秘術の国
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ファイ「おかえりー。どうだった?黒たんと、ずっと言葉が通じてたってことは、あんまり遠くにいかなかったのかな。何か--・・・あったみたいだね」
黒と白の碁石のような物を使ったこの国のゲームを、黒鋼とファイがプレイしていた
目を覚ましたツバキは、2人の横でそれを食い入るようにして見ていた
が、帰ってきた小狼達の様子がおかしいことに気付き、盤上を見て唸っていた黒鋼と同じように見ていたツバキも顔を上げる
暗い様子の小狼
心配そうな顔をしているサクラとモコナ
顔を俯かせ、表情が見え難い春香
言葉はなくとも、彼らの様子を見れば何かあったのは・・・一目瞭然だった
ツバキ「また、領主の『風』か・・・」
黒鋼「しかし。そこまでやられて、なんで今の領主をやっちまわねぇんだ」
春香「やっつけようとした!何度も、何度も!でも領主には指一本触れられないんだ!領主が住んでいる城には秘術が施してあって、誰も近寄れない!」
ファイ「なるほどー。それがモコナの感じた不思議な力かー」
モコナ「【コクコク】不思議な力がいっぱいで、羽根の波動も蝶の波動も、良くわからないの」
ファイ「あの息子の方はどうなの?人質にとっちゃうとかさー」
小狼「えっ」
モコナ「ファイ、イカスー」
黒鋼「・・・お前、今さらっと黒いこと言ったな」
ファイ「ん?」
ツバキ「え、いいんじゃない?」
黒鋼「おい。なに、笑顔でさらっと言ってやがる・・・」
春香「だめだ!秘術で領主は蓮姫の町中を見張ってる!息子に何かしたら・・・!」
ファイ「昨日とか、今日の小狼君みたいに、秘術で攻撃されちゃうかー。一年前、急に強くなったって言ってたね。その領主。サクラちゃんの羽根に、関係ないかなぁ」
黒鋼「辻褄が合わねぇだろうが。記憶の羽根とやらが飛び散ったのは、つい最近の話だろ。小娘の蝶も」
ツバキ「・・・うん。でも昔、お母様から聞いたの。異次元・異世界では時間の流れも異なるって。だから、別にあり得ない話でもないわ」
小狼「確かめて来ます。その領主の元に、羽根があるのか」
サクラ「待って!小狼くん、怪我してるのに・・・」
小狼「平気です」
サクラ「でも・・・」
小狼「大丈夫です。羽根がもしあったら、取り戻して来ます」
サクラ「小狼くん・・・」
ツバキ「って、ちょっと待ちなさいよ。領主の秘術はどうするつもり?無策で乗り込めば、返り討ちにあうのがオチよ」
ファイ「そうだねー。せめて、城の入り口に掛かってる術だけでも破らないと」
黒鋼「お前ら、なんとか出来るのかよ」
ファイ・ツバキ「「無理」」
黒鋼「って、いかにも策あり気な顔で言うなー!!」
モコナ「侑子に聞いてみよう!」
ファイ「あの次元の魔女に?」
パアアアア
侑子[あらモコナ。どうしたの?]
春香「しゃべったーーー!」
ファイ「ほんとにモコナは便利だねー」
黒鋼「便利にも程があるだろ!」
侑子[なるほど。その秘術とやらを破って、城に入りたいと]
ファイ「そうなんですー」
侑子[・・・でも、あたしに頼まなくても、ファイは魔法使えるでしょう?]
ファイ「あなたに魔力の元、渡しちゃいましたしー」
侑子[あたしが対価として貰ったイレズミは、『魔力を抑えるための魔法の元』。あなたの魔力そのものではないわ]
ファイ「まあ。でも、あれがないと魔法は使わないって、決めてるんで」
黒鋼「あ?そういやぁ、お前も魔術師だとか言ってなかったか」
ツバキ「あ、えっと・・・」
侑子[ツバキ姫はいいのよ]
黒鋼「?」
侑子[今のツバキ姫には、魔術を使わせない方がいいわ。記憶も魔力も欠けている彼女が下手に魔術を使えば、何が起こるかわからないわよ]
黒鋼「・・・・・・」
ツバキ「あはは。なんか、ごめんね?」
ファイ「ツバキちゃんが気にすることないよー」
侑子[・・・いいわ。城の秘術が破れるモノを送りましょう。ただし、対価をもらうわよ]
小狼「おれに何か、渡せるものがあれば・・・」
ファイ「これでどうですかー?魔法具ですけど、使わないし」
そう言ってファイが手にしたのは、彼がいつも持っている杖だった
侑子[・・・・・・いいでしょう。モコナに渡して]
ファイ「いくよー」
モコナ「あーん」
大きく開かれたモコナの口へと、ファイの杖が飲み込まれていく
ずるずるずる
ごっくん
めきょっ
小狼「いいんですか」
ファイ「うん、いいんだー」
飲み込まれた杖と交換、というようにモコナの口から吐き出されたのは、黒い球体だった
小狼「これが、秘術を破るもの・・・」
ツバキ「とりあえず着替えちゃおっか、私達」
ファイ「それもそうだねー」
モコナ「ツバキ、ちょっと大人っぽいかも」
ツバキ「そう?ありがとう」
黒鋼「元々似たような格好じゃねぇか。ひらひらと動き難そうなもん着やがって」
ツバキ「どこが似てるのよ?制服のスカートは短いし。あの下は短パンはいてるから少し違うわよ。冬はタイツはいてるけど。あっちの方がまだ動きやすい」
ファイ「その服、似合ってるよー。色も似合ってるしねー」
ツバキ「薄紫?」
黒鋼「色なんてなんでもいいだろ」
ツバキ「似合うものと似合わないものくらいあるわよ」
黒鋼「俺は興味ないからな。第一、お前みたいなガキが服だの色だの気にしたところで、何も変わらねぇだろ?」
ツバキ「【ピクッ】・・・・・・ほほーう」
バチィッ
黒鋼「げ」
ファイ「わー、黒ぴっぴが地雷踏んだー」
モコナ「ツバキの地雷踏んだー!」
黒鋼「え、いや、おい。とりあえず落ち着け・・・って、なに構えてやがる!?」
ツバキ「レールガンですが何か?」
モコナ「ツバキ、ご立腹!こわーい!」
ファイ「レールガンってなぁに?」
ツバキ「金属の砲弾を音速の数倍、超高速で打ち出す兵器のことよ。本来は電源の関係でかなり大型になるらしいけど・・・私なら、ゲームセンターのコイン1枚あれば、50mは飛ばせるわ」
モコナ「すっごい!すっごーい!」
黒鋼「そんなもん人に向かって飛ばされてたまるかー!!」