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「5時か…いるかな」
忍者アカデミーが終わってすぐに火影岩の上に向かった。
昨日は放課後修行していたので、日が暮れていたが、今日は夕日が見える。
「…」
夕日に照らされた後姿も見えた。
「…遅せー。待ってた」
「約束してないけどね?」
胡座をかいているマダラの隣に腰かけた。
「…」
マダラは黙って夕日を見ている。
「結局何もわからなかったから、ここに来たんでしょ?」
「…まぁ。しかも、わかんねぇことが増えたし」
「増えた?」
「あぁ。なんか見たことねぇもんがいっぱいあったし。建物もそうだけどよ、ここ、俺の知ってる場所より発展してる気がすんだ」
「へぇー。今どき珍しいけど、里に属さない集落から来たのかもね」
「…ほぅ、確かにな!」
「それで、誰かに話を聞いたりしてないの?」
「してねぇ。誰に話しかけりゃいいかもわかんねぇしな」
「でも私以外にも話しかけないと何も始まんないと思うよ?」
「わかってっけど、怪しまれそうだろ」
「わかってたんだ」
「あ!?てめぇー、俺を馬鹿にしてんだろ!?」
マダラはガミガミと怒った顔を向けてきた。
「ふふ!」
「何笑ってんだよ!」
「馬鹿にしてるわけじゃない。意外に表情が豊かなんだなーってだけ。マダラのこと最初見た時は、なんか暗そうだなって思ってたから」
「あ?それ悪口なのかなんなのかわかんねぇぞ」
「感じたこと言っただけだよ」
「あっそうで…」
グゥゥ
「あー…腹減った…」
マダラはため息をついた。
「もしかして、昨日から何も食べてないの?」
「そりゃ…金持ってねーし」
「とことんついてないね」
「…あぁ、そうだよ」
マダラは口を尖らせこちらを見てきた。
記憶がなく、お金もなく、行く宛もない、か。
詰んでるな。
「じゃあ、家に来てもいいよ。ママに友達だって言ってあげる」
「ほんとか!?…」
マダラは嬉しそうな顔をしたが、すぐに恥ずかしそうに顔を戻した。
「…別に素直に喜べば良いのに」
「なんか性に合わねぇんだよ!って、お前の名前聞いてなかった。なんて言うんだ?」
「千手ユヅキ」
「おぉ?ユヅキは、俺のことそんな信用してんのか?姓まで名乗るなんて」
「姓を名乗る?そんなの当たり前じゃない?隠すことでもないし」
「そうか?まぁ…そうか」
マダラは首をかしげたが、納得したような顔をした。
「…まさか、マダラは姓はわからないんじゃなくて隠してるの?」
私は疑惑の目をマダラに向ける。
「ちげぇよ!俺の場合はほんとにわかんねぇだけ!!」
「そう。うちはだと思ったんだけどね」
黒髪、切れ長の黒目という容姿はうちはっぽい。それに、マダラなんて名前をつけるのはうちは一族以外考えづらい。
うちは一族でも、マダラは良く思われていないみたいだけど…。
「うちは?なんだそりゃ」
「木の葉の一族だよ。まぁいいや。続きは家でしてあげる。行こ」
「おう!」
マダラはニッと笑った。
「…」
うちはマダラは凶悪で、里を滅ぼそうとしたって習った。
だけど、そんな彼も少年の頃は、こんな風に無邪気に笑ったのかな。