デュエル・オブ・フォーチュンカップ編




龍亞「えぇ!?あのお姉ちゃん、いなくなっちゃったの!?」

デュエル・オブ・フォーチュンカップというデュエル大会が、海馬コーポレーションから招待状を受け取ったデュエリスト達が集められて行われる

妹の龍可が招待状を受け取ったのだが、これを拒否した彼女の代わりに龍亞が出場する事に

双子である事を活かし、見た目は龍可と同じ髪型にして服も借りた

それがバレないよう、龍可本人は上着と帽子で隠して応援に来ている

サテライトからシティに不法侵入したとして留置所にいた際、遊星が知り合った氷室、矢薙

龍亞と龍可の友人であり、ダイモンエリアにも来ていた早野天兵

彼らも応援に来ていた

合流した遊星から彼女--リーシャ・マテリアルについて龍亞が訪ねると、今朝いなくなっていた事を伝えられたのだ

龍可「ダイモンエリアで助けたって言ってた人?」

龍亞「あ、うん。すんごいキレーな銀髪で、美人な人だったんだけどさ・・・ねぇ遊星、本当にいなくなっちゃったの?」

遊星「ああ。世話になった、というメモだけがあった」

矢薙「あんな美人、勿体ない!ワシも挨拶したかったんだけどなぁ」

氷室「しかし、妙な子だったな。なんとなくで、ひとりでダイモンエリアまで来てたんだろ?おまけに自分と会った事があるか聞いてくるなんてなぁ・・・ナンパか?」

遊星「いや、彼女は本気だった。特定の場所に住んでいないのも、空のロケットペンダントを大事そうに持っていたのも、何か理由があったのかもしれない」

龍亞「おれ、今度またあのお姉ちゃんに会ったら力になりたいな」

龍可「出た、龍亞の“力になりたい病”」

龍亞「だってさ、もし本当にあのお姉ちゃんが困ってんのなら、おれ力になりたいんだよ!」

龍可「はいはい、本当に困ってたらね。それよりも、わたしそんなんじゃない」

龍亞「まあまあまあまあ!ちゃんとやるから安心しろって。じゃあ遊星、行きましょうか?」

遊星「ああ。龍亞、化粧はやめた方がいい」

龍亞「あ〜、やっぱり?」

そんな会話を耳にしつつ、選手控え室に向かう2人を見送る一同

いよいよ、フォーチュンカップが始まる

トーナメント戦を勝ち抜き、優勝した者はキングであるジャック・アトラスに挑戦する事ができる

龍可もとい龍亞は、1回戦でボマーという選手と戦う事に

彼は開会式の時、頬に罪人の証であるマーカーを持つ遊星に野次が飛ばされたのだが、それを庇った人物だった

マーカーがあろうとなかろうと、同じ条件で選ばれた、同じデュエリストであると

1回戦の結果は、ボマーが勝利した

その後の試合で、選手のひとりである十六夜アキが、ダイモンエリアに現れる“黒薔薇の魔女”である事が判明

試合は、彼女の勝利で終わった

さらに遊星の試合は、対戦相手が入れ替わるというトラブルがあったものの、無事に彼が勝利した

ちょうどこの時、スタジアムにやって来た少女がいた

遊星の前から姿を消した、リーシャ・マテリアルだ

長い銀髪を揺らし、スタジアムの中央に視線を向ける

そこには、突如決まった敗者復活戦に選ばれた龍可がいた

観客席にいた彼女に、直接スポットライトが当てられてしまったのだ

出ないわけにはいかなかった

デュエルモンスターズの精霊の声を聞く事ができる龍可は、それだけで体力を消耗してしまう

それもあってか、あまりデュエルをやりたがらないのだ

対戦相手は、デュエルプロフェッサーのフランクという男

この男は、レクス・ゴドウィンが差し向けた刺客だ

レクス・ゴドウィンはこの敗者復活戦で、龍可がシグナーである事を確かめると同時に、デュエルモンスターズの精霊世界に誘おうとしていた

レクス「ん?」

上から見ていたレクスは、ふと客席にある銀色に気付いた

レクス「“姫巫女”」

ジャック「?」

彼の呟きを耳にしたジャック

だが問い正そうにも、レクスは席を立ってしまう

イェーガー「長官、どちらへ?」

レクス「少し席を外します」

その頃、精霊世界へと辿り着いた龍可は、現実世界ではぼうっとした様子でデュエルを続行していた

それを客席の陰から見ていたリーシャの胸元が赤く光り、意識を失った彼女の体が崩れ落ちた










『龍可・・・龍可・・・さあ、こっちに来て。約束を・・・』

龍可「知らない」

『デュエルモンスターズの精霊の世界を、護ってくれると』

龍可「そんな約束してない!」

デュエルモンスターズの精霊世界へとやって来た龍可は、自分に語りかけてくるその声に恐怖心を抱いていた

そんな彼女の目の前に、フランクが現実世界で召喚した超魔神イドが現れる

龍可「だめ!サンライト・ユニコーン!」

怯えて後ずさる龍可の後ろから、“一角獣のホーン”を装備したサンライト・ユニコーンが駆け出す

イドを倒す事はできたが、フィールド魔法“古の森”の効果でサンライト・ユニコーンも破壊されてしまう

この森では、争い事は許されない

魔法マジックカード“救急救命”により、サンライト・ユニコーンは復活

破壊されるはずだった“一角獣のホーン”は、そのカード効果によりデッキの一番上へ

さらにサンライト・ユニコーンのモンスター効果により、デッキの一番上が魔法マジックカードだった場合、手札に加える事ができる

これにより、“一角獣のホーン”をサンライト・ユニコーンに再装備

精霊世界にも、サンライト・ユニコーンが戻って来る

そして、破壊されても戻って来るイドも再来

龍可「そう・・・あの化け物は、破壊されてもまた蘇ってくる・・・!」

「サンライト・ユニコーン!」

どこかから聞こえてきた声に、サンライト・ユニコーンと龍可が反応する

長い銀髪を揺らし、こちらに走って来る少女がいた

龍可「え!?あ、あの!」

少女は龍可の手を掴むと、屈んでいたサンライト・ユニコーンに跨った

「クリボン!」

それからクリボンを呼ぶと、前にいる龍可に託した

「行って!」

声に反応したサンライト・ユニコーンが、駆け出した

龍可「あ、あなたは?」

リーシャ「初めまして、龍可さん。私はリーシャ、リーシャ・マテリアル」

龍可「リーシャ、さん・・・?龍亞と遊星が言ってた人・・・?」

リーシャ「遊星さんの名前が出てくるのなら、そのリーシャで合っています。とはいえ、ここでの事を現実の私は覚えていないでしょうけど。私はリーシャであって、リーシャではない・・・そんな曖昧な存在ですから」

龍可「え?」


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