秘術の国
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春香「いやだ!!私も領主の所へ行く!」
ファイ「領主の城には秘術が施してあるしね。危険だよー」
春香「承知の上だ!一緒に行く!!」
ファイ「んー、困ったなぁ【ちらっ】」
モコナ「【ちら】」
黒鋼「【ふいっ】俺ぁ、ガキの説得はできねぇからな」
ファイ「照れ屋さんだからー?」
モコナ「テレ屋さんー♡」
黒鋼「【びきっ】」
ツバキ「【冷汗】ま、まあまあ」
春香「行って、領主を倒す!母さんのカタキをとるんだ!!」
ツバキ「--!」
春香「絶対、一緒に行くからな!いいだろ!?小狼!!」
小狼の両腕の袖を掴んでまで言い寄る春香
その彼女の目には、涙が溜まっている
春香の手を、小狼はスッと離す
小狼「だめです。ここで、サクラ姫と待っていて下さい」
春香「ツバキ!」
唯一、反対の言葉も賛成の言葉も言わないツバキ
ファイからも黒鋼からも小狼からも、了解の返事をもらえないとわかった春香は、ツバキに言葉を求めた
が、俯いたツバキは何も言わない
春香「ツバキ?」
ツバキ「・・・・・・」
パァン
黒鋼・ファイ「「!?」」
モコナ「痛そう」
小狼「ツバキ、さん・・・?」
春香「--?」
無言のままだったツバキが顔を上げた次の瞬間、乾いた音が鳴った
春香の左頬が少し赤くなっていたが、本人は何が起こったのかわからなかった
それは一瞬だけ
平手打ちされた左頬に手を当て、春香はツバキを見上げる
サクラにはツバキの表情が、悲しそうな、辛そうな・・・しかし怒りを感じさせるものに見えた
サクラ「ツバキちゃん・・・」
ツバキ「復讐は、新たな復讐の芽を育てるだけよ。耐えなきゃいけない時もある。だから--ここで待ってなさい」
クルリと背を向け、先に歩き出していた小狼を追い抜く
乾いた音を聞いて足を止めていた小狼が、先にツバキの後ろに続いた
さらにその後ろにファイと黒鋼が続く
サクラ「・・・・・・小狼くん・・・」
春香「・・・・・・わからない・・・わからないよ、ツバキの言ったこと。私が子供で、たいした秘術も使えなくて・・・足手まといだからか。だから、ツバキもよくわからないことを言ったのか・・・?」
サクラ「・・・・・・違うと思う」
ファイ「言えば良かったのにー。春香ちゃんを連れていかないのは、これ以上迷惑かけないためだって。オレ達みたいな余所者泊めて、一緒にいる所も見られてる。その上、連れだって城に乗り込んだら、領主を倒せなかった時に春香ちゃんがどんな目に遭うか、わからないもんね」
小狼「・・・・・・」
ファイ「ツバキちゃんも。あんなに強烈な平手打ち、しなくても良かったのに」
モコナ「ツバキの平手打ち、すごかった。春香、痛そうだったの」
ファイ「春香ちゃんのほっぺ、赤かったもんねー」
ツバキ「覚えてるの。なんとなく、だけど。昔、教えられた。復讐は、新たな復讐の芽を育てるだけ。他には何も生まない。なんの意味もない。それを、あの子にもわかってほしかっただけ」
黒鋼「・・・・・・」
ファイ「・・・・・・そっか。ちょっとでも、わかってくれてるといいね」
ツバキ「・・・うん」
黒鋼「とにかく、その領主とやらをやっちまやぁいいんだろ」
ツバキ「簡単な話が、そういうことよ」
ファイ「で。サクラちゃんの羽根が、本当に領主の手元にあれば・・・」
小狼「取り戻します」
ツバキ「で、とりあえず着いたけど・・・」
黒鋼「さっさと入ろうぜ」
ファイ「って、そのまま門開けてもだめ・・・」
ギギイッ
黒鋼「ああ!?」
モコナ「ふしぎふしぎー!お空が下にあるー♪」
ツバキ「ええっとー上が下で、下が上?」
ファイ「だから、この城は秘術で守られてるんだって。黒みん、せっかちさんだねー」
黒鋼「うるせー」
ツバキ「この門だけじゃないかも。多分、他の入り口もこんな感じね」
ファイ「そこで。次元の魔女さんにもらったモノの出番だよー」
黒鋼「どうやって使うんだよ、それ」
モコナ「投げてー!」
小狼・黒鋼「「え?」」
モコナ「出来るだけ遠くへ投げて!あのお城に届くくらい!!」
黒鋼「ああ!?」
ツバキ「遠っ!?っていうか、笑顔で平然と言うな!」
小狼「モコナ、これを遠くへなら・・・・・・」
モコナ「・・・・・・うん、それでも大丈夫!」
ファイ「なんの相談?」
すると小狼は、黒い玉を投げ・・・ではなく、蹴り飛ばした
##NAME1##「普通そこ蹴る?」
脱力したようにツッコミを入れたツバキだったが、なんとか秘術を破り中に入った
黒鋼「中に入ったはいいが、いつまで続いてんだよ。この回廊はよ。ずっと歩きっぱなしだぞ」
ファイ「真面目に歩いてるんだけど、どこにも着かないねぇ。扉もないし」
モコナ「黒鋼だらしなーい」←ファイの頭の上
黒鋼「おめぇはずっと頭の上で歩いてねぇだろ!!」
ツバキ「やられた」
小狼「どうかしましたか?」
ツバキ「元の場所に戻ってる。同じとこをぐるぐると回ってたのね、私達」
黒鋼「確かに似たような場所だが、引き返しちゃいねぇぞ」
ファイ「ぐるぐる回ってたって、どういうこと?」
ツバキ「これよ」
キンッ←親指で弾いた
ファイ「それ、阪神共和国でツバキちゃんが使ったやつだよね?」
モコナ「モコナ知ってるー!ゲームセンターにある、メダルゲームのコインだよね!」
ツバキ「ええ、レールガンで飛ばしたコインよ。これ、目印に回廊の入り口辺りに落としといたの。この手のトラップは、よくある定番物だから」
ファイ「ひゅー。ツバキちゃんすごいー」
黒鋼「今、口でひゅー言っただろ。吹いてなかっただろ」
ファイ「だって、口笛吹けないんだもーん」
ツバキ「だったらやるなっつの」