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昼休み。
「ふむ」
ごみがたまってるなー。捨てに行くか。
「よいしょっと」
ゴミ袋をゴミ箱から出して縛れば、マダラが近づいてきて、もう片方のゴミ袋を同じように縛ってくれた。
「俺も行ってやるよ」
「助かるよ」
ん?
校舎の外へ出ると、争うような声が聞こえた。
「お前!目障りなんだよ!」
「…うぐっ!」
一人が、ごみ捨て場に突き飛ばされていた。
金髪の…あれは…ナルト君か。
「へへっ!落ちこぼれなんだからアカデミーに来んじゃねぇーよー!」
上級生がよってたかって年下をいじめるなんて、そっちの方が情けないのに。
「お前なんて里から消えちまえ!」
「…ナルト君」
ナルト君が苛められているのを見るのは初めてではない。だけど…私には何もできない。
「…」
「…」
マダラと私は無言でゴミ捨て場に近づく。
この状況で、どうゴミを捨てようか、考えていた時だった。
「邪魔だな」
マダラは印を組むんだ。
「マ、マダラ?」
バシャァァッ!!
「…!!」
いじめっ子三人に水がかかった。
「うわぁ!な、なんだ!」
「な、なんで俺たち濡れて…」
「あ、あいつだ!お前!誰に向かって…」
頭から靴までびっしょり。
三人は、こちらを振り返った。
「わりぃーわりぃー。手が滑って、水遁がでちまった」
マダラはわざとらしい惚けた演技をしている。
「えっ…?」
ぽかんとしてしまう。
マダラはナルト君を助けようとしたの?
「うわっ!あ、あいつ…」
「マダラだ!逃げるぞ!」
「ひいぃー!」
三人は、一目散に逃げ去った。
「そこどけ」
「…!」
ナルト君は、唖然としてマダラを見ていたが、びくりとして、ごみ捨て場からどいた。
そして、無言のまま走って行ってしまった。
「ナルト君…」
ガララッ
教室に入れば、角から、ナルト君はこちらを一瞬だけみたが、すぐに目を逸らした。
そして放課後。
「サスケ…」
教室を見渡してもいない。
あれ以来、サスケすぐ帰っちゃうんだよな。
お昼ごはんも一緒に食べれてないし。
きっと、修行をしているんだろうけど、心配だ。まだ一人にしておいた方がいいのかな…。
ザワザワ
「なぁ!今日こそは話しかけようぜ!」
「あんたが行ってきてよ!いつも自信満々なんだから!」
「はぁ!?自信とか関係ねぇだろ!」
「断られる確率80%ってとこだな。めんどくせぇー」
「あ!ならじゃんけんで決めようぜ」
教室のグループがこそこそと話しながらこちらを見てくる。毎日のお決まりだ。
「帰ろ、マダラ」
だからこそすぐに帰る。馴染める気がしない。
「あぁ」
でも、考えてみれば、私が人見知りなせいでマダラは他の人と関われていないかも。
マダラは友達とかほしいのかな。
「ねぇ、マダラ…」
「おーい!待てよー!」
廊下を歩いていると、後ろからキバ君が走ってきて、目の前に立ちふさがった。
「なぁッ!!缶けりやろうぜッ!!」
「…え?缶けり…」
やりたくないわけではない。
だけど、クラスメイトとろくに話したことないし、雰囲気をぶち壊さないだろうか。
「やるか」
「えっ!?」
そんなあっさり!?
「おぉ!てっきり断られるかと思った!!ユヅキちゃんは!?」
「え、あ…私も…」
「うっひょーっ!!やったぜっ!じゃ、みんな呼んでくる!すぐ来るから待っててくれ!そこにいろよ!?帰るなよ!!」
キバ君は走って教室へと戻っていった。
念押しがすごかったな、そんな信用ならないのか、私たち。
「…意外だね。缶けりに混ざるなんて」
「別に…缶けりがなんだかわかんねぇから、興味が湧いただけだ」
あ、ちょっと照れてる。
「何で照れてんの?別に私たち子供なんだし当たり前だよ」
マダラって大人ぶるところあるけど。
「当たり前、か」
「そこひっかかる?」
「俺は、遊ぶことなんてしなかった…いやできなかった気がすんだよな」
マダラは何か思いを巡らせているようだ。
「…」
「…いや。忘れてるだけか」
「…そうかな。私はマダラは遊べる環境になかったんだと思う」
「だから…」
「ずっとひっかかってる。シスイさんが、万華鏡写輪眼は親しい者を亡くした時に、開眼するって言っていたこと」
血霧の里の噂も聞いたことあるし、いまだに子どもが簡単に命を落とす場所はたくさんある。
それなら、マダラがやけに強いことも、説明がつく。
「まぁ、それは事実なんだろうな」
「…ねぇ、マダラ。マダラは過去が辛いものでも、思い出したい?」
「…あぁ。俺は真実が知りたい」
「マダラならそう言うと思った」
でも、過去のことを知ったら、マダラはどこかへ行ってしまう気がするんだ。
だから私は、本当は…。
「…」
「お前、深く考えすぎだっつーの!」
「いたっ!」
マダラにでこぴんされた。
「てか、俺の心配してるけどよ、お前こそ遊んでねぇだろ」
マダラは呆れ顔で見てきた。
「わ…私は!ちょーっとだけ…人見知りっていうか…」
分かってる。
アカデミーに入って早三年、これが人見知りとかのレベルじゃないことは。
だけど仕方ないじゃんか!暗いキャラで通ってるし!
「ま、別になんだっていいけどよ」
「おーい!マダラ、ユヅキちゃん!」
そうこうしている内に、クラスメイト達がやってきた。
「待たせたな!」
「あ…全然だよ」
「ユヅキちゃん…もし捕まっても俺が助けてあげるからな!」
「は、はぁ…」
「ていうか、ユヅキちゃん、俺の名前わかるか?」
「キバ君だよね」
「お!もしかして俺のこと…!」
「んなわけないでしょ!それより…!!マダラ君はぁー、私のなまえー、わかるぅ?」
上目遣い…うっ…かわいい…。
って、私がノックアウトされてどうすんだ。
「分からねぇ」
「…!」
そんなあっさりと!乙女は丁重に扱え!!
私はマダラを睨む。
マダラには何だこいつ、みたいないつもの目で返されたけど。
「えっ…あっ!そうよね!私は山中イノって言うの…」
イノちゃんは明らかにがっかりと肩を落とした。そういえば、マダラに何回も話しかけてたもんね…。
「仕方がないよ、マダラ君はまだアカデミーに入ってそんなに経ってないし」
サクラちゃんはイノちゃんをフォローしてあげている。
…かわいい、優しい。
「はは!振られてやんの!」
「うっさいわね!あんただってユヅキを困らせただけじゃない!」
あ、イノちゃん立ち直り早い。
「あー!?別に困らせてねーよ!」
お互い気が強そうだな。
「あーめんどくせー」
「シカマル、ポテチ食べる?」
「さんきゅー」
「はは…」
後ろの二人はもはや別世界にいるし。
なんかアカデミーの中でも個性的なメンバーが集まってるな…。
カコンッ
キバ君は缶を地面に置いた。
「校庭だけだからな!外行くなよ!ってかなんでまた俺が負けんだよ…」
キバ君はきっとじゃんけんにパターンがあるんだろうな…。
こういうのって周りは教えないんだよね。
「ユヅキ、一緒に隠れましょ!」
「あ…うん」
イノちゃんとサクラちゃんに手を引かれた。三人で、校舎の裏に隠れる。
「よし!ここならばれないわね!」
「そうだね!」
「やっと女子の空間になったわ!!」
「確かに…女子の空間…」
だけど、女子の空間に何の意味が?
二人がかわいいっていうか、この空間が清らかなことは分かるけど!
「あのねぇー!私、#dn=1#]について気になってることがあんのよー!」
「な、なに!?」
私に気になる要素なんてあったの!?
「付き合ってんの!?」
イノちゃんは興奮気味に聞いてきた。
「ん!?どういう…」
「だからー!マダラ君と付き合ってたりするの!?」
「えっ!?そ、そんなわけないよ!!」
あらぬ疑いをかけられぬよう、首を全力で横に振る。
「なんだー、そっかー!」
「心配して損したね、イノちゃん!」
二人はなんかちょっと嬉しそうだ。
「私達まだ子供だし、そんなの考えられないよ」
一応、1つ上だし、イノちゃん達には大きく見えるかもしれないけどさ。
「でもユヅキって、なんか変わったから、そうかなーって思ったのよねー」
「え?変わった?」
「前は一人で、角でむすっとしてた。近づくなオーラ?全開だったのよ!」
「そうなの!?」
私ってそんな風に思われていたんだ…。
人見知りではあるけどそこまでとは。
「ユヅキちゃんて、柱間様の一族だし、かわいいし、世界が違う感じ?がしてたよー」
「そんなことないって!」
私、落ちこぼれだし!
こちとら二人より歳上で同じクラスにいるんだからね!?
それなのに上から目線だったら滑稽すぎるよ…。
「でもーマダラ君が学校に来て、ユヅキの雰囲気が柔らかくなった!!」
「ねー!マダラ君が来てからだもん!ユヅキちゃんの楽しそうな顔見たの!」
「…」
知らなかった。
確かに今までマダラ以外とあまり話していなかったし、当たり前かもだけど。
でも、マダラが来てからアカデミーが楽しくなったのは確かだ。
「もし付き合ったらー、私たちに話すのよー!?」
「だから、それはないって!」
「しょーらいよ、将来!」
「ないない!!それより!イノちゃんとサクラちゃんはどうなの?好きなタイプとか、ないの?」
「好きなタイプかぁ…」
サクラちゃんはもじもじとしている、かわいい。
「私はー、クールな人が好きだなー!」
「私は…私のこと守ってくれる人かなぁ…」
「ふふ…!」
なんか、こうやって女の子とお話しするの新鮮だな。
思わず笑みがこぼれてしまう。
「どうしたの?」
「あ、ごめん!不審者みたいな顔してた!?」
「アハハッ!!」
「うふふっ!!」
二人して笑っている。
え?そんなに変なこと言った?
「何よー、それぇー!!ユヅキって、案外変なこと言うのねぇー!!」
「ねー!!ふふっ!!」
「そ、そう?」
いや、事実というか…。
「でも良かったー!!気が合いそう!!さ、女子バナの続きよ!!」
「あ、うん!!」
それから、しばらく二人と恋愛トークをしていた。
「やっぱり、肌は色白の方がいいわよね!?」
「わかるー!それで、身長は高い方がいいよね!」
「私は、いい香りがする人がいいなー!」
「それよー!香水じゃなくて、自然な香りがする人がいいわよね!」
「…お前ら何話してんだ?」
キバ君は顔を赤くしながら出てきた。
「へへっ!このメンバーだと、缶なんて蹴りにこねぇし、実質かくれんぼだぜ!あとはマダラだけだ!」
キバ君は、また探しにいった。
「この間、うちのお店に来た人がちょーイケメンでさー!」
「えっ!?それで?」
「…俺たちは男に見られてねぇみてぇだな」
「そんなことより、ポテチ食べない?」
「さんきゅ」
数十分後。
私たちは未だに女子バナをしていたが、キバ君がイライラしたように帰ってきた。
「おい、マダラがいないぞ!!あいつ、アカデミーからでやがったな!?」
「そういや、マダラのやつなら、用を思い出したとか言って先に帰ったぜ」
「はぁ!?早く言えよ!」
「聞かれてねーのに言うのめんどくせーだろ」
「はぁ!?お、ま、え、なぁ!?俺はずっと探してたんだぞ!?」
「まぁ、キバ落ち着きなよー。ユヅキ、なんか知らない?」
「分かんないな…」
用事なんてあるのかな?
飽きて修行したくなったとか?
それひどいな。
うーん。
「おい、見ろよ、あれ」
突然、シカマル君が指を指して、呆れながらどこかを見ている。
「ん?…うわっ!何があったの!?」
火影岩がペンキで悲惨なことになってる!!
「アハハッ!!うけるー!!」
「どうせまたナルトだね」
そういえば、ナルト君はよくイタズラして里の人に追われて…
「ん?ナルト君?」
「どうかしたか?」
「…私も先帰る!また明日!」
「あっ!ユヅキ!!」