闇の中へ
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「もう怪我は大丈夫なのか?」
「あぁ。火影様に休みを貰えたおかげで、すっかり治った」
『…』
シスイ先生とマダラは、暗い広場で話している。
そっか…夜だから私は知らないのか…。
…いや、私に知られないように…。
「そりゃ良かった…火影には奴のことを言ったのか?」
「…いや。伝えるには謎が多すぎる。奴も、それにマダラも…」
「なら、俺が写輪眼を持ってること、木遁を使えることは?」
「いや…伝えていないよ」
「そうか」
「…マダラは面の男を知っていたんだね」
「あぁ。ダンゾウをつけていた時にな」
「それで、俺が狙われるとわかっていたから、烏を借りて、飛雷神の術を修得しようとしていた」
「…そうだ。烏にシスイを見張らせ、奴が眼を奪おうとした時に、シスイにつけておいたマーキングに飛雷神で飛んだ」
「イタチの万華鏡を開眼させ、俺を生き返らせる…。全てマダラの計画通りだったということか」
「…すまねぇ、シスイ」
「謝らないでくれ。俺は命を救って貰ったんだ。それに、イタチの万華鏡写輪眼が開眼して良かった。あいつが力を発揮するためには、あの眼が必要だ」
「…それだけじゃねぇ。俺はイタチの里抜けも、知っていて止めなかったんだ」
「いいんだ。俺だって、俺の判断で、まだマダラに伝えていないことがあるのだから。それに…イタチはイタチの考えで奴についていったんだ」
「…お互い様ってわけだな」
「あぁ」
「で、今日俺を呼び出したわけは?」
「烏が紙を運んできた」
「まさか!イタチか!?」
「あぁ。イタチは隙を見て俺に烏を送ってくれるようだ」
「そんなことして平気なのか!?」
「奴は、俺たちのことを知った上でイタチを連れていったんだ。承知の上だろう。奴もマダラと関わりたいだろうしな」
「…へぇ、随分な余裕だ」
「マダラ、暁を聞いたことはあるか?」
「いや?」
「暁は最近名が知れてきた犯罪者組織だ。暗殺、殺戮、戦争。依頼を受ければ何でもやるという。
仮面の男はトビを名乗り、暁を裏で操っているらしい」
「計画とやらのために犯罪者を利用してるのか?やっぱ録な計画じゃなさそうだな」
「あぁ。それと、奴は霧隠れの里を頻繁に訪れているとか」
「確か血霧の里って言われてるんだよな?」
「そうだ。もしかしたら、それも奴が絡んでいるのかもしれない。そして、丁度、火影様から直々に霧隠れの調査を言い渡されてたところだ」
「なんで木の葉が霧隠れの調査をすんだ?」
「…霧隠れは以前より木の葉を嗅ぎ回っている。任務で、霧隠れを追い返したことがあるが、奴らの目的は分からなかった」
「…つまり、最悪木の葉に戦争を仕掛けることもあり得ると。そしてそれは、あいつの仕業かもしれねぇのか。…俺たちにとっちゃ奴を探る絶好の機会でもあるな」
「だが、里の問題は不干渉という原則もある。木の葉が介入していると霧隠れに知られたら、それこそ戦争に繋がりかねない」
「下手に手出しはできない…か」
「あぁ。今、この任務を知っているのは、三代目様と霧隠れの上層部数人、そしてマダラだけだ」
「…へぇ」
「…マダラ、これはs級の極秘任務になる。情報が流れないように、少数精鋭で行動する。人数は少ない方がいい」
「…俺を任務に同行させたいってわけだな」
「あぁ、マダラとなら二人で任務を遂行できるだろう。その旨、三代目様には既に伝えてある」
「…シスイ。…俺をつれていく気満々じゃねぇか…」
マダラは、シスイ先生をジト目で見た。
「いや、無理にとは言わないよ。この任務は長期になる、3年はかかるだろう。それに、任務途中に帰ってはこれない」
「…そうか」
「…だから、どうするかはマダラが決めていい」
「…」
「…俺もイタチも、勿論後悔はしていない。だけど、よく話していたよ…。平和だったなら、どうだっただろうと」
「…俺たちは普通の子供と同じように、仲間と日常を過ごせていたんじゃないか…。アカデミーに通い、子供のように遊んで…」
『…』
「…シスイ」
「…」
「…俺は十分楽しめた、日常とやらを。だから、思い残すことなんてねぇよ」
マダラはニッと笑った。
『マダラ…』
十分楽しめた、そう思っていたなんて嬉しい。
それに今、マダラは、私の隣にいる。悲しむことはない。
だけど、幼いマダラの笑顔を見ると…。
…寂しさと同時に、胸が締め付けられた。
「そうか」
「だから、俺も任務に、ついていくぜ」
「…感謝する」
「おう!!」
「マダラがいれば心強いよ」
「…にしてもシスイは俺のこと、随分と信用していんだな」
「当たり前だ!俺はマダラに何度も命を救われている」
「…シスイ」
マダラは神妙な表情をしている。
「どうした?」
「…俺もお前を信用しているからこそ聞きたいことがある」
「俺が知っていることならなんでも答えるよ」
「…奴の言っていたことだ。…永遠の万華鏡写輪眼とはなんだ?」
「…永遠の万華鏡写輪眼は、術を使っても視力が低下しない眼と聞いている」
「どういうことだ?」
「俺もイタチも、通常の万華鏡写輪眼だから術を使えば視力は低下していき、やがて失明する。だが、永遠の万華鏡写輪眼であれば、その心配はいらない」
『…失明っ!?』
「俺たちで何が違うんだ!?」
「永遠の万華鏡写輪眼は、一族の眼を移植して適合することで開眼する」
「…!!」
「永遠の万華鏡写輪眼は、うちはの歴史の中でも、開眼した者が限られている…。その中の一人がうちはマダラだ。
…うちはマダラは弟イズナの眼を移植して開眼したらしい」
「…」
「…俺もイタチから聞いた話だ。そして、イタチはダンゾウから情報を得ている」
「…シスイ。奴は俺がうちはマダラの眼をもっていると言っていた。どう考える?」
「…わからない。眼を移植したのかもしれない、マダラも奴が言っていた複製体かもしれない」
「複製体…そんなことが可能なのか?」
「もちろん俺は聞いたことがない。ただ…人体実験、禁術の研究はどこでも行われていることだ」
「…そうか」
「そしてもう一つの可能性が…」
シスイ先生は眼を伏せた。
「なんだ?」
「…マダラも薄々考えてるんじゃないか?…うちはマダラ本人かもしれないことを」
『…』
「…っ!わからねぇけど!そんな非現実なことがあるか!?奴はとっくに死んでいて、仮に生きていても100歳を越えているはずだろ!?」
「…そうだな。非現実的かもしれない。でも、うちはマダラならあり得なくもない。彼はそれほどの忍だった。それに名前が偶然一緒だなんて」
「…っ…」
「…もちろん、否定要素もある。マダラには記憶がない、そして奴はそれを知っていた。面の男がマダラを引き入れようとして嘘をついているのかもしれない」
「…あぁ、俺も奴が全て真実を話すようには思えない」
「それに、面の男は自分は複製体だと言っていた。奴の話を信じるとしても、マダラ本体が生きているのに、複製体などは造る必要がない」
「…しかも、奴は、意識は個としてあるとか言ってやがったな。仲間割れする恐れがある面の男を造る理由があるとすりゃ、うちはマダラが死んでいるからだ」
「そうだね」
「そもそも、奴はうちはマダラと繋がっているのに、俺のことなんて聞いたことがねぇ素振りだった。なら、俺がうちはマダラの可能性は低いんじゃねぇか?」
「いや、うちはマダラが面の男に全てを話すとも限らない」
「仲間内でもか?」
「あぁ…面の男を利用している側なのだろうから。ただ、一番強い…うちはマダラ本人じゃないと考える要素はある」
「なんだ?」
「…うちはマダラは里を恨み、滅ぼそうとしていた。真意はわからないけど、人格者には思えない」
「…そうだな」
「だけど、マダラは、自分のこと抜きにしても、里をうちはを、そして俺たちのことを…助けようとしたんじゃないか?」
「…わかんねぇよ」
「マダラはとても優しいから」
「…」
『…シスイ先生』
ただ純粋に…マダラを信じてくれる。
そんなシスイ先生をマダラも信用していたから…任務に付いていったんだね。
「…そりゃどうも」
「それにしても…」
「なんだ?」
「木遁が使えるなんて知らなかったよ、うちはと千手、両方の力を持つなんてね」
「…俺もそれはよくわかんねぇ。俺が千手とうちは、二つの血を引いてるとして、二つの血継限界を使えるなんてあり得んのか?」
「…可能性はわからないけど、聞いたことはないな」
『…』
確かに特殊なチャクラを二つ持つなんてあり得るのかな…。
「だよな…。それに気になる単語が2つ。六道と輪廻眼だ。シスイは何か知ってんのか?」
「俺も気になったが…話せることは少ない。忍びの祖と呼ばれるのが六道仙人で、彼は神話上の存在だ。その六道仙人が開眼したのが輪廻眼。
…それだけしか知らない」
「…しかも神話か。その話が本当かすら怪しいってわけか」
「あぁ。それに、今話したことは全て空論だ。真相なんて結局わからない。ただ…一つ確実に言えることがある」
「?」
マダラは、首をかしげた。
「面の男を追っていけば、マダラの真相がわかるってことだ」
「シスイは…俺に全て正直に話してくれるんだな」
「…マダラは記憶を取り戻しても、道を外れないと思っているから」
「…それはわからねぇよ。イタチがサスケのことを第一に思ってるように、俺もあいつを…」
ズズズッ