それぞれの時間を過ごし
再びリビングに集まった三人は
顔を合わせながら
壁にある時計を見上げる。

y『遅くない？』
h『せやね』
t『遅いやろ』

すでに23時を回っている。

その頃の河南は
カラオケスタジオに
場所を移して
盛り上がっている。

携帯が着信を知らせているのも気付いていない。

鳴らしているのはtetsuya。

『出えへん』

時間はともかく
１人で夜道を歩くとか
１人でタクシーに乗るとか
１人で電車とか
危険なことはさせてこなかった三人は
もう一度、河南の携帯を鳴らした。

心配で気が気じゃない三人は
右往左往し始める。

さっきから電話が鳴っていると
知らされた河南は
酔いも冷めるほど焦った。

何故なら
tetsuyaの他に
yukihiroからも
hydeからも着信があったからだ。

素直にヤバイと思った河南は
慌ててtetsuyaに電話をした。

『どこにおるん？』

tetsuyaの低い声に
顔をしかめる河南。

「カラオケ・・・です」

後ろから
yukihiroとhydeの声がする。

すると河南の電話の後ろから
男性の声が聞こえる。

お姉さん１人？
一緒しない？

明らかにナンパされている様子に
yukihiroとhydeが家を飛び出す。

ナンパをあしらって
電話をしたまま部屋に戻る。

今度は盛り上がっている女性の声。

本当にカラオケにいると
信用したtetsuyaだが
心配の限界で
今から行くと言う
tetsuyaとの会話に
最初は拒否していた河南。

電話越しに
yukihiroの車のエンジン音を聞いた河南は
素直に場所を教えた。

一気に酔いが冷める。