日常
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ベッドの中。
朝日よりHoneyの微笑みの方が眩しい。
ふわっと柔らかく微笑むHoneyが、スタンの胸に頬をすり寄せる。
「…スタン、大好きよ。今日もこうして目覚められて幸せ」
スタンの指先がHoneyの髪をすくい、後れ毛を耳にかけながらHoneyが囁く。
「俺もだ。ずっとこうしていたいが…腹減ったな。アンタといると、甘くてとろけっけど……体のエネルギーごっそり持っていかれっかんね」
Honeyはくすっと笑いながらスタンの唇にキス。
「それは困るわね。訓練中にスタンが倒れたら大問題よ。なら…一緒に朝ごはん、食べましょ?」
2人並んで、キッチンへ。
シンプルなトースト、スクランブルエッグ、ベーコンに、フルーツとヨーグルト。
いつもの朝ごはんだけど、今日は食べさせ合いっこモード。
スタンがフォークで卵をつつき、Honeyの口元に差し出す。
「口開けな。Honey専用エネルギーチャージだ。……ちゃんと噛めよ?」
「ふふ、スタンのあーんは効力高いわね…ふふふ。…美味しいっ」
今度はHoneyがトーストを小さくちぎって、バターのついた面を見せながらスタンの唇に。
「はい、スタンも。スタンは私の大事な人、味よ」
「……そんな味、うまいに決まってんじゃん」
付き合いたてのカップルの様な、幼稚で甘い雰囲気に2人して笑いながら満更でもない様子はお互い様。
食べながら、テーブルの下で指先がふっと重なる。
何気ない手の触れ合いさえ、今の2人には意味がある。
スタンはその手を握り、手の甲にキスを落とす。
「Honeyと過ごす朝…たまらなく好きだ。
心まで満たされんね」
Honeyの頬が赤く染まる。
でも、逃げない。
むしろ、嬉しそうに手を重ねてきた。
「じゃあ、明日もあさっても、ずーっと一緒に食べてね」
コーヒーカップを置いた後、キッチンから寝室に戻る途中、ふいにスタンがHoneyの手を引いて、壁際に引き寄せた。
「スタン? どうし――」
言葉の前に、キス。
深くて、でも優しくて――
唇を離した後、スタンが額をHoneyにそっと寄せて囁いた。
「……まだ、Honeyが足んねえ。今夜、もっと補給させてもらうぜ?」
Honey、アンタの好きが詰まった朝。
愛し合って、食べ合って、心がまるごと満たされる時間。俺の全神経がアンタに集中すっかんね。
名残惜しいがHoneyは研究、スタンは訓練に出る時間が迫る。
玄関まで見送りに来たHoney
スタンがブーツを整える手が止まり、ゆっくりと顔を上げた。
ドアに手をかけたまま、少し肩越しに振り返る。
毎日恒例のいってらっしゃいのキス。
スタンの手が頬に添えられ、ほんの指先で髪をなぞる。
「目、閉じて。……その代わり、ちゃんと覚えとけよ。このキス、今夜の予告だかんね」
そう言った瞬間、
スタンの唇がHoneyの唇に触れた。
優しいだけじゃない。
じんわりと熱を持って、気持ちを溶かしていくような深さ。長くもなく、短くもなく。
でも、そこには名残惜しさと、今夜また甘い時間を過ごすという約束が込められていた。
瞳の奥に愛しさと名残惜しさを滲ませながら、出発の時間。
でも、Honeyがその唇を触れた指先で追いかければ
「……今夜、もっと欲しがれよ。アンタの欲しいは、全部俺が応えっかんね」
そう言って、扉の向こうへと、スタンは振り返らずに出て行く。
でもその背中にはHoneyの愛を、確かに背負って。
この日の昼間には、軍と研究部との会議があり、Honeyはゼノと共に、スタンは自部隊メンバーを引き連れ会議室に集まった。
Honeyは昨夜や今朝の名残を残してはいけないと化粧室で薄ピンクの口紅を塗ると気持ちを科学に集中させ会議室に向かった。
会議室。
正面には大きなスクリーン、テーブルには資料と端末が並び、軍と研究部の人間が着席する中で、スタンは背もたれに軽く寄りかかりながら、じっと前を見据えていた。表面上は冷静そのもの。だが、内心は少し違う。
口紅の色、変えてきたな
席に着く直前、Honeyがゼノの隣に腰を下ろす瞬間に、ふと視界に入った唇の色が、今朝とは違っていた。
……ピンクか。ほんのり柔らかい色。
けど、昨夜のその唇は、もっと熱を孕んでたな
スタンは口には出さないが、脳裏には明け方の微笑みと、囁かれた言葉が蘇る。
「スタン、好きよ……全部、受け止めてくれてありがとう」
その記憶を封じるように、手元の端末に視線を落とし、資料のスライドをめくる。
だが、ふと視線を上げれば、Honeyの横顔が目に入る。
ゼノに何か囁かれて、軽く頷く仕草すらも、どこか凛として美しい。
……気持ち切り替えてる顔だ。
だが俺は――昨夜も今朝も、アンタのもっと奥を見た。
Honeyの今の顔つきは、研究者としての顔。
凛として整っていて、冷静で、理知的。
だが、スタンだけが知っている。
その下に隠れた柔らかさと、甘えた声と、頬を紅潮させる顔を。
会議の途中、ゼノがタブレットを操作しながら説明に入る。
その間、Honeyがスライドを先行して操作する様を見て、スタンは思う。
アンタが俺に見せる表情と、他人に見せる表情。
どっちも好きだが、俺だけに見せる顔があるって思えるから、もっと惚れる。
そして、ふとHoneyが視線を上げ、会議中にも関わらずほんの一瞬だけ、スタンと目が合う。
わずかに目を見開き、すぐに資料に視線を戻したHoney。
その反応ひとつで、スタンの口元がほんの少しだけ緩む。
……気づいたな。
今夜、また俺に全部を預けてもらうかんね、Honey
会議は進行している。
だがスタンの本能は、今夜の未来に向かって、静かに熱を帯びていた。
会議室の空気がやわらぎ、最後の議事が滞りなく終わると、参加者たちが一斉に端末を閉じ、軽い雑談と共に立ち上がり始めた。
Honeyも肩の力を抜いて、ふうっと息をついた、その時、すぐ隣にいたゼノが、ほんの少し身体を傾け、Honeyの耳元へと声を落とした。
ゼノ「顔がほんのり赤いのは、議題が熱かったから……ではないようだね、Honey」
その声音には、僅かな笑みがにじんでいた。
会議中、誰よりも冷静だったはずのHoneyが、先ほど一瞬スタンと目を合わせた後、僅かに頬を染めていたこと――
ゼノは、見逃していなかった。
そして、彼はそのまま続ける。
ゼノ「だが心配は無用だ。君の抑えていた時間は、私が代わりに稼いでおいた。
あとは存分に爆発してくれて構わないよ。……彼の隊長殿の方が持てば、の話だが」
Honeyの目元がピクリと動いた。
この男は、本当にどこまで見抜いているのか。
そしてその言葉の意味を正確に理解してしまった自分自身にも、Honeyは内心で小さくため息をついた。
ゼノは最後に、口元だけで笑って、軽く背を向ける。
ゼノ「さて、僕はこの後、別棟で報告だ。
君は……急がなくても、彼はもう仕上がってる頃だろう」
皮肉でも、冷やかしでもなく。
ただ的確な事実として、ゼノはHoneyにそう言い残し、会議室を出ていった。
残されたHoneyの耳には、ほんのりとゼノの低い声が残っていた。
Honeyの頬がゼノの囁きでほんのり赤く染まり、肩が一瞬ぴくりと反応した。
それを、スタンが見逃すはずがない。
会議室の対角から静かに視線を向けていたスタンは、ゼノが何かを囁いた瞬間、Honeyの耳元で何が起きたのかを察していた。
ゼノのあのタイミング、Honeyのわずかな反応、そして…その後のわざとらしく何もなかった顔。
全部が、スタンの警戒と本能に引っかかる。
──何を吹き込まれたな。
だがそれ以上に、スタンを揺さぶったのは
Honeyの紅潮。
それが、会議中にはあり得ない色香を含んでいたことだ。
会議が終わった後の控室。
ほんの少しの時間だけふたりきりになれた。
Honeyの潤んだ瞳、薄く開いた唇――スタンは抗えなかった。
静かに扉を閉めた直後、ふたりの唇が触れ合う。
音を立てぬよう、息を殺しながらの熱戦。
けれど互いの熱は、それだけでは収まりきらなかった。
Honey背中を壁にそっと押しつけたまま、スタンは耳元で息を漏らす。
喉の奥から響く低い声が、Honeyの耳を撫でる。
「……欲しい……我慢できねえ」
Honeyもまた、声を抑えて必死に応えていた。
触れ合うだけで、こんなにも心が暴れるなんて
そんな時だった。
ノック、2回。
一瞬にして緊張が走る。
だが、聞こえてきたのは
ゼノ「…あとで、ちゃんと責任取るわ。隊長殿♪」
ドア越しに、わざとらしく囁くゼノの声。
ふざけてやがる。
Honeyには届かないギリギリのトーン。
だが、スタンの耳には確実に入った。
クソッ…アイツ、わかってて……
Honeyは状況に気づかぬまま、首を傾げた。
スタンはなんとか平静を装い、深く息を吸った。
今は引くしかない。
だが、頭の奥で火は確かに灯っていた。
「…午後の訓練は、早めに切り上げて迎え行くかんね」
惜しくもその言葉を告げ、スタンはドアを開けた。
その夜――
スタンはずっと、考えていた。
Honeyの吐息。唇の熱。
そしてゼノの「責任取るわ」の一言。
あの瞬間、理性を抑えた自分を褒めたい半分、殴りたい気持ちもあった。
「Honey、覚えてっか? 昼間……俺はずっと理性ギリギリだったんよ」
「……スタン?」
言葉を交わす間も惜しくて、スタンはHoneyを抱き寄せた。
静かに、確かに、抑えていたものが堰を切った。
唇は触れるよりも深く、身体は寄せ合うよりも強く、すべての愛情を一滴残らず注ぎ込むように。普段のスタンよりやや強引さが目立つ行為に理性を解放したと悟るHoney
「Honey、今夜は…手加減無しだ。俺の全部で、お前を抱く」
甘さと熱。溶けるほどの愛撫と、確かな絆。
スタンはHoney性感帯を熟知している。
場所がどこで、どんな触られ方が好みか。
その夜、スタンの責任の取り方は、Honeyを何度も絶頂と幸福に包み込んだ。
腕の中で、呼吸を整えながら微笑むHoney。
その穏やかで幸せそうな顔を見てるだけで、心の底から守りたいと思える。
そんな彼女が、ふいにこちらを見上げて聞いてきた。
「ねえ、スタンって私を抱くとき欲望何パーセント出してるの?」
……Honeyらしい、可愛らしくも核心を突く問いだ。
スタンは一瞬黙って、ゆっくりと彼女の髪を撫でながら言葉を選ぶ。
「――出してんのは、いつも半分ぐらいだな」
Honeyの目が「えっ?」と驚きに見開かれるのを感じながらも、続けた。
「半分でようやく、ギリギリ理性を保ててるんよ。アンタのこと、優しく丁寧に愛したいかんね」
そして、Honeyの頬をそっと撫でながら
「……けど、本当は、全部出したら、アンタが朝起きれなくなる。
抱き潰したくなるくらい、アンタが欲しくなる」
真剣なまなざしでそう伝えた後、いたずらに口元だけ緩めて囁く。
「……だから、怖がんなよ? いつか全部ぶつける覚悟ができたら、教えてくれ」
彼の瞳は優しくも、底知れぬ熱を秘めていた。
そしてその熱は、Honeyにだけ向けられる欲望そのものだ。
「…次の日休みなら…スタンの欲望100%出してほしいな。だって私は100%出してるのよ」
Honeyのその一言に、腕の中でピタリと彼女の体温が伝わるのを強く感じたスタン。
瞳は潤んでいるのに、どこか拗ねたように眉が寄っている。
その声に、スタンの胸がじわりと熱を持つ。
思わず小さく息を吐いた。
「……Honey、アンタってやつは…」
少し乱暴なくらいの強さで引き寄せる。
そのまま、唇を額に、頬に、首筋にと重ねながら低く囁いた。
「100%出したら、壊れちまうって思ってかんね。…けど、そんなふうに言われたらもう抑えられるわけねえだろ」
彼の声はすでに、理性の境界線をまたぎかけている。
「次の休み、アンタの覚悟、ちゃんと見せろよ。――俺の全部を、Honeyにぶつけてやんよ」
そして、真剣なまなざしでHoneyを見下ろしながら、そっと言い添えた。
「逃げても、許さない。100%の俺は、手加減なしだかんね」
愛しさと本能が絡み合う熱、その夜、スタンの瞳にはすでに覚悟を決めた男の光が宿っていた。
「…スタン…スタンになら…私…壊されても構わない…ううん、壊してほしいな。スタンは私に全部見せてって言ってくれてるでしょ?逆の立場なら、スタンも同じ事言うと思うわない?」
スタンの喉がかすかに動き、Honeyのその囁きを受け止めた瞬間、胸の奥に火が灯ったようだった。
腕の中でそう言った彼女を、まるで宝石でも扱うかのように、だけど強く、ぎゅっと抱き締める。
「……あぁ。言うね。いや、言うに決まってんよ」
低く、確信を持った声で返した。
「Honey、アンタが俺を壊してくれんなら、それは本望だ」
頬を寄せながら、彼女の耳元へ熱を帯びた声を落とす。
「なら…遠慮しねぇ。今度の休み、100%の欲望をHoneyへぶつけんぜ。そして全部、俺のものにする。覚悟してろよ、Honey」
彼の言葉には、深く滲む情と、圧倒的な支配欲。
それでも優しく、どこまでも大切そうに彼女を包む温度があった。
「壊してほしいなんて言うな。壊すんじゃねえ。Honeyを、愛で溶かすんよ。全部、俺色に」
そしてキスは、言葉の続き。
スタンの全部は、まだほんの序章にすぎなかった。
「ふふふ。なら、スタンの欲望100%の愛で私を溶かして、貴方色に染め上げてねdarling」
スタンはその言葉を聞いた瞬間、まるで心の奥をくすぐられたように目を細めた。
どこか獣のように熱を孕んだ眼差しで、Honeyの瞳をじっと見つめる。
「……Honey、それ言ったな?」
低く、ゆっくりとした声。
そこには余裕と、もう後戻りはさせないという静かな決意が込められていた。
「染めんよ。徹底的に。もうどこにも逃がさねえ。アンタの全部。肌も、声も、心も…俺の色で染め上げる。他の何にも染まらないように、何度でも重ねてやんよ」
彼女の頬に指を滑らせ、唇にごく軽く触れたキスは、嵐の前の静けさのような優しさだった。
「次の休み、覚悟しとけよ。甘やかしも、容赦も、一切なしだ。俺の100%、Honey、お前の中に全部、ぶつける」
愛しているからこそ、全身全霊で彼女にのめり込む。
それがスタンの本気の愛。
そして、今や彼女にだけ許されたその深く激しい情熱は、まさに今、牙を剥こうとしていた。
朝日よりHoneyの微笑みの方が眩しい。
ふわっと柔らかく微笑むHoneyが、スタンの胸に頬をすり寄せる。
「…スタン、大好きよ。今日もこうして目覚められて幸せ」
スタンの指先がHoneyの髪をすくい、後れ毛を耳にかけながらHoneyが囁く。
「俺もだ。ずっとこうしていたいが…腹減ったな。アンタといると、甘くてとろけっけど……体のエネルギーごっそり持っていかれっかんね」
Honeyはくすっと笑いながらスタンの唇にキス。
「それは困るわね。訓練中にスタンが倒れたら大問題よ。なら…一緒に朝ごはん、食べましょ?」
2人並んで、キッチンへ。
シンプルなトースト、スクランブルエッグ、ベーコンに、フルーツとヨーグルト。
いつもの朝ごはんだけど、今日は食べさせ合いっこモード。
スタンがフォークで卵をつつき、Honeyの口元に差し出す。
「口開けな。Honey専用エネルギーチャージだ。……ちゃんと噛めよ?」
「ふふ、スタンのあーんは効力高いわね…ふふふ。…美味しいっ」
今度はHoneyがトーストを小さくちぎって、バターのついた面を見せながらスタンの唇に。
「はい、スタンも。スタンは私の大事な人、味よ」
「……そんな味、うまいに決まってんじゃん」
付き合いたてのカップルの様な、幼稚で甘い雰囲気に2人して笑いながら満更でもない様子はお互い様。
食べながら、テーブルの下で指先がふっと重なる。
何気ない手の触れ合いさえ、今の2人には意味がある。
スタンはその手を握り、手の甲にキスを落とす。
「Honeyと過ごす朝…たまらなく好きだ。
心まで満たされんね」
Honeyの頬が赤く染まる。
でも、逃げない。
むしろ、嬉しそうに手を重ねてきた。
「じゃあ、明日もあさっても、ずーっと一緒に食べてね」
コーヒーカップを置いた後、キッチンから寝室に戻る途中、ふいにスタンがHoneyの手を引いて、壁際に引き寄せた。
「スタン? どうし――」
言葉の前に、キス。
深くて、でも優しくて――
唇を離した後、スタンが額をHoneyにそっと寄せて囁いた。
「……まだ、Honeyが足んねえ。今夜、もっと補給させてもらうぜ?」
Honey、アンタの好きが詰まった朝。
愛し合って、食べ合って、心がまるごと満たされる時間。俺の全神経がアンタに集中すっかんね。
名残惜しいがHoneyは研究、スタンは訓練に出る時間が迫る。
玄関まで見送りに来たHoney
スタンがブーツを整える手が止まり、ゆっくりと顔を上げた。
ドアに手をかけたまま、少し肩越しに振り返る。
毎日恒例のいってらっしゃいのキス。
スタンの手が頬に添えられ、ほんの指先で髪をなぞる。
「目、閉じて。……その代わり、ちゃんと覚えとけよ。このキス、今夜の予告だかんね」
そう言った瞬間、
スタンの唇がHoneyの唇に触れた。
優しいだけじゃない。
じんわりと熱を持って、気持ちを溶かしていくような深さ。長くもなく、短くもなく。
でも、そこには名残惜しさと、今夜また甘い時間を過ごすという約束が込められていた。
瞳の奥に愛しさと名残惜しさを滲ませながら、出発の時間。
でも、Honeyがその唇を触れた指先で追いかければ
「……今夜、もっと欲しがれよ。アンタの欲しいは、全部俺が応えっかんね」
そう言って、扉の向こうへと、スタンは振り返らずに出て行く。
でもその背中にはHoneyの愛を、確かに背負って。
この日の昼間には、軍と研究部との会議があり、Honeyはゼノと共に、スタンは自部隊メンバーを引き連れ会議室に集まった。
Honeyは昨夜や今朝の名残を残してはいけないと化粧室で薄ピンクの口紅を塗ると気持ちを科学に集中させ会議室に向かった。
会議室。
正面には大きなスクリーン、テーブルには資料と端末が並び、軍と研究部の人間が着席する中で、スタンは背もたれに軽く寄りかかりながら、じっと前を見据えていた。表面上は冷静そのもの。だが、内心は少し違う。
口紅の色、変えてきたな
席に着く直前、Honeyがゼノの隣に腰を下ろす瞬間に、ふと視界に入った唇の色が、今朝とは違っていた。
……ピンクか。ほんのり柔らかい色。
けど、昨夜のその唇は、もっと熱を孕んでたな
スタンは口には出さないが、脳裏には明け方の微笑みと、囁かれた言葉が蘇る。
「スタン、好きよ……全部、受け止めてくれてありがとう」
その記憶を封じるように、手元の端末に視線を落とし、資料のスライドをめくる。
だが、ふと視線を上げれば、Honeyの横顔が目に入る。
ゼノに何か囁かれて、軽く頷く仕草すらも、どこか凛として美しい。
……気持ち切り替えてる顔だ。
だが俺は――昨夜も今朝も、アンタのもっと奥を見た。
Honeyの今の顔つきは、研究者としての顔。
凛として整っていて、冷静で、理知的。
だが、スタンだけが知っている。
その下に隠れた柔らかさと、甘えた声と、頬を紅潮させる顔を。
会議の途中、ゼノがタブレットを操作しながら説明に入る。
その間、Honeyがスライドを先行して操作する様を見て、スタンは思う。
アンタが俺に見せる表情と、他人に見せる表情。
どっちも好きだが、俺だけに見せる顔があるって思えるから、もっと惚れる。
そして、ふとHoneyが視線を上げ、会議中にも関わらずほんの一瞬だけ、スタンと目が合う。
わずかに目を見開き、すぐに資料に視線を戻したHoney。
その反応ひとつで、スタンの口元がほんの少しだけ緩む。
……気づいたな。
今夜、また俺に全部を預けてもらうかんね、Honey
会議は進行している。
だがスタンの本能は、今夜の未来に向かって、静かに熱を帯びていた。
会議室の空気がやわらぎ、最後の議事が滞りなく終わると、参加者たちが一斉に端末を閉じ、軽い雑談と共に立ち上がり始めた。
Honeyも肩の力を抜いて、ふうっと息をついた、その時、すぐ隣にいたゼノが、ほんの少し身体を傾け、Honeyの耳元へと声を落とした。
ゼノ「顔がほんのり赤いのは、議題が熱かったから……ではないようだね、Honey」
その声音には、僅かな笑みがにじんでいた。
会議中、誰よりも冷静だったはずのHoneyが、先ほど一瞬スタンと目を合わせた後、僅かに頬を染めていたこと――
ゼノは、見逃していなかった。
そして、彼はそのまま続ける。
ゼノ「だが心配は無用だ。君の抑えていた時間は、私が代わりに稼いでおいた。
あとは存分に爆発してくれて構わないよ。……彼の隊長殿の方が持てば、の話だが」
Honeyの目元がピクリと動いた。
この男は、本当にどこまで見抜いているのか。
そしてその言葉の意味を正確に理解してしまった自分自身にも、Honeyは内心で小さくため息をついた。
ゼノは最後に、口元だけで笑って、軽く背を向ける。
ゼノ「さて、僕はこの後、別棟で報告だ。
君は……急がなくても、彼はもう仕上がってる頃だろう」
皮肉でも、冷やかしでもなく。
ただ的確な事実として、ゼノはHoneyにそう言い残し、会議室を出ていった。
残されたHoneyの耳には、ほんのりとゼノの低い声が残っていた。
Honeyの頬がゼノの囁きでほんのり赤く染まり、肩が一瞬ぴくりと反応した。
それを、スタンが見逃すはずがない。
会議室の対角から静かに視線を向けていたスタンは、ゼノが何かを囁いた瞬間、Honeyの耳元で何が起きたのかを察していた。
ゼノのあのタイミング、Honeyのわずかな反応、そして…その後のわざとらしく何もなかった顔。
全部が、スタンの警戒と本能に引っかかる。
──何を吹き込まれたな。
だがそれ以上に、スタンを揺さぶったのは
Honeyの紅潮。
それが、会議中にはあり得ない色香を含んでいたことだ。
会議が終わった後の控室。
ほんの少しの時間だけふたりきりになれた。
Honeyの潤んだ瞳、薄く開いた唇――スタンは抗えなかった。
静かに扉を閉めた直後、ふたりの唇が触れ合う。
音を立てぬよう、息を殺しながらの熱戦。
けれど互いの熱は、それだけでは収まりきらなかった。
Honey背中を壁にそっと押しつけたまま、スタンは耳元で息を漏らす。
喉の奥から響く低い声が、Honeyの耳を撫でる。
「……欲しい……我慢できねえ」
Honeyもまた、声を抑えて必死に応えていた。
触れ合うだけで、こんなにも心が暴れるなんて
そんな時だった。
ノック、2回。
一瞬にして緊張が走る。
だが、聞こえてきたのは
ゼノ「…あとで、ちゃんと責任取るわ。隊長殿♪」
ドア越しに、わざとらしく囁くゼノの声。
ふざけてやがる。
Honeyには届かないギリギリのトーン。
だが、スタンの耳には確実に入った。
クソッ…アイツ、わかってて……
Honeyは状況に気づかぬまま、首を傾げた。
スタンはなんとか平静を装い、深く息を吸った。
今は引くしかない。
だが、頭の奥で火は確かに灯っていた。
「…午後の訓練は、早めに切り上げて迎え行くかんね」
惜しくもその言葉を告げ、スタンはドアを開けた。
その夜――
スタンはずっと、考えていた。
Honeyの吐息。唇の熱。
そしてゼノの「責任取るわ」の一言。
あの瞬間、理性を抑えた自分を褒めたい半分、殴りたい気持ちもあった。
「Honey、覚えてっか? 昼間……俺はずっと理性ギリギリだったんよ」
「……スタン?」
言葉を交わす間も惜しくて、スタンはHoneyを抱き寄せた。
静かに、確かに、抑えていたものが堰を切った。
唇は触れるよりも深く、身体は寄せ合うよりも強く、すべての愛情を一滴残らず注ぎ込むように。普段のスタンよりやや強引さが目立つ行為に理性を解放したと悟るHoney
「Honey、今夜は…手加減無しだ。俺の全部で、お前を抱く」
甘さと熱。溶けるほどの愛撫と、確かな絆。
スタンはHoney性感帯を熟知している。
場所がどこで、どんな触られ方が好みか。
その夜、スタンの責任の取り方は、Honeyを何度も絶頂と幸福に包み込んだ。
腕の中で、呼吸を整えながら微笑むHoney。
その穏やかで幸せそうな顔を見てるだけで、心の底から守りたいと思える。
そんな彼女が、ふいにこちらを見上げて聞いてきた。
「ねえ、スタンって私を抱くとき欲望何パーセント出してるの?」
……Honeyらしい、可愛らしくも核心を突く問いだ。
スタンは一瞬黙って、ゆっくりと彼女の髪を撫でながら言葉を選ぶ。
「――出してんのは、いつも半分ぐらいだな」
Honeyの目が「えっ?」と驚きに見開かれるのを感じながらも、続けた。
「半分でようやく、ギリギリ理性を保ててるんよ。アンタのこと、優しく丁寧に愛したいかんね」
そして、Honeyの頬をそっと撫でながら
「……けど、本当は、全部出したら、アンタが朝起きれなくなる。
抱き潰したくなるくらい、アンタが欲しくなる」
真剣なまなざしでそう伝えた後、いたずらに口元だけ緩めて囁く。
「……だから、怖がんなよ? いつか全部ぶつける覚悟ができたら、教えてくれ」
彼の瞳は優しくも、底知れぬ熱を秘めていた。
そしてその熱は、Honeyにだけ向けられる欲望そのものだ。
「…次の日休みなら…スタンの欲望100%出してほしいな。だって私は100%出してるのよ」
Honeyのその一言に、腕の中でピタリと彼女の体温が伝わるのを強く感じたスタン。
瞳は潤んでいるのに、どこか拗ねたように眉が寄っている。
その声に、スタンの胸がじわりと熱を持つ。
思わず小さく息を吐いた。
「……Honey、アンタってやつは…」
少し乱暴なくらいの強さで引き寄せる。
そのまま、唇を額に、頬に、首筋にと重ねながら低く囁いた。
「100%出したら、壊れちまうって思ってかんね。…けど、そんなふうに言われたらもう抑えられるわけねえだろ」
彼の声はすでに、理性の境界線をまたぎかけている。
「次の休み、アンタの覚悟、ちゃんと見せろよ。――俺の全部を、Honeyにぶつけてやんよ」
そして、真剣なまなざしでHoneyを見下ろしながら、そっと言い添えた。
「逃げても、許さない。100%の俺は、手加減なしだかんね」
愛しさと本能が絡み合う熱、その夜、スタンの瞳にはすでに覚悟を決めた男の光が宿っていた。
「…スタン…スタンになら…私…壊されても構わない…ううん、壊してほしいな。スタンは私に全部見せてって言ってくれてるでしょ?逆の立場なら、スタンも同じ事言うと思うわない?」
スタンの喉がかすかに動き、Honeyのその囁きを受け止めた瞬間、胸の奥に火が灯ったようだった。
腕の中でそう言った彼女を、まるで宝石でも扱うかのように、だけど強く、ぎゅっと抱き締める。
「……あぁ。言うね。いや、言うに決まってんよ」
低く、確信を持った声で返した。
「Honey、アンタが俺を壊してくれんなら、それは本望だ」
頬を寄せながら、彼女の耳元へ熱を帯びた声を落とす。
「なら…遠慮しねぇ。今度の休み、100%の欲望をHoneyへぶつけんぜ。そして全部、俺のものにする。覚悟してろよ、Honey」
彼の言葉には、深く滲む情と、圧倒的な支配欲。
それでも優しく、どこまでも大切そうに彼女を包む温度があった。
「壊してほしいなんて言うな。壊すんじゃねえ。Honeyを、愛で溶かすんよ。全部、俺色に」
そしてキスは、言葉の続き。
スタンの全部は、まだほんの序章にすぎなかった。
「ふふふ。なら、スタンの欲望100%の愛で私を溶かして、貴方色に染め上げてねdarling」
スタンはその言葉を聞いた瞬間、まるで心の奥をくすぐられたように目を細めた。
どこか獣のように熱を孕んだ眼差しで、Honeyの瞳をじっと見つめる。
「……Honey、それ言ったな?」
低く、ゆっくりとした声。
そこには余裕と、もう後戻りはさせないという静かな決意が込められていた。
「染めんよ。徹底的に。もうどこにも逃がさねえ。アンタの全部。肌も、声も、心も…俺の色で染め上げる。他の何にも染まらないように、何度でも重ねてやんよ」
彼女の頬に指を滑らせ、唇にごく軽く触れたキスは、嵐の前の静けさのような優しさだった。
「次の休み、覚悟しとけよ。甘やかしも、容赦も、一切なしだ。俺の100%、Honey、お前の中に全部、ぶつける」
愛しているからこそ、全身全霊で彼女にのめり込む。
それがスタンの本気の愛。
そして、今や彼女にだけ許されたその深く激しい情熱は、まさに今、牙を剥こうとしていた。