レーズンバター(hyde)

河南は思い出していた。

最初にOWLで見かけた彼は
サングラスに深めの帽子で
近寄りがたいオーラを発していた。

身なりから
素顔を見せちゃいけない人なんだと感じていたのに
マスターと話すときには笑顔だったから
そのギャップに見とれてしまい、ときめいた。

会うたびに一人でいる彼が謎で
もっと知りたくなって
時間潰しに来ていたのに
いつの間にか盗み見や
盗み聞きをしてしまう。

お店のドアを開けるとある姿に安心まで覚えたし
後から来る時は喜びを隠していた。

そんな彼と話が出来て
すれ違うたびに不安になって
視線がぶつかるたびに高鳴って
何度も助けて貰って
いつの間にか彼といられる時間に酔いしれて
だけど自暴自棄になったりしながら待ってみたり
今までにはない自分の気持ちに葛藤しながらも
こうしていられるのがとても嬉しくて恥ずかしくて
すごいと思う。

彼が芸能人でも好きなものは好きと改めて気付いた河南。
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