スリーマンセル
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あれから1時間。
私は里の林を彷徨っていた。
「ない…」
桜茸、見つからん…。
先生どこに隠したんだ!?茸だし、林の中かと思ったけど、ひょっとして、街中にあったりするのかな。でも街中だと誰かに持ってかれたりしないかな、珍しい茸なんだし。ていうか、茸をそのまま置くわけないよね、袋や紙に包まれているのか、壺に入っているのか、巻物なのか。待てよ…そうなると、茸を探せばいいわけじゃないのか!?私ずっと、イメージから、ピンクの茸を探してたんだけど!?
「うーん」
どんなものかよりも、まずはどこに隠したかだな。
シスイさんならどこに隠すかな。
シスイさんといえば…穏やかで優しいけど、思慮深くてしっかりとしている。
瞬身のシスイと呼ばれる上忍で、万華鏡写輪眼を持ち、烏を口寄せする…。
「……ハァハァ…考えつかれた…。結局なにもわからないし…」
広い里とは言え、30体も出した影分身も、何も見つけていないようだし…。
サァァッ
風が木々を揺らしている。
「…はぁ」
二人はもう見つけたのかな…
………
ポンッ
「…わぶっ」
頭に何か落ちて…
…巾着?
今落ちてきたの、あれかな?
多分私の頭をバウンドして地面に落ちたのだろう。
でも、なんで巾着が?
「…」
巾着を手に取り、開いた。
えっ!?
「き、きのこ!?」
緑色にピンクの筋がはいったキノコ。こんなきのこ、見たことがない。
「これって…!」
辺りを見渡しても、誰もいない。
ともかく、先生の元に行ってみなくちゃ!
シュンッ!
「先生!!」
先程の広場に着いてみれば、シスイ先生とマダラがいた。
「これって桜茸ですか!?」
私は巾着に入っていた桜茸を見せた。
「あぁ、桜茸だ!よく見つけたね、二番乗りだよ!」
「そっか、マダラが」
「すぐにタグラを呼んでくる」
シュンッ
「マダラ。桜茸を私に落としたでしょ」
「…お前に渡した方がいいからな」
「でも!!タグラ君は…」
シュンッ
「ただいま」
「は、はやっ!!さすが瞬身のシスイ先生!!」
「ふふ、ありがとう」
「それで、シスイせんせ…」
「お、おいッ!!お前たちッ!!本当に見つけたのかっ!?」
「あぁ、読み通り、烏が首に下げていた」
「え!?そうなんだ」
私は何も分からなかったのに。
…マダラには分析力でも敵わないなんて。
「烏!?シスイの口寄せか…くそッ!!」
「お前は水中でも探していたか?」
水中?なんで?
「ンなわけねぇーだろッ!!…で!!お前はッ!?どこにあった!?」
「私のは…マダラが落としてきたの」
「はぁ!!?ずるじゃねぇかッ!!」
「…うん」
私だってこれがフェアだとは思えない。
自分の力で見つけたわけじゃないんだから。
「いや。禁止はしてないからね」
「…ッ!!そんな馬鹿げた話があるかよッ!!ふざけんなッ!!
…じゃあ俺はアカデミー送りってことかよ…ッ!!」
タグラ君はすごい剣幕だ。
「タグラ君…」
「俺はぜってぇー強ェ忍になるんだよッ!!アカデミーなんかで道草食ってるわけにはいかねェんだッ!!」
「…」
タグラ君のことはまだよく分からない。
けど、タグラ君の強い気持ちは伝わってくる。
「残念だけど俺にはどうしようもない。それでは、これにて試験は…」
「…待ってください。私はまだ試験を終わらせません」
「…」
「なッ!!?」
「…どういうことだい?」
「時間は無制限。タグラ君の分を私も探します」
「は、はぁッ!!?」
「ユヅキ、桜茸を隠したのは2つだけだよ」
「でも、必ず見つけてみせます。タグラ君、探しにいこう。マダラはここにいても…」
「ふん、俺も行く」
「マダラ!!」
思わぬ言葉に感激する。
「な、なんでだよッ!!なんでシラコまでッ!!」
「早く試験なんぞ終わらせたいからな」
「…!!」
「ありがとう!!三人で探そう!!」
「桜茸!?…そんな大層なもん、うちにゃーねーなぁ…」
「そうですか…すみません」
八百屋にはさすがに置いてないか…。
「ユヅキ。御衣黄桜を探した方が早い」
「うーん…でも、どこにあるかわからないよ」
そもそもうちの里に生えてるんだろうか。
「聞けばいいだろう。ちょうどいい奴が来たことだし」
「ちょうどいいやつ…?」
「おーい、ユヅキーーっ!!」
「イノ!?」
イノは、駆け寄ってきた。
後ろから、歩いてくるシカマル、チョウジも見える。
「やっほー!!…ってぇ!!!」
「…隣の超絶イケメンはどちら様っ!?」
イノは私にこそこそと耳打ちをして来た。
「マダラだよ」
「えええぇっ!!マダラ君!?帰ってきてたのぉっ!?」
「そう、昨日ね」
「えええっ!!マ、マダラ君…私のこと…覚えてるぅ?」
「山中イノ」
「…っ…うそっ!!!奇跡いぃ~!!!」
キラキラ目を輝かせながら、マダラを見ている。
「ふふ!良かったね、イノ!」
「あっ!! 」
イノは今度は私の右隣を見て、驚いた。
さすが、私以上のイケメン好き。表情がとてもわかりやすい。
「…超絶美少年君はどなた!?」
イノはまたこそこそと耳打ちをして来た。
「なんだこいつ…」
タグラ君は顔をしかめている。
「この子はタグラ君だよ!」
「やだぁー!!!あんたなんでこんなイケメン達を引き連れてんのよーー!!」
「イ、イノ…痛いから…」
イノにびしびし肩を叩かれる。
「だってぇ!!あたしの隣を見なさい!?」
イノは追いついてきた二人を指差した。
「失礼なこと言うじゃねぇか」
「…バリバリッ」
「シカマルにチョウジ!そっか、スリーマンセル…って、イノっ!!試験は!?」
「試験なら、ばっちしよ!シカマルとチョウジと三人で合格してやったわー!!」
「そっか!!良かったね、三人ともおめでとっ!!」
「めんどくさかったがな」
「バリバリッ…で、ユヅキは何してるの?」
「それが…私は今、試験をしているところなの」
「え!?ユヅキはスリーマンセル、呼ばれてなかったわよね!?」
「それが、組めることになったのよ!この二人と、シスイ先生!!」
「ちょっとぉー!!シスイさんって、先生になったのぉっ!?本当にイケメンパラダイスじゃないのっっ!!」
「おい、ユヅキ」
マダラに声をかけられ、私は用を思い出した。
「あ!そうだ!イノはお花に詳しかったよね!?」
「え?急に何よ?」
「桜茸って知らない?御衣黄桜の木の下に自生するらしくて、それを探してるの!」
「桜茸?なんだか分かんないけど、御衣黄桜ならわかるわよ!あの桜、珍しくてね、里に一本しか生えてないの!だから、知っている人も少な…」
「場所は!?」
「ずいぶん忙しいのね?場所は小春山の頂上よ」
「心春山ね!ありがとう!」
小さい頃、遊んだことがある。
「ねぇ!!マダラ君と、タグラ君を…」
「わかってる!今度ちゃんと紹介する!…二人とも、私についてきて!」
シュンッ