兄の瞳は何を見る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「一体が限界だぁ…」
もう何時間も練習しているが、一向に増やすことができない。
だけど、そろそろ昼時だ。
マダラを…
「休日も修行とは感心だな」
「イタチさん!」
後ろから声がして振り向けば、イタチさんがこちらに歩いてきていた。
「サスケがいない時に話したくてな、烏に探すのを手伝ってもらった」
「烏?」
木の上にいた烏は、イタチさんの元へと飛んでいく。
「どうだ、休憩がてら、茶屋でも行かないか?シスイも呼ぶ」
イタチさんは烏を腕に乗せ、撫でながら話した。
「勿論、ご一緒させてください!」
「マダラも呼んでくれるか?」
「はい!」
茶屋の前にはシスイさんがいた。
「よっ!久しぶりだな!」
「お久しぶりです!」
「今日は俺の驕りだ!団子でも汁粉でも好きなものを頼んでいいぞ!」
「やったっー!!」
四人で席につき、メニューを見る。
「私は抹茶あんみつで!」
「俺は…ん!?いなり寿司があるぞ!」
マダラは目を輝かせた。
「マダラ、いなり寿司が好きなの?」
「あぁ!一番の好物だぜ!」
「へぇー!」
覚えてるってことは、よほど好きなんだろうな!
「他にも頼んだらどうだ?」
「なら、ぜんざいにする!」
「俺は勿論、みたらし団子と三色団子だな」
「イタチは本当に団子が好きだよなー」
「そういうシスイもわらび餅にするのだろう?」
「それは…まぁな!」
「すごい、お互いの好みを熟知してる…」
カタッ
甘味はすぐに運ばれてきた。
「うわぁー!美味しそうーっ!!」
あんみつを口に運ぶ。
口の中で甘味と抹茶の品のよい苦味が混じりあって…
「すごく幸せです…」
思わずだらしない顔になってしまう。
「それは良かった!」
シスイさんはニコリと微笑んでくれた。
もう一口…
パクッ
「あ!」
口に運ぼうとしたところ、手を引かれてスプーンはマダラの口にはいった。
「これもうめぇな!」
「それ白玉ー!」
「なんだよ、一個くらいいいじゃねぇか!」
「なら、私はいなり寿司のお揚げだけもらう!」
「どんな嫌がらせだよ!ってやめろぉー!」
「それじゃ、丸々いただきまーす!」
「あ…おれのいなり寿司…」
マダラはシュンとした。
「…美味しい!」
「ん!!だよな!!」
だが、美味しいと言えばマダラは笑った。
なんだよ、優しいな、マダラ。
「ははっ!!君達、仲が良いな」
「まぁな!」
「う…」
そんな嬉しそうな顔で言われると否定できないじゃないか!
「…今日、呼んだのは他でもない。マダラ、ユヅキ。君たちにお礼を伝えたかった。本当に、協力してくれてありがとう」
シスイさんは、頭を下げた。
「えっ!」
「俺からも。感謝している、ありがとう」
イタチさんも頭を下げた。
「堅苦しいのは苦手だ。顔を上げてくれ」
「…」
「…こんなことじゃ全然返せないけど、今はできることがないから」
シスイさんは俯いた。
「別にいいって!俺は自分のためって言ったろ?」
「そうかもしれないが…」
「マダラはともかく…私は本当に何もしていないし…」
「…いや。ユヅキもクーデターを止めようとしてくれた。その思いが、何よりも俺たちの心の支えになったんだよ」
シスイさんは周りに聞こえないように配慮しつつ、言葉を発した。
「…はい」
受け答えが紳士だよ…シスイさん。
中身までイケメン…。
でも、こういう時なんて返事をすればいいんだろう。
そうだ、マダラにパスしよう。
「そういや、イタチは暗部をやめねーのか?」
おー、マダラに思いが通じた!ナイス話題変え!
「確かに!イタチさんならどこでも活躍できそうですよね!」
「俺は暗部を続けるよ。里を裏側から支えたい」
「そうなんですか」
イタチさんは、すごいな、と改めて思う。
歳はそんなに変わらないのに、考えが大人だ。
「シスイは?」
「俺は火影様のもと、うちはの待遇を改善する策を進めているところだ」
「すごい!さすがシスイさん!!」
「ありがとう、でも火影様のご協力のおかげだ。警務部隊はうちはだけでなく、他の一族も等しく就き、うちはは通常任務にも配属されることになった。それに、うちはも政に関われる」
「長年の里との確執は幕を閉じた。本当にありがとう」
「礼はいなり寿司で十分だっての!」
マダラはいなり寿司を頬張っている。
「いや。俺たちに何か出来ることがあれば、いつでも言ってくれ。今度は俺たちが命を懸けて、君たちを助けよう」
「だから、そういうのは…あ、そうだ。新しい術を覚えたいんだ」
「どんな術だ?」
「一瞬で行きたい場所に行ける術はないか?」
「瞬身の術か」
「あぁ。だが、普通の瞬身の術じゃねぇ。予め印をつけた場所に飛べるような術だ」
「なるほど…四代目様が使っていた飛雷神の術とかかな。一度だけ使っているのを見たことがある」
「だが、飛雷神の術は、禁術だから一般の忍は取得できないぞ」
イタチさんは顔をしかめた。
「いや、封印の書に術のやり方が書いてあるはずだ。巻物の在処もわかる」
「シスイ。あの巻物は、厳重に保管されているし、もし盗ったことがばれたら…」
「心配すんなって!イタチならわかんだろ?」
「…そうだな。マダラならばれないな」
イタチさんは眉を潜めつつも笑った。
「その場でそっくりの巻物も作れるしな」
「なら、俺たちの力は要らなそうだな。巻物の在処は紙に記して渡そう」
「…シスイさん」
簡単に言ってるけど、それやばいですからね!?
職権乱用ですよ!?
まぁ、それだけマダラを信頼してるってことなんだろうけど。
「あ、それとさ、烏を貸してくれないか?」
「烏を?」
「さっきイタチが烏を使っていただろ?」
「あぁ。烏は俺もシスイに借りているんだ」
「烏なら何匹もいる。もちろん貸すよ」
シスイさんはにこりと笑った。
「恩に着るぜ!」
「いや、こんなのは何でもない。烏を取りに来るのは面倒だろうし、向かわせよう。どこがいい?」
「ユヅキの家かな」
「えっと、千手通り二丁目の一番地です!」
「わかった、夜に烏を向かわせよう。ついでに巻物の在処を記した紙を持たせておく」
「マダラはユヅキの家にいるのか?」
「あぁ。俺は行く宛がないからな」
「そうか。だからいつも一緒に行動しているのだな」
「まぁ、こいつは強ぇしな!」
「そうなのか?マダラが認めているなんて、すごいな!」
「いえ、そんなことないですよ!?修行の身です!」
どこからそんなこと思ったんだ!?
水遁?土遁?
それともあの小っさい木を出した時!?
「そうだ!それなら、この後一緒に修行をしよう!俺もイタチも今日は1日休みをもらえたんだ!」
「え!修行に付き合ってくれるんですか!?ぜひ!!」
「サスケも呼ぶか」
「ふふっ!サスケ喜ぶだろうな!いつもイタチさんのこと話しているんですよ!」
「そうなのか?」
イタチさんの表情がふっと穏やかになった。
本当にサスケのこと、大切なんだろな。
「イタチも似たようなものだ!いつも、サスケの話を…」
「シスイ!」
あ、イタチさん、ムッとしてる。
…かわいい
「ハハッ、悪かった!…おばさーん、会計で!」
「あいよー!」
「ご馳走様です!」
「ありがとな!」
「あぁ!イタチ、お前は…」
「…」
イタチさんはじっとシスイさんを見つめた。
イタチさん、シスイさんに甘えてるのか、無言で…。
なんだそれ、やばい…顔が崩壊しそう。…表情筋がぷるぷるしてるきたよ…。
「あー、はいはい。それじゃこれで」
シスイさんは、参ったと言いながらお金を出した。
ふふ。シスイさんはイタチさんのお兄さんみたいだなー!
「それとサスケに土産を買っていくか。三色団子とみたらし団子二本ずつ持ち帰りで!」
「あいよー!」
「ちょっ!イタチ!!しかも二本ずつって!!お前も食べる気だな!?」
「あははっ!!」
堪えられずに笑ってしまう。
シスイさんも、イタチさんも、初めて会った時よりも表情が柔らかくなった。
二人はこんなにお茶目だったんだな。
「そうだ、ユヅキの母さんにも土産買っていってあげようぜ!いなり寿司、12個追加で!」
マダラ…ママに優しいな!?
「あいよー!」
「シスイさん…すみません」
と言いつつも、内心嬉しかったりする。
「わかった…わかったよ…トホホ…」
シスイさんは、お札をもう一枚取り出した。