御伽の国
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ファイ「手掛かりっぽいものはなかったねぇ。城には近づけなかったしー」
モコナ「強い力も感じなかった」
ファイ「サクラちゃんの羽根も不明かぁ」
サクラ「あ・・・」
ツバキ「ん?」
ファイ「あー。グロサムさんだー」
黒鋼「んな所で何してんだ?」
ファイ「あっち、何もないのにねぇ。お城くらいー?」
ツバキ〈不器用な人・・・〉
サクラ「・・・まだ、見つかってないのね」
町の人達が子供達を探し回っている様子を見て、心配そうに呟くサクラ
ツバキ「あ、あの医者・・・」
ふと、カイルの姿を視界に捉えたツバキ
カイル「お大事に」
小狼「往診ですか?」
カイル「ええ」
髪の長い女の子とその母親と別れたカイルは、こちらに駆け寄ってきた
カイル「今朝いなくなった子と仲が良かった子供達が随分、ショックを受けているので・・・・・・本は借りられましたか?」
小狼「はい。町長さんに」
カイル「貴方達が見たという姫のことでもいいんです。何かわかったら、どんな些細なことでも教えて下さい。子供達が、一日でも早く戻ってくるように」
ツバキ「・・・・・・」
黒鋼「おい」
ツバキ「ん?」
夕食を終え、部屋に戻ろうとした時
サクラに続いて部屋に入ろうとするツバキを、黒鋼が呼び止めた
ツバキ「なに?」
黒鋼「お前、あの医者のこと随分と嫌ってるようだな」
ツバキ「今それ聞くの?」
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ「・・・・・・ハァ・・・まあいいわ。ええ、嫌いよ。胡散臭いんだもん」
黒鋼「胡散臭い?」
ツバキ「普通なら、町の人達と同じ反応をするはず。でもあいつは真逆だった。冷静過ぎる。最初から・・・出逢った瞬間から嫌いだったわ、あの医者」
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ「お互い、気を付けた方がいいかも。目に見えているものだけが、目の前にあることだけが真実だとは、限らないんだから」
黒鋼「・・・・・・さっきも同じこと言ってたな。見えているものだけが、全てとは限らないって」
ツバキ「ええ、言ったわ。戻った記憶の中で、私、何度か言ってるみたい。たぶん口癖かな。両親の口からも聞いたみたいだから、うつったんじゃないかな」
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ「きっと、ここに私の蝶はいない。羽根の話は出てくるのに、蝶のことには一切触れてないから。だから私は、サクラと羽根のことに集中するわ。そっちは小狼のこと、よろしくね。じゃあ、おやすみ」
ひらひらと片手を振り、部屋の中へと入っていったツバキ
彼女が姿を消してからも、黒鋼は少しの間そこから動かなかった
軽くため息を吐き、ようやく部屋の中に入った
サクラ「・・・・・・冷たい」
ツバキ「・・・・・・ん?サクラ・・・まだ起きてたの?」
サクラ「あ、ごめんねツバキちゃん!起こしちゃった?」
ツバキ「ん~・・・半分」
サクラ「ご、ごめんなさい・・・」
ツバキ「それはいいんだけど、どうしたの?眠れない?」
サクラ「うん・・・」
ツバキ「・・・・・・ったく、自分も色々と大変なくせに」
サクラ「え?」
ツバキ「どうせ、子供達が心配だーとか言うんでしょ?」
サクラ「だって・・・いなくなった子供達、寒さで震えてるかもしれないし・・・姫を見たのはわたしとツバキちゃんだけだし、また何か起こるかもしれないと思って」
ツバキ「なら、私も起こしなさいよ。それくらい付き合うわ」
サクラ「え、いいの?」
ツバキ「勿論。ほら、私も入れてよ。一緒にくるまってた方が、まだ暖かいと思うよ?」
そう言ってベッドを降りてきたツバキ
一緒に毛布にくるまり、窓の外を見つめる
ボゥ
サクラ・ツバキ「「【はっ】金の髪の姫!!」」
すると、まるでその姫の元に集まるようにして、何人もの子供達が家から出てきた
サクラ「子供達が連れて行かれちゃう!!」
ツバキ〈あの子達、様子がおかしい・・・じゃあやっぱり・・・〉
自分の予想に確信を持ったツバキは、サクラに振り返る
ツバキ「サクラ!小狼達にこの事を!」
サクラ「う、うん!!でもツバキちゃんは!?」
ツバキ「見失う前に追っ掛ける!」
サクラ「えぇ!?」
言いながら窓枠に足を掛け、正面にある木を伝っておりようとするツバキ
サクラ「でも、ひとりじゃ危ないよ!」
ツバキ「だからサクラは伝言役!よろしく!」
サクラ「ツバキちゃん!!」