秘術の国
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ツバキ「秘妖!?」
秘妖「よくも私をこんな城に閉じこめてくれたな」
領主「ひっ」
秘妖「この
領主「い・・・いやだ!!」
ファイ「信用しても大丈夫そうだよー、その秘妖さん」
ツバキ「【にっこり】逝ってらっしゃい♪」
小狼「【冷汗】ツバキさん、漢字が・・・」
領主「やめろぉ!」
秘妖「安心しろ。秘妖の国で息子共々、最高の持て成しをしてやろう」
領主「いやだぁー!!」
秘妖「春香とやらはお前か」
春香「・・・そうだ」
秘妖「お前の母親は、良い秘術師だった。この領主の卑劣な罠によって亡きものとなったが。私との戦いで己を磨き、お前が成長して、そんな己以上の秘術師になることを楽しみにしていると言っていた。強くなれ。私と秘術で競えるほどな」
春香「・・・なる。絶対に!」
秘妖「さて。行く前に、お前は持ち主の所へ帰るが良い」
そう言った次の瞬間、領主の懐から深紅の蝶がふわりと出てきた
領主「ま、待てえええ!」
ひらり、ふわりと飛ぶ蝶は、ツバキの指先にとまる
秘妖「ではまたな。可愛い虫けらども」
領主「ひいいいいい!」
秘妖が現れた渦に呑まれ、領主はこの場から消え去った
そして羽根と蝶は、同時にサクラとツバキの中に戻った
パアァァァ
サクラ「どうして・・・誰もいないのに・・・」
眠りに付いたサクラを小狼が、ツバキをファイが抱き止めた
小狼「羽根、もうひとつ・・・取り戻せた」
春香「ありがとう。領主をやっつけてくれて」
小狼「おれは何もしてないよ」
春香「あの城の秘術が解けなかったら、ずっと領主には近付けなかった。だから小狼達のおかげだ」
小狼「いや、本当に、おれは何も・・・」
ファイ「こっちこそありがとぉ。春香ちゃんにもらった傷薬、良く効いたよー」
春香「母さんが作った薬なんだ。私にはまだ無理だけど、でも頑張って、母さんに恥じない秘術師になる」
サクラ「なれるわ。きっと」
春香「うん!ところで、ツバキは・・・まだ起きないのか?」
サクラから、ファイに横抱きにされているツバキへと視線を移す
そこには、まだ眠っているツバキがいた
ファイ「短い間に、蝶が2羽も戻ってきたからねー。まだ体がちゃんと対応しきれてないのかもー」
春香「そう、か・・・」
ファイ「ツバキちゃんに何か、言いたい事があったのかな?」
春香「ツバキにも、ちゃんとお礼を言いたいなって、思ったんだ。あの時、ツバキが領主に使ったヤツ・・・・・・あれ、かなりスッキリした。あと領主に言った言葉も」
ファイ「・・・・・・ツバキちゃんならきっと、自分が勝手にキレただけだからって、言うと思うな」
春香「でも、ツバキの言う通りだった。母さんも、同じこと言ってたのを思い出したんだ。だから私、頑張る!ツバキが言ったみたいに・・・母さんみたいな大人になれるように!」
ツバキ「春香・・・」
春香「ツバキ!起きたのか!?」
ツバキ「春香なら・・・絶対、大丈夫・・・・・・だから、頑張れ」
春香「ツバキ・・・うん!」
ファサァ
ツバキ「・・・?」
ファイ「あ、そろそろ行く?」
モコナ「行く」
春香「なんだ!?どこ行くんだ!?なんであれ、羽根が生えてるんだ?」
ツバキ「それらが分かれば苦労ないわね」
がばあっ
春香「まだ来たばかりなのに・・・!」
小狼「やらなければならないことがあるんだ。元気で」
シュルン
彼らが立ち去った後、本物の暗行御吏がやって来た
他の秘術師が町に入れないよう結界を作っていたらしい領主だが、それが消えた今、彼らも入ることができた
それが子供であることに、春香も驚いていたが・・・
その後の蓮姫がどんな町になったのかは、彼らのみが知るところだろう
ただ、新しい領主だけは決めなかった
春香「領主はいらない。みんなで決めたんだ。
さて、旅立った5人と1匹の今度の行き先はどんな世界で--
どんな困難が待ち受けているのか--?
「秘術の国」高麗国編、完