御伽の国
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ファイ「とりあえず、宿は確保できたねぇ」
黒鋼「よくも頭突きしやがったな」
モコナ「【みょーん】いやーん、怒りんぼー」
ツバキ「こら、モコナ伸ばさない!」
ファイ「ナイスフォローだったよー。銃持った町の人達に囲まれた時ー」
小狼「父さんと旅してる時にもあったので」
ファイ「でも、なかなか深刻な事情だねぇ。実際伝説の通りに、金の髪の姫君が関係してるのかは分からないけどねー。とにかく、今日はもう遅いしー。寝た方がいいみたいだねぇ」
ツバキ「サクラもアウトっぽいし」
ふらぁー
小狼「わっ」
サクラ「ん・・・」
ツバキ「あら、起きた?」
サクラ「ツバキさん・・・私、また急に寝ちゃったんだ」
モコナ「【むにゃむにゃ】そうなのー。黒鋼がびろーんってほっぺ引っ張ったのー」
ツバキ「あはは。仕方ないわよ」
サクラ「あう・・・・・・ツバキさんは、寝てないの?」
ツバキ「少しは寝たわ」
サクラ「でも・・・」
ツバキ「・・・・・・いいわ、正直に言う。少し寝たのは本当。でも眠れないのよ、私。“こういう日”はね」
そう言って、窓の外に目を向けたツバキ
釣られるようにしてサクラも目を向けると、外では雪が降っていた
白い、小さな雪が降っていた
サクラ「ツバキさん、“こういう日”って・・・?」
ツバキ「・・・・・・ねぇ、サクラ。折角なんだからさ、さん付けはやめない?」
サクラ「え?」
ツバキ「敬語じゃなくなったのにさん付けなんて、なんか変な感じするんだもの。呼び捨てで良いよ」
サクラ「え、えぇぇぇ!?そ、それはちょっと・・・」
ツバキ「ん~・・・じゃあ、せめてさん付けだけはやめない?ちゃん付けでもあだ名でも良いからさ」
サクラ「えっと、じゃあ・・・・・・ツバキちゃん・・・でも、いい?」
ツバキ「いいわよ、それで。っていうか、春香のとこではちゃん付けだったのに。どうしたのよ、急に」
サクラ「な、なんか改めて見ると、ちょっと・・・・・・ツバキ、ちゃんが・・・年上に見えたから。あの時は、その・・・・・・意識が、はっきりしてなくて・・・」
ツバキ「まあ実際、これでも年上なんだけどね」
サクラ「うっ・・・」
ツバキ「でもそんなの気にしなくても良いわよ。長い付き合いになりそうだし。折角の女の子同士なんだから、仲良くしましょうよ。ね?」
サクラ「・・・うん!」
ツバキ「よし!その笑顔、その笑顔!ん?」
フッ
ツバキ「!?」
サクラ「ツバキちゃん?どうかしたの?」
ふと窓の外に目を向けたツバキが、驚いた様子で固まった
質問の答えがないことに疑問を感じ、同じ場所を見ようとサクラも視線を移す
そこには、長い金色の髪をなびかせた女性が、黒い鳥に囲まれて立っていた
ツバキ「うそ、でしょ・・・?」
サクラ「金の髪のお姫様・・・!?」
朝、小狼が部屋で窓の外を覗いていると、ファイが後ろから同じように覗き込みに来た
ファイ「【にゅっ】積もったねぇ、雪」
黒鋼「【にゅっ】昨夜、随分冷え込んだしな」
ファイ「サクラちゃんは砂漠の国のお姫様だったから。雪、初めてかもねー」
ファイを先頭にして部屋から出ると、丁度モコナを手に乗せたサクラとツバキも部屋から出てきた
ファイ「サクラちゃん、ツバキちゃん。おはよー」
小狼「【ペコ】おはようございます」
黒鋼「おう」
サクラ「・・・おはようございます」
ツバキ「・・・・・・おはよう」
小狼「お二人とも、どうしました?」
サクラ「昨夜・・・見たんです」
ファイ「ん?」
サクラ「雪の中を・・・」
「子供がーーー!!」
叫び声のようなものを聞き、5人は外に飛び出す
「子供がどこにもいないんです!!」
小狼〈【ハッ】あの子か!?〉
母親である女性が持っている、黒い猫のようなぬいぐるみから、小狼は昨日見掛けた女の子ではないかと推測する
「ちゃんと鍵も掛かってたのに!!」
「壊されたのか!?」
「中から開いてるんです!!絶対に鍵は開けちゃいけないと教えてあるから、あの子の筈ないわ!やっぱり、金の髪の姫が子供達を・・・!」
サクラ「じゃあ、あれは夢じゃない?」
「あれってなんだ!?」
詰め寄って来た男とサクラの間にサッとツバキが入り込み、彼女を守ろうとする
だが更に小狼が入り込み、ツバキとサクラを庇う
ツバキ「随分と早い反応ね。ちょっち距離あったと思うんだけど。あんた地獄耳?」
「なんだと!?」
ツバキ「・・・・・・昨夜、私とサクラは、雪の中を金髪に白いドレスの女が、黒い鳥を連れ歩いて行くのを見たのよ」
「やっぱり、金の髪の姫が子供をさらって行くんだわ!」
「北の城の姫君だ!」
「姫の呪いだ!」
ツバキ「・・・・・・バッカじゃないの?」
「なに?」
ツバキ「もし、本当にそれが金の髪の姫君の仕業だとして・・・なんの目的があるのよ?こう言っちゃなんだけど、霊は人を殺しても、生かしたまま集めたりはしない。救うことはあってもね」
「余所者が・・・知った風な口を利くな!」
グロサム「いい加減にしないか!」
カイル「また子供がいなくなったんですか!?」
グロサム「昨夜、この余所者達は家から出なかっただろうな」
カイル「いつ急患が来ても良いように、私の部屋は入り口のすぐ隣です。誰かが出て行けば分かります」
町長「ここにいても仕方ない!さあ!子供達を探そう!!」
「【ギロッ】」
ファイ「わー。なんか睨まれたねぇ」
ツバキ「それ言ったら、グロサムさんとかいう人にも睨まれたわよ」
黒鋼「怪しまれてんだろ」
カイル「さあ、戻りましょう。朝食の準備が出来てます」
ファイ「大丈夫ー?黒んぷのナイフとフォークの使い方、独創的だからぁー」
黒鋼「うるせっ!お前こそ箸、使えねぇだろ」
ツバキ「要するに、どっちもどっちじゃない」