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あなたのところへ



夜、ふらっと散歩した。
任務にもよるが時々昼夜逆転することもあり、夜が眠りづらくなる時がある。
そんな時、夜の風にあたりたくなって、とぼとぼと何気なく歩いていた。

気付けばサスケくんを初めて止めた場所に向かっていた。無意識なのか意識的なのかは自分でも分からない。
その場所に着いて、すっと目を閉じる。
あの日の事が蘇る。
あの日、私はただただ泣いて叫んでサスケくんに行かないように懇願した。
だけど…。



ーーーお前、うざいよーーー



確かサスケくんにそう言われたっけ。
苦しい思い出は時を経て、とても懐かしい記憶に変わっていた。
目を開け、隣のベンチに座った。


あの頃、なにもかも必死だったなぁ。
サスケくんが好きすぎて、大きくなりすぎて、私は。
なんで今もこんな心の大部分を占めているんだろう。
あぁ、きっと、彼に言われたからだ。




ーーーサクラ、ありがとうーーー



行く前に彼はそう言った。その一言がずっとずっと忘れられなくて、もしかしたら彼は自分を止めてくれる人を待っているんじゃないかって。
そう、思ってた。

でもきっとそうだったのだろう。
そしてその役目はナルトにしか出来なかった。


「会いたいなぁ…」


会えば、話が出来ればまた自分の気持ちに整理もできるかもしれないのに。
そうポツリと呟くと、後ろから声がした。


「誰に?」
「っひ!!」


心臓が止まりそうになるのはこういうことかと私は急いで後ろを見た。



「先生!ほんと気配消して突然現れるのほんとに止めて下さいっ!ほんとに!」
「びっくりさせようかと思って」
「びっくりしたわ!!思惑通りよ!!」


胸に手を当てて、深呼吸する。あぁ怖かった…。


「サクラ、こんな真夜中に女の子がうろついてると危ないぞ、背後から襲われたりしたらどうするの」
「今この状況で言われるとなかなか説得力ありますね。…ってゆーか!カカシ先生こそ何してるんですか?仕事は?」
「俺、五代目より要領だけはいいんだ。シカマルもいるしね」


あ、そうと苦笑いを返した。先生はいそいそと私の隣に座る。



「まーた眠れないのか?」
「今日はそんなんじゃないです。明け方に任務が終わって、シャワーだけ済まして寝たらこんな時間に目が覚めたんですよーだ」
「そっか」
「はい。…カカシ先生他人の心配ばかりしてたらそのうち禿げますよ」
「言うようになったね。昔はもっと可愛気があったのにな…」


カカシ先生かボヤいている。隣で私はそりゃそうよ、と心の中で呟いていた。
大人になってしまった、私も、サスケくんも。


「誰のこと考えてるの?」
「誰って…」


それは…と私は尻すぼみした。この間カカシ先生と関係をもってしまって、なんとなくサスケくんの名前を口に出すのはためらわれた。


「まぁ、聞かなくても分かるけど」


先生は私の方を見ずにそう言った。
なんとなく気まずくなって、私達は黙り込んでいた。


「………」
「………」
「……何か言ってよ」
「…何かって何を?」


先に沈黙を破ってしまったのは私だった。


「え、そりゃ、なんか思ってることとか…」
「思ってることかぁ。……」


んー、と先生は顎に手をやった。そうだなぁ、と続けた。



「サクラの頭の中はサスケのことしかないのかなぁって」
「……」
「…嫉妬で気が狂いそうだな、って」



私は慌てて先生を見た。でも先生は疲れているのかそうでないのかよくわからないが、いつもの半開きのような目で遠くを見ながらぼーっとしたような表情だった。
私は先生をキッと睨む。


「……ぜんっぜんそんな風には見えないんだけど!」


まだ前回、先生に俺にしろとか言われた時のほうが表情が真剣だった。
前回とあまりにも表情が違いすぎて、一瞬からかわれてたんじゃないのかと思うぐらいに。


「はは、サクラ」


穏やかに笑う先生の手が私の手に伸びてきた。
私はまた身体を強張らせてしまった。


「俺、本心ってゆーの?そんなのがあんまり表に出せないんだよね」
「そんなことない、この間出してたわよ先生」
「あれはお前が倒れるぐらい思いつめてたからだよ。今はそうじゃないでしょ」
「……」


先生が指で私の手をなぞる。全神経がそれに集中してしまった。


「カカシ、先生…」
「サスケのこと忘れろ、なーんて言えないよ俺は。でも」
「でも?」
「サクラの頭の中にほんの少し、俺が居れば」


つつつ、と先生の手が私の顎に伸び、そして私の唇をなぞった。
先生はマスクを外して、私を見た。


「……俺はそれで満足なのかもな」


先生、と言いかけた所で先生の唇が近づいてきた。
私は目を閉じて先生のされるがままにされていた。
何回も口付けしていると、身体の芯が疼いてきた。


「ん、…」


頭がまた思考停止して、ただその心地良さに酔っているようだった。


「…サクラ?」
「?」
「俺はお前が好きだよ」


目を開けて先生を見る。先生の目を見ただけではその気持ちが本当かどうか分からない。


「でも、ま、ナルトもそうだが、サスケも可愛いんだ、俺は」
「…」
「だから、もしもサスケとサクラが両思いなら喜んで身を引くさ」


にこ、と先生が笑う。


「……な、」


なによ、それ。
なによそれ。
頭の中が混乱する。
私の事好きだって言うくせにいつでも身を引くと言うの?
しかし私は何も言えなかった。
カカシ先生にそんなことを言わせている張本人が私だと気付いたからだ。
だから。



「…そう」



その一言返して、私は先生の顔が見れなくなり俯いた。
真夜中に、闇がもっと深くなった気がした。
結局、私のそばに誰も居てくれないんじゃないかってそんなことを考えてしまった。



「サクラ、何で泣くの?」
「…っ」
「泣き虫なところ、変わってないね」



私はどうしていいかわからず、先生に私を求めて欲しくて、「先生、抱いて」と思わず口に出してしまった。
お願い、とも言った。
先生は一瞬驚いた様な顔をしたが、分かったよ、と言って私の手を引っ張る。
泣きじゃくる私を先生の家まで連れて行ってくれて、ベッドに運んでくれた。



「先生、抱いて…」
「泣き止んだらね」
「子ども扱いしないで…っ」
「してないよ」


頭を撫でながら飄々と答える先生に、先程には無かった怒りがふつふつと湧き上がった。
喜んで身を引くさ、なんてそんなことを言うぐらいなら初めから私に手なんか出さなきゃいいのだ。少し心が通じ合ったかもしれないと思うと、いつでも離れますよ、みたいなそんな、そんな、、。
私は再び先生をきっと睨む。


「…欲しがったくせに」
「え?」
「本当は私の事欲しくて欲しくて仕方ないくせに、この間欲しがったくせに、大人ぶって何もかも受け入れるよ、みたいなそんな素振りっ!」



しないでよ!と言っててまた泣けてきた。 大好きな人も、大好きになってくれた人も私から離れてく。なんで、なんで!
うっうっと嗚咽が込み上げてもう何も喋れない。
先生は両手で私の頬に触れ、顔を持ち上げられる。



「悪かった」
「ぅっうぅっ」
「だから俺はダメなんだ。大事な人ができればできるほど遠ざけてしまうんだ」
「うっうっ臆病ものぉっ…」
「そうだな」


そのまま先生の唇が落ちてきた。そのままベッドに押し倒される。
先生が親指で涙を拭ってくれた。
とても優しい手付きだった。
そして、再び先生の手が私の身体をなぞる。


「ぁ、先生…」
「どうした?」
「優しくしなくていいから…んっ…」
「…それはやだ」
「ゃ、優しく…しないで…っ」
「なんで?」


なんでって、それは、それは…。


「ひどく、…酷くされたいの」
「…だから、なんで?」
「私が、先生しか、考えられないぐらい、ひど…く」


悪い子になったなぁ、と先生は呟く。上目遣いに先生を見やる。何も考えを悟らせない男の顔した先生がいた。



「俺は女の子に酷く、それこそ無理やりやるような男のじゃあない。そんな男になりたくもないしね」 
「……」
「でも、俺のことしか考えられないってのは賛成だな」
「…ん、」


先生の指が胸を、太腿を、弄る。


「俺が今からどんな風にお前を抱くか、ちゃんと覚えててね」


優しく触れたり、かと思えば時々甘噛みされたり、でも欲しいとこにはなかなか触れてくれない。
じわじわと溶かされるようなそんな感覚だった。


「は…、せん、んっ…」
「なーに?」
「ん、ん、あぁっ!」

急に先生の指が秘部に触れる。ぐちぐちと水音が聞こえて、恥ずかしくなった。

「あ、あ、あっ」

散々焦らされた分、すぐに達してしまいそうだった、のに、指を抜かれた。


「まだ、ダーメ」
「ふ、ゃあ…ん」


そのまましつこいぐらい口付けをされた。口内を犯されて、下もゆっくり触れて、また指を入れられる。


「ぁ、あ、あっ…」
「もうぐちゃぐちゃ、サクラのココ」
「や、だ、ぁ…っ」


そしてまた指を抜かれる。それの繰り返しだった。
生き地獄だと思った。
こんなふうにされたら、あ、頭が、おかしく、なり、そう。


だんだん自分がただの獣になってしまいそうだった。残るほんの少しの理性が私を留めている。



「…なぁサクラ?」
「は、…はぁ、…ぁ」
「俺が欲しい?」
「ん、ん、ふ、ぁ」
「ちゃんと言って?俺が欲しいって」


そろそろ限界そうだし、と先生は加える。
またぐちぐちと秘部を弄ぶ。
まるで先生に操られてるかのように私の口は答える。


「…ほ、欲し…先、生」
「ダメ、ちゃんと言わなきゃ」
「っ…先生、が、欲しい…っ」
「うん、どこに?」


またカァと顔が赤くなる。
わかってはいる。でもそれを口に出すのはとても躊躇われた。


「い、言えな、…っ」
「言えないの?言わなきゃ分かんないよ」
「…うそ、…分かってるじゃない…っ」
「言えないなら触ってみて、どこに欲しいの?サクラ…」


私は恥ずかしくて死にそうだったが、身体もどうしようもなく限界だった。
意地悪な先生が、欲しくて堪らなかった。
おそるおそる自分の秘部に触れた。そこはもうはずかしいぐらい濡れていた。


「……、ココに、…先生の」
「入れてほしいの?」


早くこの意地悪が終わって欲しくてコクコク頷いた。


「うん、良く出来ました」


にこっと先生が言う。
そしてそのまま私と先生は繋がる。
その後もなかなかイかせてはくれず、二人同時に達する時にはもう日の出が見えていた。


はぁはぁと大きく呼吸をする私を先生がぎゅーと抱きしめてくる。

「俺のことしか考えられなかったでしょ?」
「そーね、…先生が、こんなねちっこい性格とは知らなかったわ…」
「やだなぁ。俺の愛が伝わったとか言ってよ」



しゃーなろーと言う体力もない私はそのまま先生の腕の中で眠りにつこうとしていた。


「サクラは明日…休み?」
「…そうですよ、火影様…」


じゃあこのまま俺の部屋で休んでて、と先生が頭を撫でてくれた。
その心地良さのまま私は目を閉じた。
朝焼けが窓から覗き込んでくる。



先生、あのね、私、先生のこと…。







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