!」
カイル「まさか・・・サクラさんとツバキさんまで・・・」
「いいや!あの娘達が、子供達をどこかへ連れて行ったのかもしれない!金の髪の姫を見たなんて、有りもしないことを言って。伝説のせいにして、子供達をさらったんだろう!」
言いながら、自警団のリーダーらしき男は手にしている銃を、小狼へと向けた
ガッ
「うわっ!」
銃は小狼によって蹴り上げられ、それを黒鋼が手にする
リーダーの男を床にうつ伏せに倒し背中に乗ると、銃口を後頭部に押し付ける黒鋼
「「「「「!!」」」」」
黒鋼「
ファイ「ひゅー♪黒さま素敵すぎー」
「放せ!くそー!!」
小狼「おれ達は、子供達が消えたことには無関係です」
ファイ「って言ってもー、信じられないかなぁ」
「当たり前だ!子供達が見つかるまで、お前達が一番怪しいことに変わりはない!」
小狼「探します。子供達が何故、そして、何処へ消えたのか。それに、ツバキさんと、おれの大事なひとも」
ファイ「この窓から出ちゃったのかなぁ、サクラちゃんとツバキちゃん」
黒鋼「伝説みたいに、金の髪の姫とやらにさらわれたのか・・・それとも、子供達をつれていった誰かを見たか」
ファイ「小狼君は、本当に三百年前の伝説のお姫様が、子供をさらったと思ってるのー?」
小狼「まだどちらとも言えません。けど、カイル先生に聞いたんですが。この国には『魔法』や『秘術』を使える人間は、認知されていないようです」
ファイ「ここには魔力みたいなものを使える人間は、公然とは存在していない?」
小狼「この歴史書を見ていても、三百年前のエメロード姫のこと以外、それらしい不思議な現象も記されていません。もし本当にエメロード姫が、なんらかの方法で蘇って起こしている事件なら、この窓から視認できるくらいの距離に金の髪の姫が来て、モコナが何も感じないというのは・・・」
モコナ「モコナ、この世界に来てから何も感じない」
黒鋼「寝てただろう、お前は!!ぐーぐーと、夜は俺の腹の上で!」
モコナ「凄く強い力だったら目が覚めるもん!」
ファイ「家の鍵も壊されてない。子供達が騒いだ様子もない。それに不思議な力じゃないなら、サクラちゃんとツバキちゃんが見たっていう、お姫様は?」
小狼「・・・・・・」