日常
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玄関を開けた瞬間、ふわりと鼻先をくすぐる美味しそうな香りと、
それとは別の、柔らかく甘い香り。
浴室から立ちのぼる蒸気に混じるその残り香が何なのか。
スタンには、本能でわかっていた。
「先に帰って、準備して風呂もか…やんじゃん…」
低く、どこか熱を帯びた声が、喉の奥で鳴る。
まるで、捕まえてごらんなさいとでも言われたような気分だった。
玄関に置かれたHoneyの靴。
キッチンにはきちんと用意された食事。
そして浴室からは、時折水音が響いて…
それだけで、理性がぐらりと揺らぐ。
やっと…来たな。今日という日が。
欲望100%でいいと、壊してくれと、
今朝、あの唇が、あの瞳が、確かに言った。
その言葉が、脳内で何度も再生される。
今夜は甘やかさない。
遠慮も、手加減も、もう要らない。
スタンは上着を脱ぎ、
静かにベルトのバックルを外した。
覚悟しておけよ、Honey。
今夜、全部引きずり出してやる。
どこまでも…オレのものだって、刻むからな。
スタンは浴室の扉の前に、静かに背を預けて立った。
脱衣所の向こう――わずか数ミリの隔たりの先に、Honeyがいる。
濡れた肌、湯気を纏った香り、
ドライヤーの音もまだ聞こえない…
まさに、いま何も纏っていないHoneyが、そこに。
「……なぁ、Honey」
低く落とした声。
けれどその響きには、いつもの優しさより熱がこもっていた。
「今夜はもう抑えるつもりないかんね。」
扉越しに、ドクンと跳ねる胸の音が重なる。
スタンの手はノブにかけたまま、開けずに言葉で引き寄せる。
「ドア越しじゃなくて、顔、見せてくんね?…その代わり、一歩でも出てきたら、もう止まらねえから覚悟してろよ」
あとは、Honeyの反応ひとつでいい。
逃げ場を、そっとふさぎながら、心ごと絡め取る。
いつものように優しく抱き上げるのではない。
その身を委ねてきた瞬間に、この夜、全てを奪い尽くす獣に切り替わる。
「…スタン? おかえりなさい。…ふふふ。スタンってば、待つのは得意なのに、我慢出来ない?…でも、これだけは譲れないわ。ドライヤーしたら出るから…」
声色は柔らかく、楽しそうだ。
ドアの向こうから聞こえてきたHoneyの声に、スタンは思わず鼻で笑った。
「……ったく。OK、譲れないのはわかってんよ」
低く抑えた声。けれどその中に滲む、焦れた獣の気配は隠しきれていなかった。
「待つのは得意だ。任務中ならな…だが、今オレがしてんのは待機じゃねぇ。空腹で目の前の獲物に涎垂らしてるだけだかんね、理解して言ってっか?」
Honeyの楽しげな声色に、微笑むどころか
スタンの中の何かは、火に油を注がれた状態。
「……いいぜ。ドライヤー、済ませてくるまで待ってやんよ。ただし.その髪、乾いた瞬間からアンタの時間は終わりだ、Honey」
ノブからそっと手を離しながら、ドア越しに鋭くも甘やかな視線を送るスタン。
スタンの中の待つ獣は、もうリードを噛み千切りそうだ。
ファンの唸る音がふっと消えた。
……その瞬間だった。
スタンの指が無意識に拳を握ったままの、ドアノブへと滑った。
静かすぎる沈黙。
鼓膜がドクンドクンと鳴るような高鳴り。
「……終わったな、Honey」
まるで標的に忍び寄る訓練さながらの静かな一歩。
ガチャ、と音を立てぬようにノブを回し――
脱衣場のドアが、わずかに軋む音を残して開いた。
蒸気がまだ残る空間。
その中で、長い髪を乾かし終えたばかりのHoney鏡越しにスタンを見て目があった瞬間
「もう我慢しねぇ」
低く、獣の声。ハンターの目。
あらかじめ許可は出ている。
今夜は壊しても構わないと、Honeyが自ら言ったのだ。
スタンは躊躇うことなく彼女の元へ歩を進め、逃げ道も、制御も、甘えも――すべて許されない時間の幕が上がる。
このまま、Honeyという甘い標的を全身で捕らえに行く。
獣の目をした、彼、スタン・スナイダーのターンだ。
スタンはドアを開けたまま一歩踏み込み、湿り気を帯びた空気の中、鏡の前のHoneyに視線を留めた。
鏡の中で絡まる視線。
シルクのバスローブが、素肌に滑るように馴染んでいる。
Honeyの肌の熱、微かに漂う石鹸の香り、乾かしたばかりの艶々な髪。
それらすべてが、今夜の合図だった。
スタンは無言で背後に立つと、
鏡越しにHoneyの目をじっと見つめた。
その瞳に宿るのは――理性と欲望の交差点に立つ男の目。
右手を、彼女の髪の一房にそっと触れ、指先で撫でる。
「……乾いてるな」
一言だけ、低く。
左手は腰の後ろへ回し、そっとローブの結び目に触れた。
まだ解かない。
ただ、指先に絡めていつでも落とせるという意思を伝えるように。
そして、首筋に軽く唇を落とす。
甘く、柔らかく、まるで今から全部、愛すと告げるように。
鏡越しに、Honeyの頬がふわっと紅くなる。
その表情すら、スタンの中で欲望を増幅させる燃料になっていた。
「……今夜は、ダメっつっても逃がさねえ」
その言葉に嘘はない。
鏡の中のHoneyを抱くように、これから始まる夜を、静かに導いた。
鏡の中で目を伏せたHoneyが、すぐにまたスタンの視線を捉えた。
頬は紅潮していても、瞳はきちんとスタンを見ている。
まるで覚悟はできてると伝えるように。
スタンはその視線を受け止めながら、ゆっくりとローブの結び目に指を絡めて、解いた。
するすると、シルクの滑る音と共にバスローブが緩み、肩口からふわりと落ちていく。
その瞬間、スタンの喉が小さく鳴った。
どれだけ見慣れても、惚れ直す。
この姿は、いつだって。
「……ああ、無理だな」
低く、熱を帯びた声で呟きながら、鏡越しに彼女の耳元に口づけを落とす。
そこから顎のライン、首筋、肩へ――優しく、しかし確かな欲望を込めて。
Honeyの体が僅かに震え、スタンに凭れるように背を預けた。
それをしっかりと支えるように、両腕で彼女を抱きしめる。
「鏡越しに見るHoney……綺麗すぎて、たまんねえ」
その囁きと同時に、片手がHoneyの手をとり、ゆっくりと鏡へと導く。
「全部、見てな。俺がHoneyをどう愛すか」
まるで今夜の主役はHoneyの反応だと言わんばかりに。
鏡の中に映る二人、その視線の交差と、肌と肌の交わりが、まるでひとつの美しい記憶のように静かに、そして濃密に始まっていった。
愛は、音もなく。
けれど、確かな熱を持って、ふたりを包み込んでいく。
「……全部、受け止めろよ。逃げんな。壊していいって言ったろ?」
その声に、Honeyは鏡越しにコクリと小さく頷いた。
堪らず噛みつく様にキスをした。
甘くて、熱くて、蕩ける夜。
スタンの腕の中、Honeyの背は軽く反っていた。
鏡越しに自分の表情を見られている。
そんな恥ずかしさと、それ以上にスタンの熱に包まれている心地よさに、彼女の胸は小さく上下を繰り返す。
「……ほら、顔、逸らすな」
スタンは耳元で優しく、けれど逃げ場のない声で囁いた。
その声が、Honeyの中に火を灯す。
性急ではないが、途切れることなく与えられる快感。
鏡の中で、愛おしげに見つめるスタンの瞳。それだけで、ふっと膝が力を失いそうになる。
「アンタがどれだけ綺麗か、全部映ってる。俺が、どうしてたまらなくなんのか……今、見せてやんよ」
スタンの手が、Honeyの頬に触れ、ゆっくりと髪を耳にかける。
露になったうなじに、柔らかく唇を這わせると、Honeyが小さく息を呑んだ。
「……っ、スタン……」
「声、抑えんなよ。聞かせな、Honeyの全部」
その言葉のままに、彼の手は鏡越しにHoneyの身体を包み、愛情と欲望の境目をなぞるように触れ、彼女の全身から小さな震えと熱を引き出していった。
鏡には、溶けそうな瞳のHoneyと、彼女を後ろから抱きしめながらも凛とした獣のようなスタンが映っている。
視線を合わせるたび、交わす呼吸が甘く混ざり合い、ふたりの間にもう隙間というものは存在しなかった。
バックハグからの愛撫に翻弄され足に力が入らなくなったHoneyを鏡棚に手をつかせ露になった背中に唇を這わせながら、時折肌を吸い赤い印をつければ、全身の神経が敏感になっている状態のHoneyが反応を見せる。
その反応にスタンの理性はまたグラッと揺さぶられ、下半身は痛いほどに疼いていた。
Honeyの上から覆い被さるスタン。
Honeyのつき出す形になった腰にはスタンの硬く主張するものが布越しに当たりHoneyは期待や焦燥でおかしくなりそうだった。
「なぁ、Honey……」
「ぁ…ん、なぁに……?」
「俺がどれだけ、好きか分かるか?」
「……うん、分かる。身体全部で、感じてるもの」
そんなやり取りの間にも、スタンの手と唇は止まらない。
Honeyのからだの前に回された片手は胸へ、もう片方の手は秘部へ焦らす様に、しかし確実に熱を昂らせるタッチで触れてくる。
確かめるように、愛でるように、求めるように。
ふたりは肌を重ね、心を重ね、呼吸を合わせた。
スタンの手がHoneyの顎に優しく添えられ、視線を鏡に誘導すれば、そこには蕩けてた表情の自分と、優しくも目の奥に獣を住まわせるスタン。
こんな自分…知らない。
スタンに抱かれる時、私こんな顔していたの?
そして、Honeyがそっと呟いた。
「……壊されるって、こんなに幸せなことだったのね…」
その言葉に、スタンは静かに微笑んで、耳元に囁く。
「言ったろ。次の日休みなら、容赦しないってな」
やがてふたりは、脱衣所を出て、ゆっくりと寝室へ向かう。
でもその道のりも、止まらない。
しっかり力強くHoneyを抱き上げ、キスを交わしながら、甘美で、妖艶な、本当にすべてを愛し尽くすための夜へと、進んでいく。
ベッドに辿り着いた瞬間、もう何も迷いはなかった。
Honeyに深いキスをすれば鼻から抜ける色っぽい声、腕の中にいるHoneyが、熱を持った瞳で俺を見上げてる。
頬は紅潮してるのに、その視線はしっかり俺を捉えて離さない。
「……続き、すんぜ?」
確認のように尋ねた声も、喉奥から掠れる。
それほどまでに、目の前のHoneyが、甘く艶めいて見えて、限界が近かった。
「……来て、スタン。貴方の100%を教えて…」
小さく笑った彼女の言葉が胸を打つ。
俺は優しく、だが決して逃がさないように組しいた。
月明かりに照らされたその肌は、まるで宝石みたいだった。
可愛いく。綺麗で、柔らかくて、甘い
全てがスタンを夢中にさせる。
指先で髪を撫で、鎖骨をなぞり、呼吸に合わせて心音を感じる。
キスを落とすたびに、Honeyの身体が小さく震えて、手で身体のラインを撫でれば刺激を拾う敏感な肌、そのひとつひとつが、愛しくてたまらなかった。
「逃げんな……Honey。今日はイヤって行っても止めねえかんね」
快感から逃げ腰になるHoneyの耳元で囁くと、彼女の背がビクッと反応する。
その反応が、たまらなく好きだ。
今夜は、快感の先を見せたい。
甘くて、深くて、気を抜いたら溺れてしまうくらいの愛を。
快感から逃げようと腰を引く度に、俺は腰を掴んで引き戻した。
俺の熱は収まるところを知らない。
Honeyにそれを分からせる様に、掴んだ腰へ硬く主張したそれを布越しに押し当てる。
Honeyは更に紅潮し、瞳の動揺は隠せない。
スタンの手は滑らかにHoneyの感じる部分を行き来して、その度Honeyの口から漏れる小さな吐息さえ逃さない。
Honeyが何度も快楽の絶頂を迎えても、止まることをしないスタン。
イヤと言いながらも潤んでいくその瞳の奥には、拒絶じゃない色が宿ってる。
もっと甘く、もっと深く、欲しくて泣くくらい、俺色に染める。
唇と舌と指先でHoneyの核心へ迫っていく。
どんなに足を閉じても、どんなに恥じらっても、俺は逃さない。絶対に。
「…ぁ、スタン…だめ、そこ……っ」
「ダメって言いながら、受け入れてんよ」
腕の中で揺れるHoneyは、もうすっかり快楽の波に飲まれてる。
快楽から身体を反らす事も今夜は優しさのある力で押さえつける。
内太ももを撫でチュッとキスを落とすと
眉間に皺を寄せ、キュッと目をつぶり、肩で息をする、少し苦しそうだが、逆にそれが妖艶で雄の本能を揺さぶってくる。
スタンはHoneyの中の指を増やし、蕩けている蜜口の温かさに更に興奮が増し、その少し上で小さく主張する秘部に舌を這わせる。
声を漏らし、視線を合わせるたびに、素直な好きが伝わってきた。
何度目かわからない快感の頂は、Honeyを素直にするには十分過ぎて…堪らず漏らした言葉
「…スタン…はぁ…あっ…気持ちいい…」
その一言を聞いた瞬間――まるで、胸の奥を甘く焼かれるような衝撃だった。
「……あぁ……Honey……」
ささやくような声で、俺の名前を呼びながら、素直に快感を口にする彼女。
それが、どれだけの信頼と愛の証なのかを、俺は痛いほど知ってる。
これまで何度も重なり合ってきたが、Honeyがこうして、快楽に身を委ねて、俺の熱に応えるように「気持ちいい」と漏らすその瞬間。
それは俺にとって、何よりも幸せな報酬だ。
「……嬉しいぜ、Honey。その顔、その声……全部、俺だけのもんだ」
優しさと、支配欲と、愛おしさと、欲望が混ざり合う。
一秒でも長く、この甘い反応を引き出していたい。
もっと気持ちよくさせたい。
もっと俺を求めて、甘えて、溶けてさせてえ。
一切の遠慮を捨て、俺はさらに深く、丁寧に、確実に、彼女の気持ちいいを導くように、愛し続ける。
その言葉を引き出せた事実が、今夜の俺を、何より熱く、激しく突き動かした。
そして、また熱く、何度も繋がって。
身体も心も、すべてひとつに重ねて。
「……Honey…何回だって壊してやんよ。俺の手で、俺の愛で。全部、お前を包むかんね」
もう何度果てたか、今が何時なのかも分からなくなった頃、座った姿勢でスタンの上で向き合う様に抱き合いながら一つになっていた。
途切れることのない快楽に、声も出なくなったHoney。
仰け反る首筋にスタンがかぶり付き、また1つ赤い印をつける
寝室には2人の荒い息と、淫らな粘着質のある水分音だけが響く。
スタンの肩口に頭を預け快感に耐えていたHoney。
スタンはHoneyの腰を掴み上下させているものの、挿入はゆっくりと浅く、イクことが出来ないもどかしさと、浅い気持ちよさで頭が真っ白になっていた。
全身が性感帯になったように敏感になっているHoneyには、それが逆に拷問の様で、少しの刺激で息があがる。
少しづつ、でも確実に蓄積されている緩やかな刺激は、Honeyを追い詰める。
「あ…ス…タン…はぁ…息…く…るしい…」
快感から酸欠気味になるHoneyをスタンは優しく包み
「大丈夫だ、Honey。…ゆっくり…そう…ゆっくり息しな…」
だが、スタンは腰の動きは止めない。
緩やかな動きではあるが、動き続けている。
Honeyを安心させる様に耳にチュッとキスを落しHoneyの呼吸が安定したのを確認すると目を合わせる。
「辛かったら俺の肩噛みな。…天国見せてやんぜHoney」
スタンはHoneyの腰を更に強く掴み、一気に最奥部を突き上げた。
それまでの緩やかな動きを感じさせない程、激しく挿入を繰り返す。
寝室に響いた肌がぶつかる音と淫らな粘着質な水分音。
身体の奥の良いところを突かれ、突如襲いくる強い快感。
「…あぁぁぁん」
悲鳴にも近い声をあげ、快楽の頂に登り詰めたHoney。
今まで蓄積されていた緩やかな刺激と、焦らされ待ちわびた最奥部へ到達した刺激に、身体の奥底から押し寄せる強い快楽の波。
強すぎる刺激に身体が勝手に反応し、スタンの肩を噛んだ。
スタンは肩にチクりとは感じたものの、スタンですら意識を飛ばしそうになる程の強い快感に、身体が震えた。
Honeyの意識は朦朧としていて、ずっと蕩けている表情に、火照った身体は快楽の余韻で足がたまに痙攣している。
スタンはサイドボードに置いてあるボトルから水を口に含み、ぐったりしているHoneyへ口移しで水を与え、Honeyが飲んだ事を確認すると唇の端から漏れた水分を拭い、自身も水をグビッと飲み干し、再びHoneyを抱き上げる。
その夜、月が沈むまで。
俺は彼女を愛し続けた。
今夜の俺は、間違いなく限界を超えた。
アンタがあの時、恥じらいながら「壊されても構わない」って言った瞬間から、もう、俺の中の理性ってやつは、崩れてたんよ。
激しく、熱く、甘く。
それでも決して荒くはならず、どこまでも丁寧に、どこまでもHoneyの奥を感じながら。
何度も、何度でも。
アンタがとろけて、震えて、声にならない声をあげるたび、俺の欲はさらに深く、さらに強く、底なしになった。
「……Honey、これが俺の100%だ。もう、誤魔化しも遠慮もねえ」
意識を手放し深い眠りにつくHoneyを抱きしめる腕に、全てを込めた。
心も、身体も、魂も。
全部、お前だけのものにしたかった。
満たされたのは、欲だけじゃない。
心の奥の、飢えてた部分まで、癒された。
アンタが笑ってる。甘えてる。
そして俺のことを、誰よりも強く欲してくれてる。
それが、こんなにも幸せで、こんなにも誇らしい。
もう何もいらねえと本気で思った。
だから…また何度でも、100%を超えていく。
Honeyが望む限り、俺は全部、捧げ続けてやんよ。
それとは別の、柔らかく甘い香り。
浴室から立ちのぼる蒸気に混じるその残り香が何なのか。
スタンには、本能でわかっていた。
「先に帰って、準備して風呂もか…やんじゃん…」
低く、どこか熱を帯びた声が、喉の奥で鳴る。
まるで、捕まえてごらんなさいとでも言われたような気分だった。
玄関に置かれたHoneyの靴。
キッチンにはきちんと用意された食事。
そして浴室からは、時折水音が響いて…
それだけで、理性がぐらりと揺らぐ。
やっと…来たな。今日という日が。
欲望100%でいいと、壊してくれと、
今朝、あの唇が、あの瞳が、確かに言った。
その言葉が、脳内で何度も再生される。
今夜は甘やかさない。
遠慮も、手加減も、もう要らない。
スタンは上着を脱ぎ、
静かにベルトのバックルを外した。
覚悟しておけよ、Honey。
今夜、全部引きずり出してやる。
どこまでも…オレのものだって、刻むからな。
スタンは浴室の扉の前に、静かに背を預けて立った。
脱衣所の向こう――わずか数ミリの隔たりの先に、Honeyがいる。
濡れた肌、湯気を纏った香り、
ドライヤーの音もまだ聞こえない…
まさに、いま何も纏っていないHoneyが、そこに。
「……なぁ、Honey」
低く落とした声。
けれどその響きには、いつもの優しさより熱がこもっていた。
「今夜はもう抑えるつもりないかんね。」
扉越しに、ドクンと跳ねる胸の音が重なる。
スタンの手はノブにかけたまま、開けずに言葉で引き寄せる。
「ドア越しじゃなくて、顔、見せてくんね?…その代わり、一歩でも出てきたら、もう止まらねえから覚悟してろよ」
あとは、Honeyの反応ひとつでいい。
逃げ場を、そっとふさぎながら、心ごと絡め取る。
いつものように優しく抱き上げるのではない。
その身を委ねてきた瞬間に、この夜、全てを奪い尽くす獣に切り替わる。
「…スタン? おかえりなさい。…ふふふ。スタンってば、待つのは得意なのに、我慢出来ない?…でも、これだけは譲れないわ。ドライヤーしたら出るから…」
声色は柔らかく、楽しそうだ。
ドアの向こうから聞こえてきたHoneyの声に、スタンは思わず鼻で笑った。
「……ったく。OK、譲れないのはわかってんよ」
低く抑えた声。けれどその中に滲む、焦れた獣の気配は隠しきれていなかった。
「待つのは得意だ。任務中ならな…だが、今オレがしてんのは待機じゃねぇ。空腹で目の前の獲物に涎垂らしてるだけだかんね、理解して言ってっか?」
Honeyの楽しげな声色に、微笑むどころか
スタンの中の何かは、火に油を注がれた状態。
「……いいぜ。ドライヤー、済ませてくるまで待ってやんよ。ただし.その髪、乾いた瞬間からアンタの時間は終わりだ、Honey」
ノブからそっと手を離しながら、ドア越しに鋭くも甘やかな視線を送るスタン。
スタンの中の待つ獣は、もうリードを噛み千切りそうだ。
ファンの唸る音がふっと消えた。
……その瞬間だった。
スタンの指が無意識に拳を握ったままの、ドアノブへと滑った。
静かすぎる沈黙。
鼓膜がドクンドクンと鳴るような高鳴り。
「……終わったな、Honey」
まるで標的に忍び寄る訓練さながらの静かな一歩。
ガチャ、と音を立てぬようにノブを回し――
脱衣場のドアが、わずかに軋む音を残して開いた。
蒸気がまだ残る空間。
その中で、長い髪を乾かし終えたばかりのHoney鏡越しにスタンを見て目があった瞬間
「もう我慢しねぇ」
低く、獣の声。ハンターの目。
あらかじめ許可は出ている。
今夜は壊しても構わないと、Honeyが自ら言ったのだ。
スタンは躊躇うことなく彼女の元へ歩を進め、逃げ道も、制御も、甘えも――すべて許されない時間の幕が上がる。
このまま、Honeyという甘い標的を全身で捕らえに行く。
獣の目をした、彼、スタン・スナイダーのターンだ。
スタンはドアを開けたまま一歩踏み込み、湿り気を帯びた空気の中、鏡の前のHoneyに視線を留めた。
鏡の中で絡まる視線。
シルクのバスローブが、素肌に滑るように馴染んでいる。
Honeyの肌の熱、微かに漂う石鹸の香り、乾かしたばかりの艶々な髪。
それらすべてが、今夜の合図だった。
スタンは無言で背後に立つと、
鏡越しにHoneyの目をじっと見つめた。
その瞳に宿るのは――理性と欲望の交差点に立つ男の目。
右手を、彼女の髪の一房にそっと触れ、指先で撫でる。
「……乾いてるな」
一言だけ、低く。
左手は腰の後ろへ回し、そっとローブの結び目に触れた。
まだ解かない。
ただ、指先に絡めていつでも落とせるという意思を伝えるように。
そして、首筋に軽く唇を落とす。
甘く、柔らかく、まるで今から全部、愛すと告げるように。
鏡越しに、Honeyの頬がふわっと紅くなる。
その表情すら、スタンの中で欲望を増幅させる燃料になっていた。
「……今夜は、ダメっつっても逃がさねえ」
その言葉に嘘はない。
鏡の中のHoneyを抱くように、これから始まる夜を、静かに導いた。
鏡の中で目を伏せたHoneyが、すぐにまたスタンの視線を捉えた。
頬は紅潮していても、瞳はきちんとスタンを見ている。
まるで覚悟はできてると伝えるように。
スタンはその視線を受け止めながら、ゆっくりとローブの結び目に指を絡めて、解いた。
するすると、シルクの滑る音と共にバスローブが緩み、肩口からふわりと落ちていく。
その瞬間、スタンの喉が小さく鳴った。
どれだけ見慣れても、惚れ直す。
この姿は、いつだって。
「……ああ、無理だな」
低く、熱を帯びた声で呟きながら、鏡越しに彼女の耳元に口づけを落とす。
そこから顎のライン、首筋、肩へ――優しく、しかし確かな欲望を込めて。
Honeyの体が僅かに震え、スタンに凭れるように背を預けた。
それをしっかりと支えるように、両腕で彼女を抱きしめる。
「鏡越しに見るHoney……綺麗すぎて、たまんねえ」
その囁きと同時に、片手がHoneyの手をとり、ゆっくりと鏡へと導く。
「全部、見てな。俺がHoneyをどう愛すか」
まるで今夜の主役はHoneyの反応だと言わんばかりに。
鏡の中に映る二人、その視線の交差と、肌と肌の交わりが、まるでひとつの美しい記憶のように静かに、そして濃密に始まっていった。
愛は、音もなく。
けれど、確かな熱を持って、ふたりを包み込んでいく。
「……全部、受け止めろよ。逃げんな。壊していいって言ったろ?」
その声に、Honeyは鏡越しにコクリと小さく頷いた。
堪らず噛みつく様にキスをした。
甘くて、熱くて、蕩ける夜。
スタンの腕の中、Honeyの背は軽く反っていた。
鏡越しに自分の表情を見られている。
そんな恥ずかしさと、それ以上にスタンの熱に包まれている心地よさに、彼女の胸は小さく上下を繰り返す。
「……ほら、顔、逸らすな」
スタンは耳元で優しく、けれど逃げ場のない声で囁いた。
その声が、Honeyの中に火を灯す。
性急ではないが、途切れることなく与えられる快感。
鏡の中で、愛おしげに見つめるスタンの瞳。それだけで、ふっと膝が力を失いそうになる。
「アンタがどれだけ綺麗か、全部映ってる。俺が、どうしてたまらなくなんのか……今、見せてやんよ」
スタンの手が、Honeyの頬に触れ、ゆっくりと髪を耳にかける。
露になったうなじに、柔らかく唇を這わせると、Honeyが小さく息を呑んだ。
「……っ、スタン……」
「声、抑えんなよ。聞かせな、Honeyの全部」
その言葉のままに、彼の手は鏡越しにHoneyの身体を包み、愛情と欲望の境目をなぞるように触れ、彼女の全身から小さな震えと熱を引き出していった。
鏡には、溶けそうな瞳のHoneyと、彼女を後ろから抱きしめながらも凛とした獣のようなスタンが映っている。
視線を合わせるたび、交わす呼吸が甘く混ざり合い、ふたりの間にもう隙間というものは存在しなかった。
バックハグからの愛撫に翻弄され足に力が入らなくなったHoneyを鏡棚に手をつかせ露になった背中に唇を這わせながら、時折肌を吸い赤い印をつければ、全身の神経が敏感になっている状態のHoneyが反応を見せる。
その反応にスタンの理性はまたグラッと揺さぶられ、下半身は痛いほどに疼いていた。
Honeyの上から覆い被さるスタン。
Honeyのつき出す形になった腰にはスタンの硬く主張するものが布越しに当たりHoneyは期待や焦燥でおかしくなりそうだった。
「なぁ、Honey……」
「ぁ…ん、なぁに……?」
「俺がどれだけ、好きか分かるか?」
「……うん、分かる。身体全部で、感じてるもの」
そんなやり取りの間にも、スタンの手と唇は止まらない。
Honeyのからだの前に回された片手は胸へ、もう片方の手は秘部へ焦らす様に、しかし確実に熱を昂らせるタッチで触れてくる。
確かめるように、愛でるように、求めるように。
ふたりは肌を重ね、心を重ね、呼吸を合わせた。
スタンの手がHoneyの顎に優しく添えられ、視線を鏡に誘導すれば、そこには蕩けてた表情の自分と、優しくも目の奥に獣を住まわせるスタン。
こんな自分…知らない。
スタンに抱かれる時、私こんな顔していたの?
そして、Honeyがそっと呟いた。
「……壊されるって、こんなに幸せなことだったのね…」
その言葉に、スタンは静かに微笑んで、耳元に囁く。
「言ったろ。次の日休みなら、容赦しないってな」
やがてふたりは、脱衣所を出て、ゆっくりと寝室へ向かう。
でもその道のりも、止まらない。
しっかり力強くHoneyを抱き上げ、キスを交わしながら、甘美で、妖艶な、本当にすべてを愛し尽くすための夜へと、進んでいく。
ベッドに辿り着いた瞬間、もう何も迷いはなかった。
Honeyに深いキスをすれば鼻から抜ける色っぽい声、腕の中にいるHoneyが、熱を持った瞳で俺を見上げてる。
頬は紅潮してるのに、その視線はしっかり俺を捉えて離さない。
「……続き、すんぜ?」
確認のように尋ねた声も、喉奥から掠れる。
それほどまでに、目の前のHoneyが、甘く艶めいて見えて、限界が近かった。
「……来て、スタン。貴方の100%を教えて…」
小さく笑った彼女の言葉が胸を打つ。
俺は優しく、だが決して逃がさないように組しいた。
月明かりに照らされたその肌は、まるで宝石みたいだった。
可愛いく。綺麗で、柔らかくて、甘い
全てがスタンを夢中にさせる。
指先で髪を撫で、鎖骨をなぞり、呼吸に合わせて心音を感じる。
キスを落とすたびに、Honeyの身体が小さく震えて、手で身体のラインを撫でれば刺激を拾う敏感な肌、そのひとつひとつが、愛しくてたまらなかった。
「逃げんな……Honey。今日はイヤって行っても止めねえかんね」
快感から逃げ腰になるHoneyの耳元で囁くと、彼女の背がビクッと反応する。
その反応が、たまらなく好きだ。
今夜は、快感の先を見せたい。
甘くて、深くて、気を抜いたら溺れてしまうくらいの愛を。
快感から逃げようと腰を引く度に、俺は腰を掴んで引き戻した。
俺の熱は収まるところを知らない。
Honeyにそれを分からせる様に、掴んだ腰へ硬く主張したそれを布越しに押し当てる。
Honeyは更に紅潮し、瞳の動揺は隠せない。
スタンの手は滑らかにHoneyの感じる部分を行き来して、その度Honeyの口から漏れる小さな吐息さえ逃さない。
Honeyが何度も快楽の絶頂を迎えても、止まることをしないスタン。
イヤと言いながらも潤んでいくその瞳の奥には、拒絶じゃない色が宿ってる。
もっと甘く、もっと深く、欲しくて泣くくらい、俺色に染める。
唇と舌と指先でHoneyの核心へ迫っていく。
どんなに足を閉じても、どんなに恥じらっても、俺は逃さない。絶対に。
「…ぁ、スタン…だめ、そこ……っ」
「ダメって言いながら、受け入れてんよ」
腕の中で揺れるHoneyは、もうすっかり快楽の波に飲まれてる。
快楽から身体を反らす事も今夜は優しさのある力で押さえつける。
内太ももを撫でチュッとキスを落とすと
眉間に皺を寄せ、キュッと目をつぶり、肩で息をする、少し苦しそうだが、逆にそれが妖艶で雄の本能を揺さぶってくる。
スタンはHoneyの中の指を増やし、蕩けている蜜口の温かさに更に興奮が増し、その少し上で小さく主張する秘部に舌を這わせる。
声を漏らし、視線を合わせるたびに、素直な好きが伝わってきた。
何度目かわからない快感の頂は、Honeyを素直にするには十分過ぎて…堪らず漏らした言葉
「…スタン…はぁ…あっ…気持ちいい…」
その一言を聞いた瞬間――まるで、胸の奥を甘く焼かれるような衝撃だった。
「……あぁ……Honey……」
ささやくような声で、俺の名前を呼びながら、素直に快感を口にする彼女。
それが、どれだけの信頼と愛の証なのかを、俺は痛いほど知ってる。
これまで何度も重なり合ってきたが、Honeyがこうして、快楽に身を委ねて、俺の熱に応えるように「気持ちいい」と漏らすその瞬間。
それは俺にとって、何よりも幸せな報酬だ。
「……嬉しいぜ、Honey。その顔、その声……全部、俺だけのもんだ」
優しさと、支配欲と、愛おしさと、欲望が混ざり合う。
一秒でも長く、この甘い反応を引き出していたい。
もっと気持ちよくさせたい。
もっと俺を求めて、甘えて、溶けてさせてえ。
一切の遠慮を捨て、俺はさらに深く、丁寧に、確実に、彼女の気持ちいいを導くように、愛し続ける。
その言葉を引き出せた事実が、今夜の俺を、何より熱く、激しく突き動かした。
そして、また熱く、何度も繋がって。
身体も心も、すべてひとつに重ねて。
「……Honey…何回だって壊してやんよ。俺の手で、俺の愛で。全部、お前を包むかんね」
もう何度果てたか、今が何時なのかも分からなくなった頃、座った姿勢でスタンの上で向き合う様に抱き合いながら一つになっていた。
途切れることのない快楽に、声も出なくなったHoney。
仰け反る首筋にスタンがかぶり付き、また1つ赤い印をつける
寝室には2人の荒い息と、淫らな粘着質のある水分音だけが響く。
スタンの肩口に頭を預け快感に耐えていたHoney。
スタンはHoneyの腰を掴み上下させているものの、挿入はゆっくりと浅く、イクことが出来ないもどかしさと、浅い気持ちよさで頭が真っ白になっていた。
全身が性感帯になったように敏感になっているHoneyには、それが逆に拷問の様で、少しの刺激で息があがる。
少しづつ、でも確実に蓄積されている緩やかな刺激は、Honeyを追い詰める。
「あ…ス…タン…はぁ…息…く…るしい…」
快感から酸欠気味になるHoneyをスタンは優しく包み
「大丈夫だ、Honey。…ゆっくり…そう…ゆっくり息しな…」
だが、スタンは腰の動きは止めない。
緩やかな動きではあるが、動き続けている。
Honeyを安心させる様に耳にチュッとキスを落しHoneyの呼吸が安定したのを確認すると目を合わせる。
「辛かったら俺の肩噛みな。…天国見せてやんぜHoney」
スタンはHoneyの腰を更に強く掴み、一気に最奥部を突き上げた。
それまでの緩やかな動きを感じさせない程、激しく挿入を繰り返す。
寝室に響いた肌がぶつかる音と淫らな粘着質な水分音。
身体の奥の良いところを突かれ、突如襲いくる強い快感。
「…あぁぁぁん」
悲鳴にも近い声をあげ、快楽の頂に登り詰めたHoney。
今まで蓄積されていた緩やかな刺激と、焦らされ待ちわびた最奥部へ到達した刺激に、身体の奥底から押し寄せる強い快楽の波。
強すぎる刺激に身体が勝手に反応し、スタンの肩を噛んだ。
スタンは肩にチクりとは感じたものの、スタンですら意識を飛ばしそうになる程の強い快感に、身体が震えた。
Honeyの意識は朦朧としていて、ずっと蕩けている表情に、火照った身体は快楽の余韻で足がたまに痙攣している。
スタンはサイドボードに置いてあるボトルから水を口に含み、ぐったりしているHoneyへ口移しで水を与え、Honeyが飲んだ事を確認すると唇の端から漏れた水分を拭い、自身も水をグビッと飲み干し、再びHoneyを抱き上げる。
その夜、月が沈むまで。
俺は彼女を愛し続けた。
今夜の俺は、間違いなく限界を超えた。
アンタがあの時、恥じらいながら「壊されても構わない」って言った瞬間から、もう、俺の中の理性ってやつは、崩れてたんよ。
激しく、熱く、甘く。
それでも決して荒くはならず、どこまでも丁寧に、どこまでもHoneyの奥を感じながら。
何度も、何度でも。
アンタがとろけて、震えて、声にならない声をあげるたび、俺の欲はさらに深く、さらに強く、底なしになった。
「……Honey、これが俺の100%だ。もう、誤魔化しも遠慮もねえ」
意識を手放し深い眠りにつくHoneyを抱きしめる腕に、全てを込めた。
心も、身体も、魂も。
全部、お前だけのものにしたかった。
満たされたのは、欲だけじゃない。
心の奥の、飢えてた部分まで、癒された。
アンタが笑ってる。甘えてる。
そして俺のことを、誰よりも強く欲してくれてる。
それが、こんなにも幸せで、こんなにも誇らしい。
もう何もいらねえと本気で思った。
だから…また何度でも、100%を超えていく。
Honeyが望む限り、俺は全部、捧げ続けてやんよ。