はじまり
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パシャッ
アカネ「あ、いたいた」
水の中に両足を入れ、ぶらぶらさせている少女がひとり
ブレザーの冬制服は、アカネとお揃いの物だ
この国は例え王族であろうと、きちんと学校へと通わせる
そばには彼女のローファーと、黒いタイツが置いてある
アカネ「ツバキ姉様!」
ツバキ「ん?あ、アカネ。どーしたの?」
アカネ「どーしたの?じゃないよ。まーた暴れたんだって?」
ツバキ「人聞きの悪いこと言わないでよ。私はただ、私に向かってきたバカな男共を叩いただけよ」
アカネ「あそこら辺一帯の電化製品を全滅させといて・・・よく言うわよ」
振り向いた、自分にそっくりな少女に呆れる
いや、正確には、自分が彼女とそっくりなのだ
アメリス国の第一王女「ツバキ」
ツバキとアカネは、アメリス国の双子姫なのだ
アカネと比べると少し濃いめの紅い髪は、ツバキの方が短い
肩より少し下のミディアムヘアだ
瞳は同じで、大きなオレンジ色
アカネ「・・・・・・姉様・・・」
ツバキ「ん?」
アカネ「・・・・・・」
ツバキ「どうしたの?暗い顔して」
アカネ「・・・・・・私、姉様が大好きだし、姉様が一番大事だよ。例え何があっても」
ツバキ「アカネ・・・うん、私もだよ」
シャーーーン
ツバキ「!!」
アカネ「姉様?」
ツバキ「始まる・・・」
そう言った時のツバキの瞳は、どこか虚ろだった
彼女の背後から、薄い紅色に光る翼が現れる
フワアアア
アカネ「姉様!」
ツバキ「いいのよ、アカネ。対価はもう渡してある。あとは、運命に従うのみ・・・」
アカネ「・・・・・・わかった。でもやっぱり、私には姉様の全てを失わせることはできない」
フォン
アカネの足下に魔方陣が浮かび上がり、そこから光のツルが伸びる
バラ
シャーーーン
ヒュヒュン
アカネ「全部じゃなくてもいい、せめて・・・!」
アゲハ蝶の形をした、薄紅い光のそれがいくつも、四方八方に飛び散る
光のツルが何羽かのアゲハ蝶を捕まえ、ツバキの中に戻した
意識を失い、倒れるツバキの体をアカネが支える
フォン
新たなる魔方陣が浮かび上がり、ドロリとしたものが2人を包む
そして彼女達は、この場から姿を消した
全てを始めるため
全てを終わらせるため