兄の瞳は何を見る
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「サスケ、業火球の術は…」
「こう、兄さん?」
「もう少し、込めるチャクラに強弱を…」
「ふふっ!本当に仲がいいなー!」
私がシスイさんに火遁を教わる間、イタチさんとサスケは終始、二人の世界で。
見ているこっちが幸せな気持ちになった。
それなのに。
「どうして?」
私にはわからないよ、イタチさんのことが。
あれから数日。
イタチさんが里を抜けた。
「サスケ君のお兄さん、里を抜けたんだって」
「ねー、サスケ君かわいそうだよねー」
「木の葉の機密情報を他の里に流すらしいぜ」
「最低だよな。暗部の抜け忍は見つけ次第殺されるらしいし」
「当然だろ。ていうか、あいつ犯罪者の弟じゃん」
いつもはキャーキャーとうるさい周りは、こそこそと噂話をしている。
「…」
サスケは一人、教室の端で窓の外を見つめていた。
「サスケ…」
「…」
サスケに声をかけてみたが、サスケはこちらに目を向けることなく黙っている。
「…」
どんな話をすればいいかわからない。
尊敬していた兄が、急に姿を消して、しかも犯罪者と言われるようになってしまったのだから。
「イタチには何か考えがあるはずだ」
マダラもサスケに声をかけた。
「…」
「私もそう思う」
イタチさんは、いつも里のことを考えていた人だ。
そして、きっとサスケのことは里よりさらに大切に思っていた。
ダンッ!
「そんなこと!!分かっているよ!」
サスケは机に拳を叩きつけ、立ち上がった。
「…」
「…でも、俺に何も言わずにでていくなんて!」
サスケは肩を震わせた。
「サスケ、辛いと思う。でも、イタチさんは生きているから。真実を知る日は必ず来る」
「…っ」
サスケは教室を出ていってしまった。
「サスケ…!」
サスケを追いかけようとしたが、マダラに止められた。
「しばらく一人にしておこうぜ」
「…」