不穏な中忍試験
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「これ…」
シスイ先生から紙を受けとる。
「中忍選抜試験の志願書だ。みんな実力があるから推薦してきた」
「やったぁ!」
私達は大名の娘の護衛を無事に遂げたということで、あれからぼちぼち忍らしい任務をこなしている。
だけど、マダラ達がいるとすぐに任務が終わるし、正直もっと難しい任務をこなしてみたかったのだ。
だから、中忍になるのは願ってもないチャンス。
「これでやっと、ガキみたいな任務ともおさらばってわけだな!」
「合格すればね。だが、中忍試験は強者ばかりだ。受験するかどうかはみんなに任せる」
「もちろん受けます!!」
「俺もだ!」
「…」
マダラは紙を見ている。
「それじゃ志願書をもって、5日後の午後3時までに学校の301号室にくること」
「それと、受験する際の約束だ。中忍試験では、マダラは写輪眼と木遁を使わない。タグラは人中力だとばれないように」
「言われなくてもわかってるっての!」
ダダダッ!
「ったく…」
「うぉぉっ!」
私たちは今、全力で走っている。
「間に合いますようにーっ!」
よし、3階!
確か、この突き当たりに…。
「あ!」
「シスイ先生!それにカカシ先生も!」
アカデミーの301号室の前には、シスイ先生とカカシ先生がいた。
「よっ」
カカシ先生は、こちらを見ると微笑んだ。
「どうしてここに?」
「試験前に少し励ましたくてね!だけど、時間ギリギリだし手短に言う。しの…」
「忍なら、裏の裏を読むべし」
「…カカシ先生、いいとこ取らないでくださいよ」
「いやー。俺の班にももう一度伝えときゃよかったかもなって」
「裏の裏って表じゃねぇかよ」
タグラはそんな突っ込みを入れる。
「ま、忍ならどんな時でも意図を考えろってことさ」
「なるほど」
「それじゃあ…俺は…」
私達はその言葉を待つ。
「…いや、みんな強いんだ。今更言うことなんてないな!」
「なんだよ!だったら早くどけっての!」
「そうだな!頑張ってこい!」
私はシスイ先生の言葉に大きく頷いた。
「行ってきます!」
バタッ!!
「次は砂漠のがあ…」
「…ギリギリセーフ!…あ、みんな!」
目の前には、同期メンバーが揃っている。
「ユヅキ!」
「やっと来たわね!」
「やっほー、サクラ、イノ!!」
奥には大勢の受験者が見える。
なんだか年齢層が高い。
「マダラにタグラも!お前たち、遅せぇーってばよ!!」
「あはは…色々あってね」
「マダラにタグラ…」
銀色の髪の男性が屈んだまま、こちらを見てきた。
この人、誰だろう。
「チビの捜索に時間がかかったからな」
「んだとっ!?シラコ!」
「まぁまぁ!タグラが学校の場所知らないの忘れてて、タグラを探しに里中を回っていたらこんな時間になってたの」
「君は千手ユヅキ君だね」
銀髪の男性はこちらを見て声をかけてきた。
「え?…お会いしたことありましたか?」
「いや、ないよ。だけど僕はこの試験のために情報を集めていたからね」
「そうなんですか」
「ふふ、僕にはあんまり興味がなさそうだね。だけど名乗っておくよ、僕は薬師カブトだ。以後お見知りおきを」
「こちらこそ」
どんな人かはよくわからないけど、悪い人ではなさそうだ。
「お前たちはこいつのことを知ってるのか?」
マダラはナルト達を見た。
「今さっき会ったんだってばよ!カブトは、変なカードで俺たちに情報をくれてたんだ!」
「ナルト君。忍識カードね」
「そう!それだってばよ!」
「胡散臭そうなおっさんだけどな」
タグラは怪訝そうにカブトを見ている。
「おっさんか…僕はまだ19なんだけど…」
「んなことどうでもいいけどよ、そのカードの情報ってなんだ?」
「…タグラ」
タグラって無意識なんだろうけど、何気にひどいことを言うよね。
「えっとね、例えば今教えていたのは砂の我愛羅のことだ」
「ガアラ?」
カードに写真も載っている。
赤い髪に、クマが深い鋭い目が印象的だ。
スリーマンセルは、テマリにカンクロウ。
確かにこのカード、すごい。
「ほら、こんな感じで彼がこなした任務情報とかを集めてる。彼はBランクの任務ばかりな上、任務後も毎回無傷だったらしいから、実力は相当だね」
「へぇー!そいつと手合わせしてみてぇーな!」
「…タグラ、大声で余計なこと言わないでね」
「ふふ、今年は元気な子ばかりなようだ」
「こいつはただのバカだ」
「あ!?黙れ!シラコ!!」
「カブトさん!話を続けて!!」
「えっと…この忍識カードを集め始めたのは4年前からなんだ」
「だからなんだってんだ?」
「それなのに君たちのことを知ったのは最近でね。まだ君たちのことはよくわかってない」
「そりゃ、俺は最近来たし、マダラだってずっと長期任務だったんだ。当たり前だろ」
「フフ…そうだね。でも、この試験を通じてぜひ君たちについて知りたいものだと思ってね」
「手段と目的が入れ替わってるな」
「…目的が複数ってだけさ」
スッ
カブトさんはもう一枚カードを取り出した。
今度は忍界の地図が載っている。
「木の葉、砂、雨、草、滝、音。今年もそれぞれの隠れ里からたくさんの優秀な下忍が集まってる。まぁ、音隠れの里に至っては近年誕生したばかり小国の里なので情報はあまりないが」
カブトさんは、カードを手の山札に戻した。
「いずれにしても皆凄腕ばかりの隠れ里だ」
「なんか…自信なくなってきましたね…」
「何言ってんのよ、今さら!」
「つまり、ここに集まった受験者はみんな…」
ヒナタ、イノ、サクラは続けて言葉を発した。
「リーや我愛羅だけでなく、各国から集まった選りすぐりのエリートばかりだ」
「…」
みんな不安そうな顔で黙っている。
確かにそんなこと言われたら緊張するけど…。
「だーらぁーっ!!!」
ナルトは、突然大声をあげると試験会場にいる大勢の方を向いた。
「ナルト!?」
「俺はうずまきナルトだーっ!てめぇーらには負けねぇぞっ!!わかったかっ!!」
……
大勢の受験生の目がこちらに向いた。
みんな睨むような目付きだ。
「ねぇー!?なんなのそいつー!?」
イノは、サクラに食いかかった。
「…」
サクラはプルプルしてる。
「みんなを挑発してどうすんのよっ~!?」
「あたしに言うなーっ!」
「あんたに言わずに誰に言うっ!」
「まぁまぁ、落ち着いて!」
仲裁に入っても二人はまだ睨みあっている。
マダラとタグラみたいだなぁ…。
この二人は同じ班じゃないからいいけどね…はぁ…。
「ったくもー!!何言ってんのよ、アンタッ!!」
「…っ!!ちょ、ちょっとだけじこしょ…っぐっ~!!」
サクラはナルトの首をしめながら、ガミガミ怒ってる。
まぁ、試験で何が試されるかわからない以上、目立たないに越したことはないもんね。
「し…しぬってば…」
シュッ
「…!!」
クナイ!?
カブトさんの方に!!
「ぐっ…」
カブトさんはクナイを避けた。
「カブトさんっ!」
シャッ
クナイを投げた男とは別の男が、カブトさんに殴りかかった。
「くっ…」
カブトさんはそれを当たる寸前で躱したが…
パリンッ
「…っ!」
「メガネが割れた!?」
「…なるほど…こういう攻撃ね」
「完全に避けたはずなのに!」
殴ってきた男は顔中に包帯を巻いている。
額当ては音隠れだ。
…攻撃にどんな仕掛けがあるの?
「鼻を掠めたんだろ…。いきがるからだよ、あのクソ」
シカマルはそんな言葉を発する。
カブトさんは膝をついた。
そして…
「…ッ!!グハッ!!…ゴホッ!」
嘔吐した。
時間差でダメージを受けたの?
「カブトさんっ!」
「関わるな」
マダラに肩に手を置かれた。
「でも!」
「カブトのにいーちゃんっ!!」
「大丈夫っ!?」
サクラとナルトはカブトさんの肩を支えている。
「マダラ!今何が…」
ボワァァァッ!!
「…!」
試験会場の前方で、突然白煙があがった。
「静かにしやがれッ!!!」
大柄な男の人が煙の中から現れ、叫んだ。