episode20 愛しい人
「ねぇ、毎日来なくても大丈夫だよ」
三人がくる度に
同じ言葉をかけたが
三人は首を縦に振らなかった。
聞こえないため息を吐き
河南は窓の外に目をやった。
tetsuyaが来る日も
yukihiroが来る日も
毎日が会話も少なく
河南はひたすら外を見ているだけ。
河南はほとんど食事を摂らない。
『食べなきゃだめやよ』
hydeが言うが
食欲がないから
hydeが食べなよと笑顔で返される。
そしてポツリと口を開いた。
「ねぇ、帰って」
耳を疑ったhydeだが
河南が泣いている。
『分かった、またな』
hydeは悲しい気持ちを抑えて
河南の頭を撫でて部屋を出た。
その事実はtetsuyaにも
yukihiroにも伝えられた。
tetsuyaが行ってみると
看護師から面会したくないと言っていると言われ
帰された。
時間をかけて
上半身を起こすことが出来るようになった。
しかし食事を摂らない河南は
痩せ細ってしまい
回復の兆しが見られないと
医師から夫に伝えられた。
tetsuyaはyukihiroから桃缶を託され
病室に向かった。
久しぶりに見る河南は
別人のようで
覇気もなく
ただひたすら外を見ていた。
髪型もキレイなロングだったのに
本人の希望でボブまで切られている。
『ユッキーから預かって来たで』
桃缶を見せると河南はそっぽを向いた。
「来ないでって行ったのに」
『うん、せやけど何か食べないと元気にならへんって』
「嫌なの!」
急な河南の大声。
「見られたくないの」
こんな姿
歯も磨けなくて
お風呂にも入れなくて
トイレだって手を借りなきゃ行けない
大好きなみんなに見られたくないの。
沈黙のあと口を開いたのは
tetsuya。
『愛してるから側にいたいのはダメかな』
どんな姿だって河南は河南やん。
愛してるからこそ
自分たちの手で看病してやりたいと思うのが夫婦やで。
泣きながら微笑んでいるtetsuyaは
河南を抱き締めた。
「桃・・・食べる」
『せやね』
一口食べた河南が美味しいと笑った。
「ごめんなさい」
『ええよ』
その日
tetsuyaは河南に寄り添ったまま。
事故の記憶が離れずに
寝たら死ぬのではないかと
眠ることも出来なかった河南が
tetsuyaの温もりで眠ることが出来た。
tetsuyaは安堵のため息を付いた。
翌日はhydeが顔を出す。
『入ってええ?』
頷く河南。
「この間はごめんなさい」
hydeは黙って河南を抱き締めた。
『髪、切らんでも良かったんに』
少しの会話なのにホッとする。
三人がくる度に
同じ言葉をかけたが
三人は首を縦に振らなかった。
聞こえないため息を吐き
河南は窓の外に目をやった。
tetsuyaが来る日も
yukihiroが来る日も
毎日が会話も少なく
河南はひたすら外を見ているだけ。
河南はほとんど食事を摂らない。
『食べなきゃだめやよ』
hydeが言うが
食欲がないから
hydeが食べなよと笑顔で返される。
そしてポツリと口を開いた。
「ねぇ、帰って」
耳を疑ったhydeだが
河南が泣いている。
『分かった、またな』
hydeは悲しい気持ちを抑えて
河南の頭を撫でて部屋を出た。
その事実はtetsuyaにも
yukihiroにも伝えられた。
tetsuyaが行ってみると
看護師から面会したくないと言っていると言われ
帰された。
時間をかけて
上半身を起こすことが出来るようになった。
しかし食事を摂らない河南は
痩せ細ってしまい
回復の兆しが見られないと
医師から夫に伝えられた。
tetsuyaはyukihiroから桃缶を託され
病室に向かった。
久しぶりに見る河南は
別人のようで
覇気もなく
ただひたすら外を見ていた。
髪型もキレイなロングだったのに
本人の希望でボブまで切られている。
『ユッキーから預かって来たで』
桃缶を見せると河南はそっぽを向いた。
「来ないでって行ったのに」
『うん、せやけど何か食べないと元気にならへんって』
「嫌なの!」
急な河南の大声。
「見られたくないの」
こんな姿
歯も磨けなくて
お風呂にも入れなくて
トイレだって手を借りなきゃ行けない
大好きなみんなに見られたくないの。
沈黙のあと口を開いたのは
tetsuya。
『愛してるから側にいたいのはダメかな』
どんな姿だって河南は河南やん。
愛してるからこそ
自分たちの手で看病してやりたいと思うのが夫婦やで。
泣きながら微笑んでいるtetsuyaは
河南を抱き締めた。
「桃・・・食べる」
『せやね』
一口食べた河南が美味しいと笑った。
「ごめんなさい」
『ええよ』
その日
tetsuyaは河南に寄り添ったまま。
事故の記憶が離れずに
寝たら死ぬのではないかと
眠ることも出来なかった河南が
tetsuyaの温もりで眠ることが出来た。
tetsuyaは安堵のため息を付いた。
翌日はhydeが顔を出す。
『入ってええ?』
頷く河南。
「この間はごめんなさい」
hydeは黙って河南を抱き締めた。
『髪、切らんでも良かったんに』
少しの会話なのにホッとする。