Portrait
私と彼女は、彼女の家の窓からぼんやりと空を眺めている。外は小雨と言うには強く、かといって豪雨という訳でもない、頑張れば出れないこともないけれどそこまでして外出するのは億劫、といった雨模様。活動的な彼女はそんな天候が少しばかり恨めしいようだ。
「家でのんびりするのは嫌かしら?」
「そんなことはないけど……」
語尾を濁すように彼女が口ごもる。抱きかかえられている状態から上半身だけ振り向いて、そんな彼女の頬に手を当てる。
「こうやって過ごすのも私は好きよ」
そのまま頬をさすると、彼女が頬を擦り寄せてくる。不意に見せられた可愛い仕草に、思わず口元が緩む。すると、私のお腹に回された腕にきゅっと力が入ったのを感じた。
「貴女がそういうのなら、今日はこのまま過ごしますかあ」
「ふふふ。ええ、そうしましょ」
……こういうのがあるから、雨の時期も悪くはないなと思えるのだ。
「家でのんびりするのは嫌かしら?」
「そんなことはないけど……」
語尾を濁すように彼女が口ごもる。抱きかかえられている状態から上半身だけ振り向いて、そんな彼女の頬に手を当てる。
「こうやって過ごすのも私は好きよ」
そのまま頬をさすると、彼女が頬を擦り寄せてくる。不意に見せられた可愛い仕草に、思わず口元が緩む。すると、私のお腹に回された腕にきゅっと力が入ったのを感じた。
「貴女がそういうのなら、今日はこのまま過ごしますかあ」
「ふふふ。ええ、そうしましょ」
……こういうのがあるから、雨の時期も悪くはないなと思えるのだ。