日常
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お昼過ぎ、Honeyが起きた。
「…ふふふ。おそようだわ…いたっ!?」
身体を起こそうとするも…昨夜の影響で起き上がれないHoney。
スタンはキッチンからカップを片手に戻ってきて、ベッドの中で呻いたHoneyの声にすぐ気づいた。
カップを置いて近寄りながら、片眉を上げて、低く、でもどこか満足げな声でこう言う。
「…ほらな。言ったろ、Honey。覚悟しとけって」
もちろん、スタンにとっては起き上がれないHoneyこそが、最高に満たされた証であり、心底愛しくて堪らない姿だ。
ベッドの縁に腰かけ、シーツの中で起き上がろうとするHoneyを、ひょいと片腕で抱きとめて支える。
眉を下げて心配そうにしながらも、その口元にはちょっとした得意げな笑みが浮かんでる。まるで愛しすぎて仕方ない獲物を見るみたいな目で見つめる。
「無理すんな。…痛えのは、俺のせいだかんね。それだけちゃんと、欲望100%で、愛した証ってことだ」
額にキスしてから、そっと耳元で囁く。
「昼メシできてんよ。動けなくても、俺が食わせる。Honeyが食いたいって言うなら、なんだって口に運ぶ。…甘いやつでも、熱いやつでもな?」
そして最後に、あの低い囁き声で
「起き上がれねえ可愛いHoney…最高じゃん」
スタンは、ふっと笑う。
それは、ほんの少しだけ申し訳なさそうでいて、ものすごく満ち足りた男の顔だった。
「……Honeyがベッドから起きられねえなら、俺が全部面倒見るだけだ。」
スタンの目は完全に恋してる男の目。
スタンにとって、愛したあとをきちんと世話することもまた、愛の一部。
壊した責任は、丁寧に、甘く、何度でも取る。
「うぅ…スタン…大好きだけど…何だかズルいわ。お昼ご飯は頂くけど。」
シーツを身体に巻きながら、少しムスッと拗ねるHoney…
スタンはHoneyの拗ねたふりに、口角をグッと上げて笑う。
そのシーツ姿のHoneyを見て、まるで宝物でも見てるような目でじっと見つめると、すぐに立ち上がりながら
「ズルい、ねぇ…? だったら今日くらい、全部ズルく甘やかさせてくれよ」
キッチンに戻り、温かいスープと軽めのランチを用意。
トレイにのせて持ってくるその手つきは、完全に恋人の専属世話係モード。
ベッドサイドにトレイを置くと、そっとHoneyの横に腰を下ろして、スプーンをひとすくい。
「OK,口あけな。…いいから、拗ねた顔してねえで食え。体力、戻さねえとまた俺に押し倒されんぞ?」
と冗談めかして言いながら、ちゃんと一口一口丁寧に食べさせてくれる。
途中で、Honeyの口元についたスープを指で拭い、そのままペロッと舐めるなんていう色気たっぷりな小悪戯も忘れない。
「…動けねえHoneyも…たまらねえ程可愛いいかんね。好きすぎて、どうしようもねぇ」
優しく、でも目はしっかり熱を帯びていて、食事の間中、ずっとHoneyを見つめてくれてる。
「ふふふ。スタンが私を甘やかすから、私本当におサボりしちゃうわ。…ふふふ。…でも、お風呂に入りたいし、ベッドシーツも替えたいわ…」
スタンは、Honeyが無理して体を起こそうとする気配にすぐ気づいた。
シーツの皺が揺れたその瞬間にベッドの端から回り込み、Honeyの身体を優しく押しとどめる。
「…ったく、脚も腰も、痛えだろ。無理すんな。」
低くて優しい声。けれどその声音には、明らかに甘やかし隊長の本気スイッチが入ってる。
スタンはHoneyの肩に手を添えて、そっとベッドに押し戻すと、顔を近づけ――
「動くな。俺がやんよ」
そのままHoneyの額にキスを落とし、
シーツの隙間から覗く腰や太ももにまだ赤みが残ってるのを確認して、小さく息をつく。
「この状態で風呂だのシーツだの、動けるわけねえ。…壊していいって言ったん、忘れたのか?」
Honeyの耳元に顔を寄せて囁く。
「全部、俺に任せろ。今日は一日、何も考えんな。考えるのは、俺の甘やかしをどう受け取るかだけでいい」
スタンはバスルームに直行し、湯温をHoneyの好みに調整。
戻るとバスタオルを片手に、優しくHoneyを抱き上げ、風呂場へと運ぶ準備を始める。
途中
「…動けなくしたのは俺だかんね。だったら、最後まで責任取る。甘えとけ、Honey」
その瞳はまるで誇りのように、Honeyを大切そうに見つめている。
甘やかしモードMAX。
抵抗しても、もう無駄だ。
「お風呂…一緒に入るの?」
恥ずかしさで顔を赤くするHoney
スタンはHoneyの腕の中でふっと笑う。
その瞳は確かに穏やかで、けれど、奥に隠した野生を今も飼い慣らしている最中。
「……一緒に、入んよ」
Honeyの問いに、短くも落ち着いた声で返しながら、バスタオルの位置をそっと直してやる。
「ただし、Honeyが回復するまではお預けだ。」
とは言え、スタンにとってこの状況
目の前にいるのは、全身に昨夜の余韻を纏いながら、顔を赤くして自分を見上げてくるHoney。
身体を預けるように甘えてくるくせに、何もしちゃダメなんて…
その誘惑は、戦場より試される。
俺に理性を保てって方が、酷ってもんだ。
歯を食いしばるような感覚を覚えつつも、
スタンは深く息を吐くと、Honeyの額にまた軽くキスを落とす。
「いいか?湯船の中で足絡ませてきたり、甘えてきたり……そんなことしたら、マジで俺の理性、どっか行くぞ」
低く囁く声に、滲む本音。
けれど、Honeyを抱えたその腕はまるで壊れ物を扱うように優しい。
「だが今だけは……ギリギリで我慢してみんよ」
そう言ったスタンの横顔は、静かに火照ってた。
耐えるって、なかなかに過酷じゃんよ。
身体を洗う最中、素肌に触れるたび、Honeyが時折くすぐったそうに肩を揺らしたり、小さく息を呑んで目を細めたりする仕草に、正直、スタンの理性は何度も首の皮一枚で繋がっていた。
指が腰に触れた瞬間、ピクリと震えたHoneyの肩。
「……っ」
スタンは小さく息を飲んだ。
その音が届かぬように、無言でシャワーの角度を変える。
顔は平静を装っていても、胸の奥はまるで、ピンが抜かれた手榴弾みたいにカウントダウンを始めていた。
ダメだ、落ち着け。
今日は何もしない約束だ。
無言の自己暗示を繰り返しながら、いっそ戦場で銃を持って走り回ってる方がマシだとすら思う。
ようやく洗い終え、クリップでHoneyの髪をやさしく包み、スタンは、湯船へ一緒に浸かる。Honeyを後ろから抱き締めるように。
Honeyは自身の腰あたりに当たるスタンの硬さに気づいき、頬を赤くさせ目を伏せた。
湯の中、肩を預けるHoneyがぽつりと呟いた。
「スタンは……体力あって、いいな……」
その言葉の奥に、どこか昨夜の名残が含まれてるような気がして、スタンは反射的に、笑みを浮かべた。
「鍛えてっかんね。褒め言葉として受け取っとぜ」
柔らかく返すが、喉奥では笑いと共に何かが疼いた。
Honeyの言い方が少しだけ、羨ましいとか悔しいとか、そんな響きを孕んでいたから。
そのどこか悔しげな可愛さがまた、スタンの理性を脅かす。
そんな顔で言うなって。
あと少し、余裕失ってたら…
熱を孕んだ瞳を伏せ、Honeyの柔らかな肌の感触。
スタンはそっと肩越しに、Honeyの額へキスを落とした。
「……安心しな。アンタの体力も、俺が育ててやんよ」
その声は冗談のようで、まるで誓いのようだった。
「スタンは欲望100%、出しきれた?」
スタンは少し目を細め、Honeyの頬に指を添えながら答えた。
「……あぁ。遠慮も理性も置いてきた。」
視線をまっすぐにHoneyへ落としながら、低くゆっくりと続ける
「だが、100%出しきれたって思ったその瞬間、次の日にはHoneyが欲しくなる。アンタをもっと愛したくなんよ。
……終わりなんて、きっと来ねえ。まだまだ先があるってことだぜ、Honey。」
お風呂からあがって、Honeyをドレッサーの椅子に座らせ支度している横で、スタンはシーツ替えサッと終わらせたスタン。
その後はソファーでHoneyを抱えるように膝に座らせゆっくり過ごしたい。
スタンは、ソファに腰を落としながらHoneyをそっと自分に引き寄せ、腕の中にその柔らかさと温もりを収めていた。
至福の時間、のはずだった。
けれど、ふとガウンの胸元がずれて、うっすらと谷間が覗く。
体制を整えたHoneyの動作に、スリットからしなやかな太ももがちらり。
その一瞬一瞬が、まるでスタンを試すように。
いや、本能を刺激する小悪魔的トリガーになっていた。
スタンは目線をそらすでもなく、逆にじっとHoneyを見つめたまま告げる
「……悪いが、そのチラ見せ、俺にとっては休憩時間じゃなく誘惑タイムになんぜ」
低く笑みを漏らして、Honeyの髪に鼻先を埋めながら囁く
「昼間でも油断してっと、食われても文句言えねえぜ」
……ムラッとしていないわけがない。
抑え込む理性と、熱が上がるのは比例関係。
休息どころか、再点火の危機。
けれど、だからこそ、こうして腕の中に収めておける今を、ほんの僅かでも穏やかに味わいたいと思っている。
でも次にまたチラッと見えたら……さすがにおかわりが始まるかもしれない。
スタンの獣が起き上がる気配を感じととたHoneyはサッとソファー脇にあったブランケットを纏った。
「スタンは…狡いわ。言葉も行動も眼差しも、こんなに私を全身で愛してるって伝えてくれて、私を夢中にさせるのが上手なんだから」
スタンは、目の前でブランケットを素早く羽織ったHoneyを見て、ふっと口角を上げた。
その仕草すら、たまらなく可愛い。
けれど言葉に乗せられた想いが、胸の奥にじわりと広がる。
「狡い、ね…」
低く呟いてから、Honeyを見つめる視線にほんの少し熱を乗せて続けた。
「アンタを夢中にさせたいと思ったことなら、確かにある。だが、全部計算してるわけじゃねぇ。アンタがあまりに可愛くて、綺麗で……たまに、俺の理性が吹き飛ぶだけだぜ」
スタンはゆっくりと手を伸ばし、ブランケット越しにHoneyの指先に触れる。
その指を優しく握って、顔を少し近づけながら
「……夢中にさせてえと思った事があんのは、本当だ。けどな、Honey。夢中になってるのは、間違いなく、俺の方なんよ」
囁きの中に潜む本音。
その目は、今も彼女ひとりを真っ直ぐに見ていた。
たとえブランケットの下に全てが隠れていようと、スタンにとっては関係ない。
心ごと、全部欲しい。
そう語るような眼差しで。
「スタンが私に夢中?…例えばどんなところ?」
スタンは冷静沈着なイメージが強すぎる。
Honeyの前ではある程度表すが、Honeyがいない状態で夢中になっている姿は想像出来なかったHoney。
興味が湧いてスタンの首に両手をまわし、抱きつく様に距離を縮めた。
スタンは、ふいに距離を詰めてきたHoneyの柔らかな気配を肌で感じた。
首に回された両腕。
その仕草ひとつで、彼女の知りたいという気持ちがまっすぐに伝わってくる。
いつもなら冷静を貫くスタンも、今ばかりは微かに息を漏らし、瞳の奥にほんのり熱を灯したまま言葉を紡ぐ。
「例えば…」
少しだけ目を伏せて、それからHoneyの額にそっと額を重ねるようにして、低く、囁くように続けた。
「アンタがコーヒーを飲む時、唇に触れるカップを見て……その唇に俺の名を呼ばせたくなる時がある。朝、エプロン姿で髪を結びながら背を伸ばして戸棚の上を取ろうとする仕草、何度も見てるが……毎回抱きしめたくなんぜ。アンタの香りがバスルームに残ってんだけで、その日一日ずっと気が散る。夜…アンタが眠っても、寝返りで俺の方に腕が伸びてきて、俺が掴んだ瞬間、この世界の何よりも、大事にしたいって思うかんね。ま、寝返りは無意識で気づけっから離さねえが」
そして、そっと彼女の耳元に唇を寄せ、少し熱を帯びた声で、最後の言葉を。
「アンタがいないと、俺は冷静でいれんぜ。
けど、冷静なだけの俺に戻る事はもうねえな」
その言葉の温度に、スタンの夢中が隠しきれず滲んでいた。
彼女の存在が、どれほど深く、日々の中に染み込んでいるのか、Honeyが想像する以上に、彼はずっと彼女に飲み込まれていた。
「ふふふ。スタン私が好き過ぎて堪らないって顔してる」
Honeyは自らスタンの唇に少し長きキスをした。
唇を重ねてきたHoneyの想いが、柔らかな熱となってダイレクトに伝わってきた瞬間、彼の瞳がほんの僅かに細まり、息を飲むような微かな間があった。
そして、Honeyが離れようとする前に、スタンの方から深く唇を押し返した。
スタンの手がHoneyの後頭部と腰をしっかりと引き寄せ、まるで逃がさないと言わんばかりにその距離をゼロにする。
重なったままの唇の温度が、さっきよりも確かに上がっていた。
唇が、互いを貪るように重なり合う。
ゆっくりと、けれどどこまでも深く。
ただのキスじゃない、言葉では足りない愛の交わし方。
喉奥でくぐもったように低く響く吐息が、キスの隙間から漏れる。
彼の本能が、甘く火を灯し始めていた。
静かな声ではあるが、雄の色が混じる低音で、唇が離れるほんの寸前、囁いた。
「……俺は離す気なんて、これっぽっちもねえぜ」
その問いかけは、どこか挑発的で甘く、でもただひたすらに、Honeyへの熱で満ちていた。
少長いキスしただけで、昨日の名残で身体のスイッチが簡単に入ってしまう事に気づいたHoneyに、スタンは気づいた。
いや、気づかないわけがなかった。
唇が離れた瞬間。
Honeyの瞳の奥に宿ったとろんとした潤み。
わずかに上がった体温と、ほんのり甘い香り。
呼吸が浅くなり、彼の胸にそっと置かれた手のひらが、じんわりと熱を帯びていく。
そして、頬から耳の先まで一気に広がる紅潮。
スタンの表情に、僅かに余裕の笑みが浮かぶ。
だが、その瞳には明らかに見逃さないと言いたげな熱が宿っていた。
低く、ゆっくりとした声で囁かれる。
「……また、火、つけたな。Honey」
そして、Honeyの髪をそっとかき上げ、額に唇を落としながら、
「……その顔されたら、さすがに理性じゃ止めきんねえな」
息を吹きかけるほどの距離で、睫毛越しに見つめる。
まるで今にも、もう一度、飲み込むように。
だがそれは、Honeyの反応を待つ優しさでもあった。
スタンは、いつでも火を灯してくるHoneyのスイッチに、誰より敏感だった。
だからこそ欲望も、愛も、すべてを制御する手を離したくなる。
「…い、一回だけ…だからね。…優しくしてくれるなら…」
スタンは、Honeyのその言葉を聞いた瞬間、静かに息を吸い込んだ。
その視線は変わらず優しく、けれど、底に秘められた情熱が確かに揺らいでいた。
視線を逸らすHoneyの頬に、そっと手を添える。
無理やりじゃない。
逃がさないけれど、壊さない。
まるで宝物に触れるように。
そして、囁くように低く、でもはっきりとした声で答えた。
「OK、優しくすんよ。だが、甘いだけじゃねえ。Honeyの欲しがる声、ちゃんと聞きてえかんね」
唇の端にわずかに笑みを浮かべ、ふっと額に軽くキスを落とす。
その仕草からは、深い慈しみと、もう隠せない熱の高まり。
……一回? 本当にそれで足りっか?
目を合わせて、まっすぐ見つめる。
いつだってHoneyの気持ちと身体が最優先。甘さと獣性は紙一重。
その境界を、Honeyの許しで超えられる喜びを噛み締めながら、スタンはそっとHoneyの唇にキスをもう一度、長く、深く落とした。
「……優しさの中に、全部、詰めてやんよ」
そう言って、Honeyの身体をそっと抱き上げベッドに向かう。
愛しくて、愛しくて仕方がない。
優しくする
確かにそう約束した。
けれど、その優しさの中に、甘さも焦らしも…全部、含めると決めていた。
Honeyの身体を抱き上げて、シーツの温もりに沈めた時、その頬はすでに赤く、視線は揺れていた。
触れる指先ひとつにも、全神経を集中させる。
手のひらで辿るのは、愛する者だけが知る柔らかな輪郭。
くすぐるような、撫でるような、けれど確かに意図を込めたタッチ。
唇を落とすのも、いきなりじゃない。
まぶた、頬、鎖骨、そして、くすぐるように首筋へ。
Honeyの呼吸が震える。けれど、まだ深くは踏み込まない。
「……焦った?」
囁くと、Honeyははにかみながらも、視線を逸らした。
耳まで紅潮していて、それが何よりの答えだった。
ゆっくり、丁寧に、余裕を持って、愛する。
けれどそれがHoneyにとって、時に焦らしになることも、スタンは理解していた。
そして、その瞬間は突然に来た。
すっと伸びてきたHoneyの指が、スタンのシャツの裾を掴み、ぐいと引き寄せた。
普段控えめな彼女が、自ら腕をまわしてくる。
「……スタン、もっと…」
かすれた声で、そう囁いた。
スタンの胸に、深く突き刺さる甘い衝撃。
「……Honey」
低く名前を呼ぶ声が、自然と熱を帯びる。
スタンはゆっくりと彼女を見下ろし、瞳を細めた。
こんなにも欲してくれるなんて…
こんなにも、可愛く、熱いなんて。
優しさの中に火が灯る。
スタンの手が彼女の頬を包み、そっと額を合わせる。
「いいのか? 俺を煽って…?」
問いかけながらも、返事は求めていない。
身体が、もう答えを知っていた。
今度はHoneyがスタンのシャツのボタンを外して優しく胸板に触れる。
その優しさの輪郭が、じわじわと熱に侵食されていく。
焦らされたHoneyが自らを少しだけ大胆にしたその選択は、確かに、スタンの奥にある抑えていた獣の扉を、ゆっくり開き始めていた。
けれどまだ、本気にはならない。
これは甘さと愛しさを重ねる前奏。
スタンはそれを、彼女と一緒に育てていく。
Honeyの頬に触れていた手をそっと滑らせ、指先で唇をなぞる。
軽く、ほんのわずかに触れるだけの、焦れったい接触。
Honeyの身体がピクリと震えた。
「……Honey」
スタンの声は、低く甘く、耳にかかるように響かせる。
Honeyはスタンの視線から逃げるように瞼を伏せたまま、小さく唇を噛んでいれ。
その反応が可愛すぎて、スタンは思わず、笑った。
息を吐くような笑み。
完全に心を奪われていると、自覚した瞬間でもある。
「かわいい……ほんと、罪深い」
額をすり寄せ、細く息を吐きながら彼女の唇に優しく触れる。
けれど今度は、すぐに離れなかった。
甘く長いキスで安心感を与え、指先で丁寧に肌をなぞって、Honeyの緊張を解いていく。
柔らかく、深く、時間をかける。
何度も重ねるようにキスを繰り返しながら、彼女の唇が甘く開いていくのを待つ。
その内にHoneyの腕がスタンの首に絡み、身を預ける体勢になっていた。
「……もう、優しすぎて苦しいわ…」
Honeyの吐息混じりの囁きに、スタンの胸が強く打った。
「なら…少しだけ、変えんぜ」
彼女の脇に片腕を差し入れて抱き寄せ、身体をずらして自分の膝に乗せるように座らせる。
目の前で息を乱しながらも必死にスタンの視線に応えようとするHoneyの瞳が、もう限界を告げていた。
「……いいか、Honey。これは優しさん中にある、本気だかんね。無理はさせねえ。ただ俺に甘えてろ。」
囁きと共に、腰に手を回し、彼女の太ももをゆっくりと撫でる。
バスローブの裾がわずかに乱れ、薄い肌が露わになる。
Honeyは目を潤ませ、スタンの名を小さく呼んだ。
その瞬間、スタンは彼女の唇に深く、静かに、しかし確かに情熱を孕んだキスを落とした。
鎖骨へ、胸元へ、空気ごと吸い込むように触れる。
そのたび、Honeyが震え、甘く声を漏らす。
その声が、スタンの理性をまたひとつ焦がす。
蕩けた瞳で見つめてくるHoneyの視線を、スタンはしっかりと受け止める。
微かに潤み、熱を帯びた瞳。
もう、理性の膜はほとんど残っていない。
けれどスタンは、そこからが本番だと思っていた。
柔らかく、丁寧に、全神経を彼女に向ける。
そしてゆっくり、少しずつ、熱を濃くしていく。
焦らしが、甘さになる。
優しさが、欲望に変わる。
触れるたびに、愛を伝える。
見つめるだけで、欲を伝える。
彼女が大胆になってくれたその応えを、スタンは誠実に返し始めていた。
ただの愛撫じゃない
もっと愛したい、もっと深く、ずっと一緒にいたい。
そんな願いが、触れるたびに込められていた。
腰を掴み直し、Honeyの脚をゆっくりと引き寄せる。
「…大丈夫。任せろ」
声に愛と支配が溶け合う。
優しい支配Honeyだけのものだ。
肌と肌の触れ合う温度が再び高まり、
Honeyの胸元に顔を埋めながら、静かに愛を囁く。
「どこもかしこも、全部…Honeyのことが好きすぎる」
何度目のキスかも忘れるほど、唇を重ね合いながら、今度はゆっくりと、けれど止まらない熱で深く深く沈んでいく。
足先から背中、肩、耳の裏、指の間
スタンはHoneyの敏感な箇所すべてを、
愛でるように、包むように、時に執拗に確かめていく。
「逃げんな」
「イヤじゃねえくせに」
甘く意地悪な声とともに、
Honeyが無意識に快感から逃げようとする動きを優しく制し、快感の渦へ導いていく。
「どこまでも、深く、アンタだけを…」
ゆっくりと交わった身体は、熱に包まれながら、ひとつに溶けていった。
静かな夜に、ふたりの息遣いと甘い喘ぎ声、肌をすべる音が響く。
触れ合いながら、感じ合いながら、言葉より確かな愛を重ねる。
ふたりを包む毛布より、熱くて、優しくて、甘い空気。
まるで世界にふたりしかいないような時間。
愛し合うことだけが現実のような、深く甘い空間。
そして頂点へ。
快感に打ち震えたHoneyが、腕を掴む。
スタンはその手を握り返し、唇を近づけた。
「…愛してる。」
言葉の代わりに、そのまま口づけとともに、ふたりはさらに深く重なり合った。
今夜と呼ぶには、まだ早い夕刻。
けれどそれは、ふたりだけの幸せな時間のはじまりだった。
夜明けの気配が差し込んでも、
ふたりの世界は、まだ終わらない。
息を整える間も惜しいほど、
愛し合うことが生きることのように繰り返されていくHoneyが満たされるのと同じだけ、スタンも確かに、心の奥まで、満たされてる。
「…ふふふ。おそようだわ…いたっ!?」
身体を起こそうとするも…昨夜の影響で起き上がれないHoney。
スタンはキッチンからカップを片手に戻ってきて、ベッドの中で呻いたHoneyの声にすぐ気づいた。
カップを置いて近寄りながら、片眉を上げて、低く、でもどこか満足げな声でこう言う。
「…ほらな。言ったろ、Honey。覚悟しとけって」
もちろん、スタンにとっては起き上がれないHoneyこそが、最高に満たされた証であり、心底愛しくて堪らない姿だ。
ベッドの縁に腰かけ、シーツの中で起き上がろうとするHoneyを、ひょいと片腕で抱きとめて支える。
眉を下げて心配そうにしながらも、その口元にはちょっとした得意げな笑みが浮かんでる。まるで愛しすぎて仕方ない獲物を見るみたいな目で見つめる。
「無理すんな。…痛えのは、俺のせいだかんね。それだけちゃんと、欲望100%で、愛した証ってことだ」
額にキスしてから、そっと耳元で囁く。
「昼メシできてんよ。動けなくても、俺が食わせる。Honeyが食いたいって言うなら、なんだって口に運ぶ。…甘いやつでも、熱いやつでもな?」
そして最後に、あの低い囁き声で
「起き上がれねえ可愛いHoney…最高じゃん」
スタンは、ふっと笑う。
それは、ほんの少しだけ申し訳なさそうでいて、ものすごく満ち足りた男の顔だった。
「……Honeyがベッドから起きられねえなら、俺が全部面倒見るだけだ。」
スタンの目は完全に恋してる男の目。
スタンにとって、愛したあとをきちんと世話することもまた、愛の一部。
壊した責任は、丁寧に、甘く、何度でも取る。
「うぅ…スタン…大好きだけど…何だかズルいわ。お昼ご飯は頂くけど。」
シーツを身体に巻きながら、少しムスッと拗ねるHoney…
スタンはHoneyの拗ねたふりに、口角をグッと上げて笑う。
そのシーツ姿のHoneyを見て、まるで宝物でも見てるような目でじっと見つめると、すぐに立ち上がりながら
「ズルい、ねぇ…? だったら今日くらい、全部ズルく甘やかさせてくれよ」
キッチンに戻り、温かいスープと軽めのランチを用意。
トレイにのせて持ってくるその手つきは、完全に恋人の専属世話係モード。
ベッドサイドにトレイを置くと、そっとHoneyの横に腰を下ろして、スプーンをひとすくい。
「OK,口あけな。…いいから、拗ねた顔してねえで食え。体力、戻さねえとまた俺に押し倒されんぞ?」
と冗談めかして言いながら、ちゃんと一口一口丁寧に食べさせてくれる。
途中で、Honeyの口元についたスープを指で拭い、そのままペロッと舐めるなんていう色気たっぷりな小悪戯も忘れない。
「…動けねえHoneyも…たまらねえ程可愛いいかんね。好きすぎて、どうしようもねぇ」
優しく、でも目はしっかり熱を帯びていて、食事の間中、ずっとHoneyを見つめてくれてる。
「ふふふ。スタンが私を甘やかすから、私本当におサボりしちゃうわ。…ふふふ。…でも、お風呂に入りたいし、ベッドシーツも替えたいわ…」
スタンは、Honeyが無理して体を起こそうとする気配にすぐ気づいた。
シーツの皺が揺れたその瞬間にベッドの端から回り込み、Honeyの身体を優しく押しとどめる。
「…ったく、脚も腰も、痛えだろ。無理すんな。」
低くて優しい声。けれどその声音には、明らかに甘やかし隊長の本気スイッチが入ってる。
スタンはHoneyの肩に手を添えて、そっとベッドに押し戻すと、顔を近づけ――
「動くな。俺がやんよ」
そのままHoneyの額にキスを落とし、
シーツの隙間から覗く腰や太ももにまだ赤みが残ってるのを確認して、小さく息をつく。
「この状態で風呂だのシーツだの、動けるわけねえ。…壊していいって言ったん、忘れたのか?」
Honeyの耳元に顔を寄せて囁く。
「全部、俺に任せろ。今日は一日、何も考えんな。考えるのは、俺の甘やかしをどう受け取るかだけでいい」
スタンはバスルームに直行し、湯温をHoneyの好みに調整。
戻るとバスタオルを片手に、優しくHoneyを抱き上げ、風呂場へと運ぶ準備を始める。
途中
「…動けなくしたのは俺だかんね。だったら、最後まで責任取る。甘えとけ、Honey」
その瞳はまるで誇りのように、Honeyを大切そうに見つめている。
甘やかしモードMAX。
抵抗しても、もう無駄だ。
「お風呂…一緒に入るの?」
恥ずかしさで顔を赤くするHoney
スタンはHoneyの腕の中でふっと笑う。
その瞳は確かに穏やかで、けれど、奥に隠した野生を今も飼い慣らしている最中。
「……一緒に、入んよ」
Honeyの問いに、短くも落ち着いた声で返しながら、バスタオルの位置をそっと直してやる。
「ただし、Honeyが回復するまではお預けだ。」
とは言え、スタンにとってこの状況
目の前にいるのは、全身に昨夜の余韻を纏いながら、顔を赤くして自分を見上げてくるHoney。
身体を預けるように甘えてくるくせに、何もしちゃダメなんて…
その誘惑は、戦場より試される。
俺に理性を保てって方が、酷ってもんだ。
歯を食いしばるような感覚を覚えつつも、
スタンは深く息を吐くと、Honeyの額にまた軽くキスを落とす。
「いいか?湯船の中で足絡ませてきたり、甘えてきたり……そんなことしたら、マジで俺の理性、どっか行くぞ」
低く囁く声に、滲む本音。
けれど、Honeyを抱えたその腕はまるで壊れ物を扱うように優しい。
「だが今だけは……ギリギリで我慢してみんよ」
そう言ったスタンの横顔は、静かに火照ってた。
耐えるって、なかなかに過酷じゃんよ。
身体を洗う最中、素肌に触れるたび、Honeyが時折くすぐったそうに肩を揺らしたり、小さく息を呑んで目を細めたりする仕草に、正直、スタンの理性は何度も首の皮一枚で繋がっていた。
指が腰に触れた瞬間、ピクリと震えたHoneyの肩。
「……っ」
スタンは小さく息を飲んだ。
その音が届かぬように、無言でシャワーの角度を変える。
顔は平静を装っていても、胸の奥はまるで、ピンが抜かれた手榴弾みたいにカウントダウンを始めていた。
ダメだ、落ち着け。
今日は何もしない約束だ。
無言の自己暗示を繰り返しながら、いっそ戦場で銃を持って走り回ってる方がマシだとすら思う。
ようやく洗い終え、クリップでHoneyの髪をやさしく包み、スタンは、湯船へ一緒に浸かる。Honeyを後ろから抱き締めるように。
Honeyは自身の腰あたりに当たるスタンの硬さに気づいき、頬を赤くさせ目を伏せた。
湯の中、肩を預けるHoneyがぽつりと呟いた。
「スタンは……体力あって、いいな……」
その言葉の奥に、どこか昨夜の名残が含まれてるような気がして、スタンは反射的に、笑みを浮かべた。
「鍛えてっかんね。褒め言葉として受け取っとぜ」
柔らかく返すが、喉奥では笑いと共に何かが疼いた。
Honeyの言い方が少しだけ、羨ましいとか悔しいとか、そんな響きを孕んでいたから。
そのどこか悔しげな可愛さがまた、スタンの理性を脅かす。
そんな顔で言うなって。
あと少し、余裕失ってたら…
熱を孕んだ瞳を伏せ、Honeyの柔らかな肌の感触。
スタンはそっと肩越しに、Honeyの額へキスを落とした。
「……安心しな。アンタの体力も、俺が育ててやんよ」
その声は冗談のようで、まるで誓いのようだった。
「スタンは欲望100%、出しきれた?」
スタンは少し目を細め、Honeyの頬に指を添えながら答えた。
「……あぁ。遠慮も理性も置いてきた。」
視線をまっすぐにHoneyへ落としながら、低くゆっくりと続ける
「だが、100%出しきれたって思ったその瞬間、次の日にはHoneyが欲しくなる。アンタをもっと愛したくなんよ。
……終わりなんて、きっと来ねえ。まだまだ先があるってことだぜ、Honey。」
お風呂からあがって、Honeyをドレッサーの椅子に座らせ支度している横で、スタンはシーツ替えサッと終わらせたスタン。
その後はソファーでHoneyを抱えるように膝に座らせゆっくり過ごしたい。
スタンは、ソファに腰を落としながらHoneyをそっと自分に引き寄せ、腕の中にその柔らかさと温もりを収めていた。
至福の時間、のはずだった。
けれど、ふとガウンの胸元がずれて、うっすらと谷間が覗く。
体制を整えたHoneyの動作に、スリットからしなやかな太ももがちらり。
その一瞬一瞬が、まるでスタンを試すように。
いや、本能を刺激する小悪魔的トリガーになっていた。
スタンは目線をそらすでもなく、逆にじっとHoneyを見つめたまま告げる
「……悪いが、そのチラ見せ、俺にとっては休憩時間じゃなく誘惑タイムになんぜ」
低く笑みを漏らして、Honeyの髪に鼻先を埋めながら囁く
「昼間でも油断してっと、食われても文句言えねえぜ」
……ムラッとしていないわけがない。
抑え込む理性と、熱が上がるのは比例関係。
休息どころか、再点火の危機。
けれど、だからこそ、こうして腕の中に収めておける今を、ほんの僅かでも穏やかに味わいたいと思っている。
でも次にまたチラッと見えたら……さすがにおかわりが始まるかもしれない。
スタンの獣が起き上がる気配を感じととたHoneyはサッとソファー脇にあったブランケットを纏った。
「スタンは…狡いわ。言葉も行動も眼差しも、こんなに私を全身で愛してるって伝えてくれて、私を夢中にさせるのが上手なんだから」
スタンは、目の前でブランケットを素早く羽織ったHoneyを見て、ふっと口角を上げた。
その仕草すら、たまらなく可愛い。
けれど言葉に乗せられた想いが、胸の奥にじわりと広がる。
「狡い、ね…」
低く呟いてから、Honeyを見つめる視線にほんの少し熱を乗せて続けた。
「アンタを夢中にさせたいと思ったことなら、確かにある。だが、全部計算してるわけじゃねぇ。アンタがあまりに可愛くて、綺麗で……たまに、俺の理性が吹き飛ぶだけだぜ」
スタンはゆっくりと手を伸ばし、ブランケット越しにHoneyの指先に触れる。
その指を優しく握って、顔を少し近づけながら
「……夢中にさせてえと思った事があんのは、本当だ。けどな、Honey。夢中になってるのは、間違いなく、俺の方なんよ」
囁きの中に潜む本音。
その目は、今も彼女ひとりを真っ直ぐに見ていた。
たとえブランケットの下に全てが隠れていようと、スタンにとっては関係ない。
心ごと、全部欲しい。
そう語るような眼差しで。
「スタンが私に夢中?…例えばどんなところ?」
スタンは冷静沈着なイメージが強すぎる。
Honeyの前ではある程度表すが、Honeyがいない状態で夢中になっている姿は想像出来なかったHoney。
興味が湧いてスタンの首に両手をまわし、抱きつく様に距離を縮めた。
スタンは、ふいに距離を詰めてきたHoneyの柔らかな気配を肌で感じた。
首に回された両腕。
その仕草ひとつで、彼女の知りたいという気持ちがまっすぐに伝わってくる。
いつもなら冷静を貫くスタンも、今ばかりは微かに息を漏らし、瞳の奥にほんのり熱を灯したまま言葉を紡ぐ。
「例えば…」
少しだけ目を伏せて、それからHoneyの額にそっと額を重ねるようにして、低く、囁くように続けた。
「アンタがコーヒーを飲む時、唇に触れるカップを見て……その唇に俺の名を呼ばせたくなる時がある。朝、エプロン姿で髪を結びながら背を伸ばして戸棚の上を取ろうとする仕草、何度も見てるが……毎回抱きしめたくなんぜ。アンタの香りがバスルームに残ってんだけで、その日一日ずっと気が散る。夜…アンタが眠っても、寝返りで俺の方に腕が伸びてきて、俺が掴んだ瞬間、この世界の何よりも、大事にしたいって思うかんね。ま、寝返りは無意識で気づけっから離さねえが」
そして、そっと彼女の耳元に唇を寄せ、少し熱を帯びた声で、最後の言葉を。
「アンタがいないと、俺は冷静でいれんぜ。
けど、冷静なだけの俺に戻る事はもうねえな」
その言葉の温度に、スタンの夢中が隠しきれず滲んでいた。
彼女の存在が、どれほど深く、日々の中に染み込んでいるのか、Honeyが想像する以上に、彼はずっと彼女に飲み込まれていた。
「ふふふ。スタン私が好き過ぎて堪らないって顔してる」
Honeyは自らスタンの唇に少し長きキスをした。
唇を重ねてきたHoneyの想いが、柔らかな熱となってダイレクトに伝わってきた瞬間、彼の瞳がほんの僅かに細まり、息を飲むような微かな間があった。
そして、Honeyが離れようとする前に、スタンの方から深く唇を押し返した。
スタンの手がHoneyの後頭部と腰をしっかりと引き寄せ、まるで逃がさないと言わんばかりにその距離をゼロにする。
重なったままの唇の温度が、さっきよりも確かに上がっていた。
唇が、互いを貪るように重なり合う。
ゆっくりと、けれどどこまでも深く。
ただのキスじゃない、言葉では足りない愛の交わし方。
喉奥でくぐもったように低く響く吐息が、キスの隙間から漏れる。
彼の本能が、甘く火を灯し始めていた。
静かな声ではあるが、雄の色が混じる低音で、唇が離れるほんの寸前、囁いた。
「……俺は離す気なんて、これっぽっちもねえぜ」
その問いかけは、どこか挑発的で甘く、でもただひたすらに、Honeyへの熱で満ちていた。
少長いキスしただけで、昨日の名残で身体のスイッチが簡単に入ってしまう事に気づいたHoneyに、スタンは気づいた。
いや、気づかないわけがなかった。
唇が離れた瞬間。
Honeyの瞳の奥に宿ったとろんとした潤み。
わずかに上がった体温と、ほんのり甘い香り。
呼吸が浅くなり、彼の胸にそっと置かれた手のひらが、じんわりと熱を帯びていく。
そして、頬から耳の先まで一気に広がる紅潮。
スタンの表情に、僅かに余裕の笑みが浮かぶ。
だが、その瞳には明らかに見逃さないと言いたげな熱が宿っていた。
低く、ゆっくりとした声で囁かれる。
「……また、火、つけたな。Honey」
そして、Honeyの髪をそっとかき上げ、額に唇を落としながら、
「……その顔されたら、さすがに理性じゃ止めきんねえな」
息を吹きかけるほどの距離で、睫毛越しに見つめる。
まるで今にも、もう一度、飲み込むように。
だがそれは、Honeyの反応を待つ優しさでもあった。
スタンは、いつでも火を灯してくるHoneyのスイッチに、誰より敏感だった。
だからこそ欲望も、愛も、すべてを制御する手を離したくなる。
「…い、一回だけ…だからね。…優しくしてくれるなら…」
スタンは、Honeyのその言葉を聞いた瞬間、静かに息を吸い込んだ。
その視線は変わらず優しく、けれど、底に秘められた情熱が確かに揺らいでいた。
視線を逸らすHoneyの頬に、そっと手を添える。
無理やりじゃない。
逃がさないけれど、壊さない。
まるで宝物に触れるように。
そして、囁くように低く、でもはっきりとした声で答えた。
「OK、優しくすんよ。だが、甘いだけじゃねえ。Honeyの欲しがる声、ちゃんと聞きてえかんね」
唇の端にわずかに笑みを浮かべ、ふっと額に軽くキスを落とす。
その仕草からは、深い慈しみと、もう隠せない熱の高まり。
……一回? 本当にそれで足りっか?
目を合わせて、まっすぐ見つめる。
いつだってHoneyの気持ちと身体が最優先。甘さと獣性は紙一重。
その境界を、Honeyの許しで超えられる喜びを噛み締めながら、スタンはそっとHoneyの唇にキスをもう一度、長く、深く落とした。
「……優しさの中に、全部、詰めてやんよ」
そう言って、Honeyの身体をそっと抱き上げベッドに向かう。
愛しくて、愛しくて仕方がない。
優しくする
確かにそう約束した。
けれど、その優しさの中に、甘さも焦らしも…全部、含めると決めていた。
Honeyの身体を抱き上げて、シーツの温もりに沈めた時、その頬はすでに赤く、視線は揺れていた。
触れる指先ひとつにも、全神経を集中させる。
手のひらで辿るのは、愛する者だけが知る柔らかな輪郭。
くすぐるような、撫でるような、けれど確かに意図を込めたタッチ。
唇を落とすのも、いきなりじゃない。
まぶた、頬、鎖骨、そして、くすぐるように首筋へ。
Honeyの呼吸が震える。けれど、まだ深くは踏み込まない。
「……焦った?」
囁くと、Honeyははにかみながらも、視線を逸らした。
耳まで紅潮していて、それが何よりの答えだった。
ゆっくり、丁寧に、余裕を持って、愛する。
けれどそれがHoneyにとって、時に焦らしになることも、スタンは理解していた。
そして、その瞬間は突然に来た。
すっと伸びてきたHoneyの指が、スタンのシャツの裾を掴み、ぐいと引き寄せた。
普段控えめな彼女が、自ら腕をまわしてくる。
「……スタン、もっと…」
かすれた声で、そう囁いた。
スタンの胸に、深く突き刺さる甘い衝撃。
「……Honey」
低く名前を呼ぶ声が、自然と熱を帯びる。
スタンはゆっくりと彼女を見下ろし、瞳を細めた。
こんなにも欲してくれるなんて…
こんなにも、可愛く、熱いなんて。
優しさの中に火が灯る。
スタンの手が彼女の頬を包み、そっと額を合わせる。
「いいのか? 俺を煽って…?」
問いかけながらも、返事は求めていない。
身体が、もう答えを知っていた。
今度はHoneyがスタンのシャツのボタンを外して優しく胸板に触れる。
その優しさの輪郭が、じわじわと熱に侵食されていく。
焦らされたHoneyが自らを少しだけ大胆にしたその選択は、確かに、スタンの奥にある抑えていた獣の扉を、ゆっくり開き始めていた。
けれどまだ、本気にはならない。
これは甘さと愛しさを重ねる前奏。
スタンはそれを、彼女と一緒に育てていく。
Honeyの頬に触れていた手をそっと滑らせ、指先で唇をなぞる。
軽く、ほんのわずかに触れるだけの、焦れったい接触。
Honeyの身体がピクリと震えた。
「……Honey」
スタンの声は、低く甘く、耳にかかるように響かせる。
Honeyはスタンの視線から逃げるように瞼を伏せたまま、小さく唇を噛んでいれ。
その反応が可愛すぎて、スタンは思わず、笑った。
息を吐くような笑み。
完全に心を奪われていると、自覚した瞬間でもある。
「かわいい……ほんと、罪深い」
額をすり寄せ、細く息を吐きながら彼女の唇に優しく触れる。
けれど今度は、すぐに離れなかった。
甘く長いキスで安心感を与え、指先で丁寧に肌をなぞって、Honeyの緊張を解いていく。
柔らかく、深く、時間をかける。
何度も重ねるようにキスを繰り返しながら、彼女の唇が甘く開いていくのを待つ。
その内にHoneyの腕がスタンの首に絡み、身を預ける体勢になっていた。
「……もう、優しすぎて苦しいわ…」
Honeyの吐息混じりの囁きに、スタンの胸が強く打った。
「なら…少しだけ、変えんぜ」
彼女の脇に片腕を差し入れて抱き寄せ、身体をずらして自分の膝に乗せるように座らせる。
目の前で息を乱しながらも必死にスタンの視線に応えようとするHoneyの瞳が、もう限界を告げていた。
「……いいか、Honey。これは優しさん中にある、本気だかんね。無理はさせねえ。ただ俺に甘えてろ。」
囁きと共に、腰に手を回し、彼女の太ももをゆっくりと撫でる。
バスローブの裾がわずかに乱れ、薄い肌が露わになる。
Honeyは目を潤ませ、スタンの名を小さく呼んだ。
その瞬間、スタンは彼女の唇に深く、静かに、しかし確かに情熱を孕んだキスを落とした。
鎖骨へ、胸元へ、空気ごと吸い込むように触れる。
そのたび、Honeyが震え、甘く声を漏らす。
その声が、スタンの理性をまたひとつ焦がす。
蕩けた瞳で見つめてくるHoneyの視線を、スタンはしっかりと受け止める。
微かに潤み、熱を帯びた瞳。
もう、理性の膜はほとんど残っていない。
けれどスタンは、そこからが本番だと思っていた。
柔らかく、丁寧に、全神経を彼女に向ける。
そしてゆっくり、少しずつ、熱を濃くしていく。
焦らしが、甘さになる。
優しさが、欲望に変わる。
触れるたびに、愛を伝える。
見つめるだけで、欲を伝える。
彼女が大胆になってくれたその応えを、スタンは誠実に返し始めていた。
ただの愛撫じゃない
もっと愛したい、もっと深く、ずっと一緒にいたい。
そんな願いが、触れるたびに込められていた。
腰を掴み直し、Honeyの脚をゆっくりと引き寄せる。
「…大丈夫。任せろ」
声に愛と支配が溶け合う。
優しい支配Honeyだけのものだ。
肌と肌の触れ合う温度が再び高まり、
Honeyの胸元に顔を埋めながら、静かに愛を囁く。
「どこもかしこも、全部…Honeyのことが好きすぎる」
何度目のキスかも忘れるほど、唇を重ね合いながら、今度はゆっくりと、けれど止まらない熱で深く深く沈んでいく。
足先から背中、肩、耳の裏、指の間
スタンはHoneyの敏感な箇所すべてを、
愛でるように、包むように、時に執拗に確かめていく。
「逃げんな」
「イヤじゃねえくせに」
甘く意地悪な声とともに、
Honeyが無意識に快感から逃げようとする動きを優しく制し、快感の渦へ導いていく。
「どこまでも、深く、アンタだけを…」
ゆっくりと交わった身体は、熱に包まれながら、ひとつに溶けていった。
静かな夜に、ふたりの息遣いと甘い喘ぎ声、肌をすべる音が響く。
触れ合いながら、感じ合いながら、言葉より確かな愛を重ねる。
ふたりを包む毛布より、熱くて、優しくて、甘い空気。
まるで世界にふたりしかいないような時間。
愛し合うことだけが現実のような、深く甘い空間。
そして頂点へ。
快感に打ち震えたHoneyが、腕を掴む。
スタンはその手を握り返し、唇を近づけた。
「…愛してる。」
言葉の代わりに、そのまま口づけとともに、ふたりはさらに深く重なり合った。
今夜と呼ぶには、まだ早い夕刻。
けれどそれは、ふたりだけの幸せな時間のはじまりだった。
夜明けの気配が差し込んでも、
ふたりの世界は、まだ終わらない。
息を整える間も惜しいほど、
愛し合うことが生きることのように繰り返されていくHoneyが満たされるのと同じだけ、スタンも確かに、心の奥まで、満たされてる。