霧の国
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黒鋼「で。どこなんだ、ここは」
ツバキ「それがわかりゃ苦労ないわよ」
ファイ「おっきい湖だねぇ」
小狼「人の気配もないみたいですね」
ツバキ「おまけに、霧が深いから見通し最悪」
ファイ「モコナ、どう?サクラちゃんの羽根とツバキちゃんの蝶の気配するー?」
モコナ「強い力は感じる」
小狼「どこから感じる?」
モコナ「この中」
ツバキ「って、湖?」
黒鋼「潜って探せってのかよ」
ツバキ「それ以外にある?」
サクラ「待って。わたしが行きま・・・・・・・・す」
黒鋼「おっと」
ツバキ「あらら」
モコナ「サクラ、寝てるー」
ファイ「春香ちゃんの所で頑張ってずっと起きてたからねぇ。限界きちゃったんだねぇ」
ツバキ「ちょうどいいわ、二班に分けましょ」
というわけで、サクラと小狼は湖に残り、黒鋼とファイとツバキとモコナは辺りを探索するという二班に分けた
ファイ「霧、濃くなってきたねぇ」
黒鋼「うん、暗いね」
ファイ「かなり遠くまで来たけど、誰にも会わないねぇ。民家もないし」
黒鋼「こわいな、こわいな」
ファイ「大丈夫だよ、側にいるから」
黒鋼「黒鋼、うれしい♡」
ツバキ「ブフッ!」
黒鋼「【怒】誰が黒鋼だー!!お前はモコナだろ」
実は、今まで黒鋼として喋っていたのは、モコナだった
その会話内容に耐えられなくなったのか、ツバキがとうとう吹き出した
モコナ「黒鋼が怒ったー!お茶目なジョークなのにーん」
黒鋼「気色悪いことするな!!」
ツバキ「アッハハハハハ!もうだめ!無理!笑えるー!アハハハ!」
黒鋼「お前は爆笑してんじゃねぇ!」
ツバキ「だってさぁ・・・・・・プッ。ふふっ・・・アハハ!やっぱ無理だって!アハハハ!」
ファイ「でも、モコナ声マネ上手だねぇ。黒みゅうにそっくりだったよぉ」
モコナ「モコナ108の秘密技のひとつなの」
ファイ「後107つは?」
モコナ「な、い、しょ♡」
ファイ「モコナったら焦らし上手ー」
黒鋼「一生やってろ」
ツバキ「【呆】・・・・・・」
ファイ「あ。黒たん、ツバキちゃん待ってー」
モコナ「待ってー」
カッ
黒鋼「なんだ!?」
ツバキ「あの光・・・・・・湖の方からみたい。一度戻りましょう」
走り出そうと一歩を踏み出したツバキだったが、一瞬だけ意識が途切れる
膝がカクッと折れると意識が浮上したが、すでにバランスを崩していた
黒鋼とファイがそれを見逃すはずはなく、一番近くにいた黒鋼が腕を掴んで引っ張った
ツバキ「ご、ごめん。ありがとう」
ファイ「ツバキちゃん。ひょっとして、まだ眠い?」
ツバキ「だ、大丈夫!ただの貧血よ!」
黒鋼「・・・・・・」
ファイ「はいそれ、ウソだよね?」
ツバキ「え?」
ファイ「ツバキちゃん、たまに船漕いでたよ。本当はまだ眠いのに、無理して起きてるでしょ?」
ツバキ「・・・・・・」
ファイ「ツバキちゃんって、自分より他人を優先しちゃう子だよね」
ツバキ「え?」
ファイ「ツバキちゃんみたいな子は、そうやって自分のことは我慢しちゃうんだよ。だからせめて、我慢しなくてもいいところでは、我慢してほしくないなー」
ツバキ「・・・・・・」
ファイ「ツバキちゃんは、もっと他人に甘えてみても良いと思うよ?」
モコナ「モコナも、ツバキが無理して、我慢してるのはイヤなの」
ツバキ「・・・・・・私は・・・」
ファイ「ん?」
ツバキ「私は・・・・・・他人に容易に甘えるわけには・・・いかないの」
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ「そうやって、私が誰かに甘えて、助けを求めれば・・・・・・その人が傷つくだけだから。それを、思い出したから」
ファイ「ツバキちゃん・・・?」
ツバキ「・・・・・・なんてね。はい、この話はもうお終い!2人が心配だし、早く戻りましょう!」
さっきとは違い、明るく言うツバキが走り出す
黒鋼とファイはそんな彼女の背中を見つめてから、その背中を追い掛けるようにして走り出した