レーズンバター(hyde)

河南は求めていた。

インターホンを鳴らすと
河南の妹が顔を出し
事情を話して部屋に入った。

河南の部屋はデザイナー一色の部屋だ。

コートを脱がしてベッドに寝かす。

華奢な体。

妹が用意した冷却シートを河南のおでこに貼って部屋を出る。

「コーヒー入れましたから」

hydeはその言葉に甘えて頂くことにした。

「私、お姉ちゃんの好きな人に焼いてたんです」

昔からお姉ちゃんっ子だった。

いつも一緒にいたのに
河南が一人暮らしを始めてしまって
離れたくなかったから転がり込んで
河南の好きな人に
河南を捕られたくなかった。

河南の妹がそう打ち明けた。

「hydeさんはきっとお姉ちゃんを守ってくれるって思ってます」

そう言いながら例の週刊誌を見せられた。

「嘘ですよね?」

hydeは真相を話した。

確かにあの場所にはいたけど
あのアイドルが来るなんて知らなかったし
一方的に腕を組まれたところを撮られたのだと。

河南がずっと苦しんでいたのを知るhyde。

だからずっとOWLにも来ないで熱まで出して。

hydeはもう一度、河南の部屋に行った。

そっと手を握る。

眠っていても泣きそうな顔に愛おしさを感じた。

そっと口づける。

「早く元気になれ」

そう残して部屋を後にした。
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