明智健悟
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今度定期考査があるそうですね。金田一君と七瀬さんがテスト対策に来ますから、良かったら凜華も来ませんか?」
明智からそんな電話をもらって、凜華ははじめ、美雪と共に明智のいるマンションへと向かった。
「お邪魔しまーす」
「どうぞ、上がってください」
いつ来ても整頓された、明智らしい綺麗な部屋。
「ほんと明智さんの部屋って綺麗だよな。なんか置いてねぇの?それこそいかがわしい本とかさ」
「はじめちゃん!明智さんと凜華ちゃんの前で何言ってるの!」
入るなりご挨拶なはじめを美雪が即座に背中を叩いてたしなめる。
「私はキミのような下心全開の男ではありませんからね。そのような物はありませんよ。それに…」
「わっ」
凜華を自分に引き寄せ、
「私には可愛い凜華がいますから、いかがわしい本に手を出していられるだけの余裕がありません」
そう勝ち誇ったようにイヤミを言った。
「くっそー!アンタは今日もイヤミ全開だな!」
「さぁ、勉強しますよ」
瓢々と言う明智にいくら太刀打ちしようとしても無駄だ。
「…明智さんやるわね」
「言われてる本人は恥ずかしくて堪らないよ……」
─────。
「明智さん、ここは…」
「何でしょう、凜華?Thisが指す問題ですか…。前のパラグラフの3行目から読んでみてください」
「はーい」
「明智さんここ分かんねぇよー…」
「ふ…おやおや、どこが分からないのですか金田一君?」
「くっそー、何で俺にはイヤミっぽく言って凜華ちゃんと対応が違うんだよ!」
机をバンバン叩いて怒るはじめに、明智は何の躊躇いもなく答えた。
「凜華と違って、キミは問題を全く解かないで聞くからですよ。少しは七瀬さんの苦労を知って反省しなさい」
それを聞いて更にはじめが腹を立てたのは、言うまでもない。
───。
しばらくすると、凜華と美雪の勉強は終わり、はじめと明智の1対1の対策が始まった。
「明智さんしか頼れなくて…。ごめんね、凜華ちゃん。せっかくの休暇なのに…。二人でゆっくりしたかったでしょ?」
勉強の邪魔にならないようにと、隣の部屋で明智とはじめの姿を見ながら美雪が謝った。
「大丈夫だよ?元々会う予定は無かったから、むしろ勉強できて良かったかな」
「そう?」
「もちろん!美雪ちゃんがそんなに気負いしなくてもいいんだよ?」
「…ありがとう、凜華ちゃん」
あれから数時間。
はじめも最初に比べて明智の話をしっかり聞き、随分と真面目に取り組むようになっていた。
「もうお昼ですね…。休憩ついでに何か食べましょうか」
明智が時計を見ると時刻は12時過ぎ。
「近くのレストランにでも行きますか?」
明智は真っ先に凜華を見たが、凜華はどうやら何か言いたそうにしている。
そして、後ろから美雪が後押しをしているのが分かった。
「凜華、言ってください」
明智の優しい言葉に決心したらしい。
凜華がゆっくりと口を開いた。
「あの…、美雪ちゃんとお昼作ろうかなって……」
「おーっ!マジで!?ナイス凜華ちゃん!俺は賛成っ!」
凜華が言い終わるか終わらないかのはじめの肯定意思表明。
「はじめちゃんは黙ってて」
有無を言わさぬ美雪の威圧力にはじめが萎縮した。
「す、すみません…」
「もちろんいいですよ。しかし、家にはそんなに材料が…」
「大丈夫です!家から持って来たので」
慌てて鞄から更に袋を取り出して見せる。
材料からどうやらパスタらしい。
最初からそのつもりだったのかと思うと、明智は凜華が愛しくてたまらなくなった。
「なるほど……じゃあ、二人ともお願いします」
お昼ができるまでの間、明智とはじめは再び勉強して待つ事になった。
「美雪と凜華ちゃんの手作りパスタかぁ…。早く食べたい…」
すっかり頭が食事に持って行かれたはじめを、すかさず明智が現実世界へと呼び戻した。
「金田一君。これができなければお昼は食べさせませんよ」
とたんにはじめの手が止まる。
「えぇーっ!?」
「当たり前です。さぁ、早く解きなさい。食事にありつきたいのなら」
「明智さんだって凜華ちゃんが気になって仕方ないクセに…」
ブツブツと文句を言いながら再び手を動かす。
確かにはじめが言う通り、気になっているのは事実。
今どの段階なんだろう。
凜華は何を作っているんだろう。
死角で見えないだけに、尚更気になる。
凜華と美雪の笑い声が聞こえる。
ついそちらに耳が傾いてしまう。
何を話したのだろう?
明智の思考も、気が付いたらキッチンに向いていた。
「…さん、明智さん!」
「、あぁ、すみません」
我に返ると、はじめはむすっとした顔ででも半ば嬉しそうに明智を見ていた。
「しっかりしてくれよ~。そんなに気になるなら美雪と代わればいいじゃん。美雪ー!明智さんと場所チェンジ!」
そしてキッチンにいる美雪を呼んで明智をキッチンに押し出した。
「金田一君…!」
あまりキッチンに行きたがらない明智に、更に行くようにはじめが耳打ちした。
「ま、ちゃんと勉強すっから。…凜華ちゃんばっか気にしてるようじゃまだまだ甘いぜ?」
「……」
悪戯っぽく言ったはじめに、珍しく反論できないまま、美雪と明智が代わった。
「パスタの出来具合はどうですか?」
明智がいざ来ても、凜華に手伝いを断られたため、ただ後ろにいるしかない。
「私が作った中ではなかなかいい方です。でもちょっと自信なくて…」
苦笑しながら話す凜華に、明智はそっと凜華に近付いた。
「大丈夫ですよ。凜華の作った料理はどれも絶品ですから。出来上がりが楽しみです」
そして軽く頬に口付けた。
「きゃっ!あ、明智さん料理中です!それにリビングには…」
驚いて振り返る凜華に、今度は唇に触れた。
さすがに今は触れるだけのキス。
「明智さん…!」
小声で少し怒り気味にたしなめると、
「あぁ、すみません。凜華があまりにも可愛いので、つい」
そう言って少し肩を竦めて見せた。
さらりと言いのけた明智、真っ赤になって文句を言う凜華の会話は、もちろん全部筒抜け。
凜華以上に、美雪とはじめは居心地の悪さを感じ、緊張するハメになった。
2013/10/13
12:09
2018/3/30
11:35
内容一部修正
如月凜華
明智からそんな電話をもらって、凜華ははじめ、美雪と共に明智のいるマンションへと向かった。
「お邪魔しまーす」
「どうぞ、上がってください」
いつ来ても整頓された、明智らしい綺麗な部屋。
「ほんと明智さんの部屋って綺麗だよな。なんか置いてねぇの?それこそいかがわしい本とかさ」
「はじめちゃん!明智さんと凜華ちゃんの前で何言ってるの!」
入るなりご挨拶なはじめを美雪が即座に背中を叩いてたしなめる。
「私はキミのような下心全開の男ではありませんからね。そのような物はありませんよ。それに…」
「わっ」
凜華を自分に引き寄せ、
「私には可愛い凜華がいますから、いかがわしい本に手を出していられるだけの余裕がありません」
そう勝ち誇ったようにイヤミを言った。
「くっそー!アンタは今日もイヤミ全開だな!」
「さぁ、勉強しますよ」
瓢々と言う明智にいくら太刀打ちしようとしても無駄だ。
「…明智さんやるわね」
「言われてる本人は恥ずかしくて堪らないよ……」
─────。
「明智さん、ここは…」
「何でしょう、凜華?Thisが指す問題ですか…。前のパラグラフの3行目から読んでみてください」
「はーい」
「明智さんここ分かんねぇよー…」
「ふ…おやおや、どこが分からないのですか金田一君?」
「くっそー、何で俺にはイヤミっぽく言って凜華ちゃんと対応が違うんだよ!」
机をバンバン叩いて怒るはじめに、明智は何の躊躇いもなく答えた。
「凜華と違って、キミは問題を全く解かないで聞くからですよ。少しは七瀬さんの苦労を知って反省しなさい」
それを聞いて更にはじめが腹を立てたのは、言うまでもない。
───。
しばらくすると、凜華と美雪の勉強は終わり、はじめと明智の1対1の対策が始まった。
「明智さんしか頼れなくて…。ごめんね、凜華ちゃん。せっかくの休暇なのに…。二人でゆっくりしたかったでしょ?」
勉強の邪魔にならないようにと、隣の部屋で明智とはじめの姿を見ながら美雪が謝った。
「大丈夫だよ?元々会う予定は無かったから、むしろ勉強できて良かったかな」
「そう?」
「もちろん!美雪ちゃんがそんなに気負いしなくてもいいんだよ?」
「…ありがとう、凜華ちゃん」
あれから数時間。
はじめも最初に比べて明智の話をしっかり聞き、随分と真面目に取り組むようになっていた。
「もうお昼ですね…。休憩ついでに何か食べましょうか」
明智が時計を見ると時刻は12時過ぎ。
「近くのレストランにでも行きますか?」
明智は真っ先に凜華を見たが、凜華はどうやら何か言いたそうにしている。
そして、後ろから美雪が後押しをしているのが分かった。
「凜華、言ってください」
明智の優しい言葉に決心したらしい。
凜華がゆっくりと口を開いた。
「あの…、美雪ちゃんとお昼作ろうかなって……」
「おーっ!マジで!?ナイス凜華ちゃん!俺は賛成っ!」
凜華が言い終わるか終わらないかのはじめの肯定意思表明。
「はじめちゃんは黙ってて」
有無を言わさぬ美雪の威圧力にはじめが萎縮した。
「す、すみません…」
「もちろんいいですよ。しかし、家にはそんなに材料が…」
「大丈夫です!家から持って来たので」
慌てて鞄から更に袋を取り出して見せる。
材料からどうやらパスタらしい。
最初からそのつもりだったのかと思うと、明智は凜華が愛しくてたまらなくなった。
「なるほど……じゃあ、二人ともお願いします」
お昼ができるまでの間、明智とはじめは再び勉強して待つ事になった。
「美雪と凜華ちゃんの手作りパスタかぁ…。早く食べたい…」
すっかり頭が食事に持って行かれたはじめを、すかさず明智が現実世界へと呼び戻した。
「金田一君。これができなければお昼は食べさせませんよ」
とたんにはじめの手が止まる。
「えぇーっ!?」
「当たり前です。さぁ、早く解きなさい。食事にありつきたいのなら」
「明智さんだって凜華ちゃんが気になって仕方ないクセに…」
ブツブツと文句を言いながら再び手を動かす。
確かにはじめが言う通り、気になっているのは事実。
今どの段階なんだろう。
凜華は何を作っているんだろう。
死角で見えないだけに、尚更気になる。
凜華と美雪の笑い声が聞こえる。
ついそちらに耳が傾いてしまう。
何を話したのだろう?
明智の思考も、気が付いたらキッチンに向いていた。
「…さん、明智さん!」
「、あぁ、すみません」
我に返ると、はじめはむすっとした顔ででも半ば嬉しそうに明智を見ていた。
「しっかりしてくれよ~。そんなに気になるなら美雪と代わればいいじゃん。美雪ー!明智さんと場所チェンジ!」
そしてキッチンにいる美雪を呼んで明智をキッチンに押し出した。
「金田一君…!」
あまりキッチンに行きたがらない明智に、更に行くようにはじめが耳打ちした。
「ま、ちゃんと勉強すっから。…凜華ちゃんばっか気にしてるようじゃまだまだ甘いぜ?」
「……」
悪戯っぽく言ったはじめに、珍しく反論できないまま、美雪と明智が代わった。
「パスタの出来具合はどうですか?」
明智がいざ来ても、凜華に手伝いを断られたため、ただ後ろにいるしかない。
「私が作った中ではなかなかいい方です。でもちょっと自信なくて…」
苦笑しながら話す凜華に、明智はそっと凜華に近付いた。
「大丈夫ですよ。凜華の作った料理はどれも絶品ですから。出来上がりが楽しみです」
そして軽く頬に口付けた。
「きゃっ!あ、明智さん料理中です!それにリビングには…」
驚いて振り返る凜華に、今度は唇に触れた。
さすがに今は触れるだけのキス。
「明智さん…!」
小声で少し怒り気味にたしなめると、
「あぁ、すみません。凜華があまりにも可愛いので、つい」
そう言って少し肩を竦めて見せた。
さらりと言いのけた明智、真っ赤になって文句を言う凜華の会話は、もちろん全部筒抜け。
凜華以上に、美雪とはじめは居心地の悪さを感じ、緊張するハメになった。
2013/10/13
12:09
2018/3/30
11:35
内容一部修正
如月凜華
1/8ページ