御伽の国
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モコナ「あれ!」
ツバキ「看板?」
ファイ「なんて書いてあるのかなぁ」
小狼「・・・『スピリット』。って読むんだと思います。前に、父さんに習った言葉と同じ読み方なら」
ファイ「読めるんだー」
サクラ「すごいね」
ツバキ「幽霊って何よ、幽霊って・・・」
サクラ「幽霊?」
ツバキ「そう。私の国では、スピリットは幽霊って意味の言葉だったはずだから」
サクラ「そうなんで、あ・・・そう、なの?」
ツバキ「ええ・・・・・・【ボソッ】厭な予感がするな、この国」
黒鋼「おい。はしゃいでる場合じゃねぇみたいだぞ」
ファイ「なんか」
バタン、バタン
ファイ「歓迎されてないって感じがビシバシするねぇ」
黒鋼「されてねぇだろ、実際」
町中を進んで行くと、玄関前でぬいぐるみを持って立っている女の子を見つけた
小狼「こんにちは。聞きたいことがあるんだ。この町の・・・」
その時、玄関が開き母親らしき女性が女の子を叱って中に入れる
「外に出ちゃダメって言ったでしょ!」と--
ファイ「あー。これはやっぱり、あの酒場で聞いた話のせいかなぁ」
ツバキ「これじゃあ、伝説を確かめたくても話すら出来ないじゃない」
小狼「せめて、金髪の姫がいたという城の場所だけでも、教えてもらえるといいんですが・・・」
ツバキ「ま、無理でしょうね」
お手上げだ、とでも言うように両肩をすくめるツバキ
その時、人の足音がいくつも聞こえてきたかと思えば、5人の前に男達が集まり銃を向けられる
「お前達、何者だ!?」
小狼「旅をしながら、各地の古い伝説や建物を調べているんです」
「そんなもの調べてどうする!」
小狼「本を書いてるんです」
「本?」
小狼「【しれっ】はい」
「お前みたいな子供が!?」
小狼「いえ、あの人が」
ファイ「そうなんですー」
ツバキ〈ノった!?〉
ファイ「で、その子がオレの妹でー。その子が助手でー。で、こっちが使用人」
黒鋼「誰が使用人・・・がっ!!」←いつの間にか服の中にいたモコナが背中に頭突き
ツバキ「プッ」
ファイ「で、この子がオレの彼女♪」
ツバキ「・・・・・・は?」
ファイ「【ニコニコ】」
ツバキ「だ、誰が彼女・・・!」
チュッ
ツバキ「【かあぁぁぁ】っ///!?」
ファイ「ひどいなぁ。恥ずかしいからって、彼女じゃないって言おうとするなんて」
ツバキ「なっ///なっ///なっ、なにゃあ!?」←頬にいきなりキスされて混乱中
顔を真っ赤にしているツバキの肩に顎を乗せ、意地悪そうな笑みを浮かべるファイ
小狼・サクラ「「/////」」←お子様陣も顔真っ赤
黒鋼「【ボソッ】あのヤロー」
彼だけは、少し面白くなさそうな顔をしている
黒鋼〈猿芝居にしてはやり過ぎだ〉
男「やめなさい!」
「先生・・・!」
男「旅の人にいきなり銃を向けるなんて!」
「しかし、今の大変な時期に余所者は・・・!!」
男「余所から来た方だからこそ、無礼は許されません!失礼しました、旅の方達。ようこそ『スピリット』へ」
ツバキ〈この人・・・〉
カイル「この町の医師、カイル=ロンダートと申します」
小狼「ありがとうございます。泊めて頂いて」
カイル「気にしないで下さい。ここは、元は宿屋だったので。部屋は余っていますから」
バン
男「どういうことだ、先生!こんな時に素性の知れない奴らを引き入れるなんて、正気か!」
老人「落ち着いて、グロサムさん」
グロサム「これが落ち着いていられるか!町長!!まだ誰も見つかっておらんと言うのに!」
カイル「だからこそです。この方達は、各地で伝説や伝承を調べてらっしゃるとか。今回の件、何か手掛かりになることをご存知かもしれません」
グロサム「どこの馬の骨とも分からん奴らが、何を知っていると言うんだ!」
カイル「この地で暮らす者では分からないことを」
グロサム「これ以上、何かあったあとでは遅いんだぞ!」
町長「グ・・・グロサムさん!と・・・とにかくその人達を、夜外に出さんようにな、先生!」
パタン
カイル「すみません。紹介も出来ないで」
ツバキ「今さっきの状況で、紹介も何もないわ。気にしないで。で、誰なの?あのおっさん達」
小狼〈【冷汗】ツバキさん・・・おっさん達って・・・〉
カイル「今のが、町長とグロサムさん。グロサムさんは、この町の殆どの土地の所有者です」
ファイ「大変な時にお邪魔してしまったみたいですねぇ」
ツバキ「隣町で聞いたわ。この『スピリット』の伝説とか」
カイル「私も、あれは良くある只の御伽話だと思うんですが。まさか、本当に子供達がいなくなってしまうとは・・・・・・手を尽くして探しているんですが、一人も見つからなくて。もう二十人になります」
サクラ「そんなに・・・」
黒鋼「俺達を見て警戒するワケだ」
カイル「さっき、グロサムさん達に言ったように。些細なことでもいいんです。子供達を探す糸口があれば、教えて下さい」