Portrait

意識が覚醒してまず最初に視界に飛び込んできたのは、だいぶ見慣れてきた天井の豪奢な装飾。

「おはよう」
「目が覚めたか」

頭上から降ってくる二つの声の方を見上げると、ナル神とザル神がそれぞれ私の両側に寝そべっていた。……どうやら私はまたかの神と語らっている最中に寝入ってしまったらしい。恥ずかしいやら申し訳ないやらで顔を覆う私の手を、二本の指が器用に外してくる。

「すみません……」
「よい、気にするな」
「ザルの言う通りぞ。それにそなたの愛らしい寝顔が見られるのは私たちとしても嬉しいのでな」

……そうやって奇も衒いもなく言われてしまうのは今もって少し恥ずかしいのだが、きっと隠しても意味はないだろうから所在なさげに神様のサイズに設えられたベッドの上をゴロゴロするしかない。そんな私の姿が面白いようで、二神はくつくつと笑っている。

「せっかくだ、もう少し休むといい」
「うむ……そなたはいつも何かしら動いている故、時にはしっかりと休息を取らねばならぬ」

いつも神域から見ているのであろう商神にそう言われてしまっては返す言葉もない。返事の代わりに私は両側から頬を撫でてくる二本の指を抱き寄せた。
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