神の宿る国
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笙悟「お前ら。手、出すなよ」
「「「FOWOOO!!」」」
小狼「夢で答えたように、おれは力が欲しい。さくらを守るために。一緒に戦ってくれるか」
まるでYESと答えるかのように、小狼の巧断は彼にすり寄った
ツバキ「お喋りタイムはお終い、来るわよ!」
小狼「すみません、ツバキ姫。巻き込んでしまって」
ツバキ「・・・・・・【にっ】なにを今更。それと、姫なんて付けなくていいわ。仲良くしましょ、先は長いんだから」
小狼「・・・はい!」
笙悟「READY!GO!!」
正義「危ない!」
バチッ
ツバキ「っ・・・!」
向かってきた土の塊や、石などの残骸を蹴り崩す小狼
その隣では、ツバキが電気で操った砂鉄を使って一掃していた
まるで中心にいるツバキが台風の目で、その場に小さな黒い砂鉄の台風でも発生したように見える
ファイ「かっこいー、2人共」
黒鋼「素直が取り柄のバカじゃあねぇようだ。お前がただのふざけたヤロウじゃねぇってのも、見抜いてたみたいだしな」
ファイ「うん。遺跡発掘が趣味の男の子ってだけじゃないね。まだ子供だけど、色々あったのかもね。彼にも」
黒鋼「あの小娘も、ただの一国の姫君ってわけじゃなさそうだな。あの身のこなし・・・」
ファイ「あの口調といい、よっぽどのわんぱくちゃんだったのかなー。なんにしても、彼女も戦い慣れてるね」
黒鋼「記憶が完全に戻ったわけじゃねぇんだろ?」
ファイ「彼女の体が・・・感覚が覚えてるのかも。体の方が無意識に動いてるんだよ。ツバキちゃんは驚くことも逆らうこともなく、ただそれに従ってるだけ」
黒鋼「死角からの攻撃にも反応がいいのは、それのおかげってわけか」
ファイ「あ、それは違うと思うよー」
黒鋼「あ?」
ファイ「どこまでが範囲なのかはわからないけど、一定の距離で磁場を作ってるんだよ。それが探知機の代わりをしてるみたいだねー。磁場の範囲らしき空間に入った瞬間、電気がパチッていってるから。ツバキちゃん、それで把握してるみたいだよ」
黒鋼「ほー」
ファイ「便利だよねー。遠距離で攻撃できるし、逆に電気系の攻撃は効かないだろうし。あ、停電の時とかも手伝ってもらえるよねー、色々と。それからー」
黒鋼「便利にも程があんだろ!」
ファイ「・・・・・・でも」
黒鋼「?」
ファイ「戦い慣れてるお姫様っていうのも、なかなかいないと思うなー。明るい性格みたいだけど、案外彼女は彼女で、色々あったのかもね」
黒鋼「・・・・・・」
小狼「モコナ!羽根の波動は!?」
モコナ「感じるけど、まだ誰か分からない!」
小狼〈もっと波動が強くならないと駄目なのか!?羽根を取り込んでるのがあの巧断なのかは分からない。けど強い巧断には間違いない。確かめないと!さくらの羽根は、近くにある!!〉
ガガガガガ
ドン
プリメーラ「笙悟君!」
笙悟「すげー。ここまで吹っ飛んだの初めてだぜ、俺」
プリメーラ「笙悟君ー!」
笙悟「だーいじょうぶだから叫ぶなって!」
プリメーラ「し・・・心配してないもーん!」
ツバキ「余所見は厳禁!」
笙悟「!?」
バチィ
笙悟「っと。危ねぇ、危ねぇ」
ツバキ「ちぇ」
笙悟「まじで強いな、シャオラン。ツバキ。巧断は心で操るもの。なんでそんなに強いんだろうな」
小狼「やらなきゃならないことがあるんです」
笙悟「なるほど」
ツバキ「全部を思い出せたわけじゃないけど、何かをやらなくちゃいけないってことだけはわかる。一度こうと決めたら、簡単に曲げたくない。諦めたくない。自分の選んだモノを信じられなくなるから」
小狼「ツバキ、さん・・・?」
黒鋼・ファイ「「・・・・・・」」
笙悟「・・・・・・」
ツバキ「自分の信じるままに、進んでいくために。そのために私は、強くある必要がある。それとね」
笙悟「?」
ツバキ「私、生まれつきかなりの負けず嫌いなのよ」
クスリと、可笑しそうに笑って言ったツバキ
その表情はまるで、悪戯を思い付いた子供のようなものだった
笙悟「・・・・・・ははっ・・・はははっ!なるほどな。面白い
彼女の心の強さを目で、耳で実感させられた気分だった
そう感じたのは、何も浅黄笙悟だけではない
真剣な顔で、強い眼差しを向けて語ったツバキだったが、その後のあの表情にはギャップを感じた
あの真剣な顔や強い眼差しを見せられたあとでの、あの悪戯を思い付いた子供のような表情・・・
ギャップを感じない方が無理な話だった
思わず呆然としてしまった笙悟だったが、最後の単純な理由を聞いて笑い出す
複雑な理由を持っているのに、単純な理由をも口にしてしまう
そんな所になぜか、浅黄笙悟はツバキに対して面白さを感じた