スリーマンセル
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翌朝。
「タグラ君遅いね…」
もう集合時刻を30分は過ぎている。
「チッ…」
「仕方ない、タグラの家に…」
「あ!」
スタスタッ
「ふぁぁぁ…だりぃー…」
タグラ君が欠伸をしながらやって来た。
「おはよう、タグラ君!」
「…ふん」
「遅ぇぞ、チビ」
「るっせーなっ!!」
「…まぁまぁ」
朝からマダラとタグラ君の睨み合いが始まるなんて…。
「…よし!タグラも来たことだし、今日の試験の説明を始めるか」
「試験ですか?」
「あぁ。アカデミーを卒業したものはチームに別れて、下忍試験を受けることになる」
「えっ?アカデミー卒業試験を受けたのに、また!?」
額当てだってもらったのに?
「アカデミーを卒業したからといって、必ず下忍になれるわけじゃない。この試験に合格するのは3割だ」
「さ、3割!?もし、下忍試験に落ちたら!?」
「残念だが、アカデミーに戻ることになる」
「えぇぇぇっ!!?他の班もそうなんですか!?イノやサクラたちも!?」
「どの班でも今日行われるはずだよ」
「そんな!」
誰かがアカデミーに戻るかもしれないってこと!?この班の中の誰かも、もしかしたら…
「長ったらしいぞ!!説明なんかいいから、さっさと試験を始めろよ!!」
タグラ君は、イライラと顔を歪めている。
「そうだね。始めようか、下忍試験を。試験内容は…」
「…」
ごくり、と息を飲む。
「カレー作りだ!!」
「…え?」
「…はぁ?」
「…」
「カレーって!?」
「ただのカレーじゃないよ。超絶品カレーを作るんだ!」
シスイさんは嬉しそうに話している。
「は、はぁ…」
本当にこれが試験?
「ったく、くだんねぇーぜ」
「いや、食べたら驚くよ。そのカレーには、桜茸を使うからね!」
「桜茸…」
超高級食材だと聞いたことがある。
私は食べたことも見たこともないけど、ママが話していた。
「桜茸は、春に御衣黄桜の下に自生する珍しい茸だ。それを頂いたから、カレーに使おうと思ってね!」
「ま、まさかの料理対決…!?私、カレーなんてママの手伝いしかしたことないんですけど!?」
しかも、市販のルーを使ったやつ!
「料理の腕は気にしなくていい。マダラも、タグラもからっきしだから!」
「…」
二人は黙っている。否定しないのか。
「そうですよね、良かったぁ…! …って、そうじゃない!なら何をするんですか?」
「ずばり、桜茸を見つけて、持ってくること!」
「え?見つける?」
「桜茸を里のどこかに2つ隠している。その桜茸をここに持ってきた者を下忍にする」
「えっ?2つ…?」
「一人は下忍になれないということか」
「あぁ、そういうこと」
「そんな!!!」
「ふん、楽勝だぜ」
「時間制限はしないからね、早い者勝ちだ」
「シ、シスイ先生!あの…!」
「それでは、始めっ!!」
「あっ!タグラく…」
シュンッ
タグラ君は姿を消してしまった。
「…先生!!なんで二人だけなんですか!?三人でスリーマンセルなんじゃないんですか!?」
「生半可では忍にはなれない、優秀な子を選抜する必要があるんだ。俺も任された以上、二人に借りがあるとは言え、誤魔化すことなどできない。わかってくれるね?」
「…」
言葉を返すことはできない。
「これ以上は公平性を損なうから、何も言わない。俺はここで待っている。頑張ってくれ」
シスイさんは、そう言うと、腰かけて忍術書を読み始めてしまった。
「…」
やるしか…ないのか。
でも私はなんとしてでも。
「マダラ…!」
マダラは私とシスイ先生の話を聞いていたようで、まだ広場にいた。
「ねぇ、一緒に探そうよ」
「いや、一人で探す」
「な、なんで!?」
マダラは私の味方をしてくれると思ったのに。
「2人で探して、桜茸を1つしか見つけられなかったらどうする?」
「それは…」
「やつに先を越されないことだ」
シュンッ
「…マダラ」
一緒に任務をしたいと思っていたのは、私だけだったのかな。
「多重影分身の術!!」
…いや、こうしちゃいられない。桜茸を見つけてから考えよう。
ボボボンッ
これくらい出せばすぐ見つかるはず!!
「私の分身たち、桜茸を見つけてね!」